本・書籍
自己啓発
2022/3/24 17:00

IQ・EQに次ぐ第3の知性「PQ(自己表現力)」こそ、ビジネスにもっとも必要な力だ!ーー『成功はPQで決まる』

ああ、ヘタだ。ヘタすぎる。動画配信に関わらせていただいているが、パフォーマンスは理想とかけ離れている。

 

PQとは?

もちろん、スタッフのせいでは決してない。それに、筆者は自分がそこそこ面白い人間だと思っている。でも、動画を見ると期待していたほど面白くない。いや、想定していた仕上がりとはほど遠い。収録の時の主観性と、アップされた動画を見る時の客観性にこれほどの差が出るとは……。トークのプロではないので、毎回高評価をいただくというのは無理な話だろう。それは十分わかっているんだけれども、もうちょっとなんとかならないか。

 

筆者のそんな思いが引き寄せの法則に乗ったのだろう。『成功はPQで決まる』(佐藤綾子・著/学研プラス・刊)という本を手にすることになった。“PQ”というのは耳慣れない言葉ではないだろうか。これはPerformance Quotient=「自己表現力指数」の略で、世界初の自己表現力測定尺度を意味する。日本におけるパフォーマンス心理学の第一人者である佐藤綾子氏の42年にわたるキャリアの成果として誕生した。

 

IQ(=知力)、そしてEQ(=自分や相手の感情を理解する力)がいくら高くても、その二つを適切に表現する自己表現力であるPQがなければ、真意が的確に伝わらないどころか、IQもEQも宝の持ち腐れになってしまう。PQとは、IQとEQ以上に重要な「第3の知性」であり、人間の対人能力の統合形にほかならない。

 

IQとEQ、そしてPQによって表される人間の姿

今の世の中、何らかのパフォーマンスとまったく無縁で生きていける人はいない。パフォーマンスの本質とは、何かを伝えることにほかならない。誰かと関わりを持った瞬間にその芽が生まれる。最近は、オンライン会議などデジタル由来の関わり合いにおいても必須だ。

 

PQは、特に今の時代において自分という存在を固めていく過程——自己実現という言い方が正しいのだろう——に不可欠な概念なのだ。まずは、PQを構築する要素とそれぞれの関係性、そしてPQによってもたらされるものすべてがひと目でわかる表を見ていただきたい。古代ギリシャの哲学者アリストテレスの言葉も概念の可視化を助けてくれる。

 

然るべきことがらについて、然るべき人々に対して、さらにまた然るべきしかたにおいて、然るべきときに、然るべき間だけ怒る人間は称賛される。かかる人は『穏やかな人』といえよう。

 

・「然るべきことがら」が何で、「然るべき人」が誰であるか理解できる力➡IQ

・怒りの感情処理と「穏やかな人」という気持ちがわかる力➡EQ

・「然るべきしかたで」➡表現技法選択のPQ

・「然るべき時に」➡表現のタイミングをつかむPQ

・「然るべき時間だけ怒る」➡1つの表現の所要時間を決めるPQ

『成功はPQで決まる』より引用

 

話はここから、マインドマップ的な展開で広がっていく。まさにPQで用いられるレーダーチャートそのもののイメージだ。

 

人は誰もがパフォーマー

筆者が皮膚感覚レベルで悩んでいる主観と客観のギャップに関するキーワードは、能の大成者である世阿弥によって残されていた。

 

「我見」は役者が観客を見る目。

「離見」は観客が役者を見ている目。

「離見の見」は、観客の目を意識して、見せたい自分を見せて行く役者の目。

 

視点を2022年に置き換えると、次のような文章になる。

 

見る目、見られる目、見せる目を常に駆使して、プレゼンをしたり、会社の会議に出たり、社外の交流会に参加したりしてみませんか。なかなか緊張感があり、スリリングで、面白い。第一、それがビジネス成功の基本でもあります。

『成功はPQで決まる』より引用

 

佐藤氏は語る。人は誰もがパフォーマーなのだ。

 

何をどう伝えるか

人間の本質がパフォーマーであるなら、パフォーマンスの質を上げていく過程はごく自然な行いとしてとらえるべきだ。こうした行いは、なぜ大切なのか。

 

社会で人とつながって自己実現していく人間の運命や根源的仕組みを考える時、心の中の思いは自分が「伝えた」と思っていても相手にその意図どおりに「伝わって」いなければ、意味がないのです。

『成功はPQで決まる』より引用

 

自己実現に不可欠な自己表現力は、以下のような各能力によって総合的に示される。

 

自己表現の4つの基礎力…言語力、表情力、動作力、声(周辺言語力)

自己表現の12の応用力…印象力、コミュニケーション力(自己肯定・他者肯定力)、ストレス対処力、レジリエンス(再起力)、楽観力、フロー力、NLP力(神経言語プログラミング力)

 

これら16の能力は「AS自己表現力テスト(PQテスト)」によって測定することができる。さらに、今の時代に不可欠なオンライン力もカバーしながら、ひとつひとつの能力を詳細に検証し、伸ばしていく具体的な方法も示される。測定を定期的に行えば、進歩が目に見える形でわかるだろう。

 

パフォーマンスの新しい概念とすぐに役立つヒント

章立てを見てみよう。

 

第1章 IQとEQだけでは人生の成功はつかめない 人間の能力の総仕上げは自己表現力「PQ」
第2章 誰もがパフォーマー 
パフォーマンス心理学の基本構造
第3章 ステップ1 自己発見 欲求や願望がぶれない人は強い
第4章 ステップ2 自己強化 「大善」のフィルターを通す
第5章 ステップ3 自己表現【言語】 思いを伝える言語11キー
第6章 ステップ3 自己表現【非言語】 言葉より強い非言語12キー
第7章 PQを正確に知って成功につなげる 自己発見から他者発見強化と成功への道
第8章 今すぐできる自己表現力トレーニング 生涯使える最大自己資産「自分を伝える力」を作る

 

豊富な図表が概念の理解に役立つ。パフォーマンスの概念は次のように図式化され、パフォーマーである自分の立ち位置や、自分と周辺情報、外的要因の関係性を直感的に把握できる。

すぐに使える実用的なテクニックもいっぱいだ。ひとつ例を挙げておく。ふとした瞬間にいい知れぬ不安に襲われることは誰にでもあるはずだ。心理学でいう“予期不安・期待不安”が生まれた時には、「先取りの感謝」が効く。

 

例えばゴルフ場では「神様、私のゴルフボールは無事に池を越えて、あのピンそばにピタリとオンしますから、ありがとうございます」というわけです。「神様、これから会う人は絶対私の話を聞いてくれますから、ありがとうございます」というように。

『成功はPQで決まる』より引用

 

「先取りの感謝」が役立ってくれるシチュエーションは数限りなくイメージできるのではないだろうか。

 

変化は確実に訪れる

今の自分のPQを正確に知り、強い側面も弱い側面も常に意識していく姿勢さえ作っておけば、アプリケーションは無限大だ。まず、それぞれの力をトレーニングするチャンスを積極的に見つけていく心がけが大切になると思う。これを続けていると、結果的にPQのレーダーチャートがきれいな形で大きくなっていくはずだ。ビジネスでの成功にせよ幸福の追求にせよ、日々のパフォーマンスを確認することが客観的な自己認識につながっていくだろう。

 

客観的な自己認識とは、具体的にどのような形で現れたり訪れたりするのか。結果として何がもたらされるのか。今の筆者にはまだわからない。ただ、何らかの変化が訪れることは確信している。そして佐藤氏がおっしゃる通り、“変化”は“目覚め”という言葉に置き換えることができるにちがいない。

 

 

【書籍紹介】

成功はPQで決まる

著者:佐藤綾子
刊行:学研プラス

表現されない実力は、無いも同じだ!これは、日本初のパフォーマンス心理学を開始した私と仲間たちが、1980年のニューヨーク大学大学院パフォーマンス研究科修了以来、40年以上もの間掲げているパフォーマンス心理学の鉄則です。相手のニーズを正確に読み取りながら、言うべきことを最適な形で言って、必要な影響力を相手に与えていくこと。そのとき、表現手段は言葉だけでなく、表情やしぐさまで総動員すること。相手がわかって動き出すまで、効果的な発信をし続けることが大切です。特に、昨今のグローバル社会においては、多様な価値観が当たり前のことになっています。黙っていては、何も伝わらないのです。

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