「スターバックス」と聞いたら、多くの人があの緑のマークやコーヒー、フラペチーノなどを思い浮かべるでしょう。でもこれからは、そこに「TEAVANA(ティバーナ)」が加わるかもしれません。
コーヒーとフラペチーノというふたつの柱でカフェ文化を日本に根付かせたスターバックスが、10月3日に3本目の柱となる新ブランド「TEAVANA(ティバーナ)」をローンチ。ティー(お茶)市場へ本格的に参入しました。新ブランドローンチに先立ち、9月28日にスターバックス 銀座マロニエ通り店で発表会を開催。その模様とともに、どんなティーメニューが誕生したのかをご紹介します。
ティバーナとは、もともとはアメリカのティー専門店。2012年にスターバックスが買収し、アメリカ本土では2013年に新ブランドとして展開されていました。そして今秋、アジアに上陸。9月16日には韓国、9月19日には台湾でローンチされ、すでに好評を得ています。そしてこの度、ついに日本での展開が始まりました。
世界的に見ると、「水」に次ぐ大きなマーケットといわれているティー市場。その規模は12兆2000億円(2015年)で、ここ数年は毎年7%の成長を見せている、まさに成長の著しいカテゴリです。さらに昨今の健康志向の高まりと相まって、まだまだ拡大の兆しが。そんなティー市場に、ティバーナを提げスターバックスが参入するのです。
商品本部 ビバレッジ部 部長の西岡 京さんは、「これまでもティーのレギュラーメニューはありましたが、どちらかというと『今日はコーヒーの気分じゃないから』という消極的な理由で選ばれることのほうが多かったように感じます。でもティバーナではティーをもっと積極的に楽しむ、ワクワクするような新しいティー文化を作り出すつもりです」とのこと。
ティバーナは「ティーの楽園」を意味し、最高品質の茶葉を使い、世界中から集めたハーブやスパイスなどの新しいフレーバーと食感を世界中の人に届けたいという想いが込められています。様々な材料を掛け合わせることで、ティーの可能性を無限に広げていくそう。
「TEA REIMAGINED(ティーを多彩に変えていく)」をブランドコンセプトに掲げたティバーナ。その第一弾として、日本限定で定番メニューに加わったのが「ゆず シトラス&ティー」です。
これは「五感」をフルに使って楽しむドリンク。お店に入った途端に聞こえてくるバリスタがシトラスジュースをスチームする音、シトラスソースで作られたドリンクの琥珀色、ゆずとシトラスのすっとした香り、ブラックティーのわずかな渋みとゆずシトラスの鮮やかな酸味、そこにたっぷり詰まった果肉の食感。新しいティー体験の誕生です。
このドリンクに使われている茶葉は「イングリッシュ ブレックファースト」。アッサムやセイロンなどのブラックティーがブレンドされています。そして、先日ご紹介した「ネクタリン ピーチ& ティー」同様に、お湯ではなく専用のフルーツジュースでドリンクを抽出しているのが特徴です。
今回使われているのは、シトラスのジュース。ピンクグレープフルーツ、ホワイトグレープ、レモン、オレンジ、グレープの5種類もの果汁が入っています。スチーマーで温め、シトラスジュースベースのティーを抽出したら、果肉がたっぷり入ったソースと混ぜて完成です。
ゆず シトラス&ティーには、ホットとアイスの両方が用意されています。ホットは果肉たっぶり。シトラスが温められて味がまろやかになるのか、ホットの方が少し甘みが強めです。マンゴージュースのようなとろみのあるドリンクが、体をやさしく温めてくれます。
ホットは特に、シトラスジュースとイングリッシュ ブレックファーストの香りがしっかりと立つので、そのスッとした爽やかな香りに嗅覚を刺激されます。そして、一番の魅力はぎっしり詰まった果肉。ホットは、中に入っているティーバッグが見えなくなるほど。果肉はそこに沈むので、最初はフルーツのほのかな酸味とゆず茶のような甘さ、そして紅茶の渋みをたっぷり味わい、最後は底に溜まり柔らかくなった果肉とゆず皮で心を満たします。
それに対してアイスは、ストローでダイレクトに果肉が口の中に入ってくるので、フレッシュな果実の食感を味わえ、一気に口の中が華やかに。写真でもわかるとおり、果肉がそこに沈んているので、そこのほうが色が濃くなっています。
さらに、アイスはフルーティーでさわやか。すっきりとした飲み口の後にほんのりとティーの渋みが漂います。フルーツジュースからお茶を抽出したおかげか、カットフルーツを漬け込んだフルーツティーとは違い、ティーとフルーツがそれぞれ個性をぶつけ会うことなく混ざり合っていて、お互いの味を引き立てあっています。
ティバーナのローンチにあわせて、他にも新しいティーメニューがスタート。ホットティーは、イングリッシュブレックファースト、アールグレイ、ミントシトラス、カモミール、ほうじ茶の5種類をレギュラーメニューとして用意しています。さらに、これまでも定番メニューだったティーラテは、この5種類の中からセレクトしてオーダーできるようになりました。そして、アイスティーは、ブラックティーとパッションティーの2種類を展開。どれも厳選された高品質の茶葉が使われています。
ドリンクだけでなく、装飾やビジュアルも含め、「ティバーナ」という新しい世界観を作り上げたいとCEOの水口 貴文さんが語るように、今回新しくティバーナのイメージカラーである3色のエプロンを身につけたバリスタも店頭に立ちます。ゆず &シトラス ティーを皮切りに、これからも続々と新フレーバーが誕生していく予定だそうです。
スターバックスコーヒーが、日本に上陸してから20年。日本のコーヒーカルチャーを変えたように、ティバーナでティーカルチャーを変えていきたいと意気込みを語った水口SEO。世界的にみれば規模の大きな紅茶市場も日本ではまだ一兆円弱という規模であり、かつ、その成長率は横ばい。停滞を見せているとも取れるこの市場で、どうやって改革を起こしていくのか、今から楽しみです。
最後に、TEAVANAデザインのスタバカードも発売されているので、ファンの方はお見逃しなく!