文房具
2022/1/15 19:30

【文具ソムリエール・菅未里の自腹買い文房具】ハンコ業界への逆風はやさしさで跳ね返す⁉️ 難読名字に対応した「ふりがな印」

イベントやメディアへの出演、新作文房具のプロモーションなどに引っ張りだこの文具ソムリエール・菅未里さん。文房具の新作からロングセラーまでを知り尽くした菅さんが、自腹を切ってまで手に入れた愛用の文房具とは? 今回は、逆風にさらされる業界のなかで、ちょっとした親切を形にした新しい試み。

 

難読名字のためのふりがなつきハンコ

ハンコを作っている印章業界が、逆風にさらされていると言われています。ペーパーレス・デジタル化の時代に、紙に捺(お)すハンコは時代遅れだというわけです。とくに昨今のコロナ禍では、「ハンコを捺すためだけに出社した」などというような話もあり、「非効率」「古い習慣」の代名詞になってしまっている感すらあります。

 

しかし、そんな逆風の下でも、ハンコが進歩し続けていることをご存じでしょうか?

名字を彫り込んだハンコは多くの場合、漢字だけですよね。しかし世の中には読みにくい名前を持っている人がいます。何を隠そう私、菅未里(かんみさと)がその一人でして、「すがみさと」「すがあかり」と読まれてしまうことがよくあるのです。

 

まあ私の場合、使用している漢字自体はそれほど難しくないのですが、どうがんばっても初対面では読めない名前の方も少なくありません。そういう方たちは、ハンコを捺したあとに名前を読み間違えられる(あるいは読めない)リスクがあるということになります。

 

私は読み間違えられることには慣れっこになってしまっていますが、少し困るのは、読み間違えを指摘すると、相手が必要以上に委縮してしまうことです。誰にも罪はないのですから、あまり謝らせてしまうのも申し訳ない。そこで最近、相手への気遣いとして、シヤチハタの「ふりがな印」を買ってみました。

シヤチハタ
クリエイティブ印「ふりがな印」
2365円(税込)

 

ふりがな印は、名前の漢字にふりがながつく画期的なハンコです。これでもう読み間違えられる心配はありませんね。

↑左がふりがな印。このように、漢字といっしょにふりがながふられています

 

私がおすすめする理由は、それだけではありません。本体はシヤチハタの超定番ハンコである「ネーム9」なのですが、ボディーのカラーバリエーションがとても豊富なんですね。私は「日本の伝統色」シリーズから「桜鼠(さくらねず)」を選びましたが、黒いボディのハンコに飽きている方にもおすすめできます。

↑私が選んだのは「日本の伝統色」シリーズの「桜鼠(さくらねず)」。淡くていい色です

 

また、文字のパターンも複数用意されています。縦書き・横書き以外にもふりがなの配置も変えられます。漫画のような吹き出しデザインまであります。

 

それから、文字数の上限は四文字なので、三文字の私のようにフルネームをハンコにすることもできます。前述のように、私は下の名前を読み間違えられることも多いので、フルネームである点は重要なのです。

↑私のように名前の文字数が少ない方なら、フルネームにふりがなをふれます

 

型にとらわれないハンコの使い方を

さて、このふりがな印、ハンコとして使いやすいのは言うまでもありませんが、ふりがながある点を活かして新しい使い方をしてみてはいかがでしょうか?

 

たとえば、名刺にふりがながない方も多いと思うのですが、そんな名刺の隅にポンと捺してはどうでしょうか。もし読みにくい名前であった場合、相手への親切になります。あるいは企画書や資料にサイン代わりに捺してもいいですね。

↑名刺に捺すと、相手は名前の読みに迷うことがありません

 

ちなみに、シヤチハタのハンコは5000回以上捺印できて、さらにインクの補充も可能です。私はハンコの薄さを上司に叱られたことがあるのですが、社会人のみなさまには早め早めのインク補充をお勧めしておきます。ただし、必ず専用品を使ってください。そうでないインクは不具合につながる恐れがあります。

↑インクは思っている以上に長く持ちますが、補充も可能。ただし専用品を使ってください

 

「古さ」の象徴のようにとらえられるハンコも、今回紹介したように進歩しています。ならば、使い方が進歩してはいけない理由はありません。ぜひ新しい使い方を探してみてください。

 

 

連載「文具ソムリエール・菅 未里の自腹買い文房具」アーカイブ
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