アップルの原点ともいえるレトロコンピューター「Apple I」の初回生産分、しかもスティーブ・ジョブズ氏が手書きしたシリアルナンバー付きの逸品が、ネットオークションに出品されています。
Apple Iは1970年代半ば、アップル創業者のスティーブ・ジョブズ氏とスティーブ・ウォズニアック氏により製造・販売され(開発はウォズニアック氏の独力)、アップル設立のきっかけとなった製品です。
本来はワンボードマイコンの組み立てキットで、基板を収める筐体もキーボードも含まれていませんでした。
発売当時は約200台が生産されましたが、その後アップルがApple Iを下取りしてApple IIに乗り換えさせるキャンペーンを展開し、回収されたApple Iは廃棄処分されたため、現在では50~60台しか残っていない超レアものとなっています。実際に稼働するものは70万ドル以上で取引され、最初期のものは2億円近くで落札されたこともあります。
そして、今回出品されたApple Iは本体のほか、当時のBrittany McGannon製電源やサンヨーVM-4509モニター、Dataneticsキーボード、さらにウォズニアック氏とロナルド・ウェイン氏(やはりアップル共同創業者の1人)のサイン入り複製マニュアルなども付いてきます。なおウォズニアック氏は「Think different!」とも書いていますが、このフレーズは1997年の広告スローガンであり、1970年代当時としてはあり得ません。
そして目玉となるのが、ジョブズ氏が手書きしたと証明されている「01-0050」なるシリアルナンバーです。レジストリ番号は「7」ですが、ファーストバッチ(初回生産分)と確認済み。また元アップル社員のダニエル・コトケ氏により、動作状態が確認されているとのことです。
この超レアなApple Iは5日から約2週間のオークションにかけられ、現在の最高入札額は27万ドル(約3500万円)となっています。長年のアップルファンにとっては魅力ある出品ですが、もしもオークションに参加すれば、世界の大金持ち達と札束で殴り合うことになりそうです。