米動画配信サービス大手Netflixは4月下旬、収益が伸び悩んでいることや約10年ぶりに加入者数が減少したことを発表し、広告付きの廉価プランやアカウント共有に対する追加課金をすると表明しました。最近では、その対策が前倒しにされ、早くも年内に行われる見通しだとの噂が報じられています。
当初、Netflixのリード・ヘイスティングスCEOは、広告付き廉価プランを「今後1、2年」で実現することを検討するとコメントしていました。しかしThe New Yok Times(NYT)は「(Netflixの)従業員への最近のメモ」を入手し、経営陣が2022年10~12月のどこかの時点で広告付きプランの導入を目指しており、同じ時期にアカウント共有の取り締まりを始める予定だと伝えています。
すでに競合するDisney+は広告付きプランを導入する予定であり、米国では2022年後半に、他国では2023年に導入することを発表しています。NYTは、Apple TV+以外の動画配信サービスのほとんどが広告付きプランを提供中か提供する予定であることを発表していると指摘。
また、Netflixがアカウント共有に追加料金を取っていくと発表したとき、LightShed Partnersのアナリストはテックメディアの「The Verge」に対し、これが米国で1000万~2000万人以上の(実際の契約者数とアカウント共有で課金を逃れている人たちの)ギャップを埋める方法かもしれないと語っていました。
これらの方針変更はすべて、Netflixの料金がかつてないほど高額になったことを受けたものでもあります。2022年初めにも、米国ではHD解像度のスタンダードプランが13.99ドル(約1820円※)から15.49ドル(約2010円)に、4K解像度のプレミアムプランが17.99ドル(2335円)から19.99ドル(約2595円)に引き上げられていました。
※1ドル=約129.8円で換算(2022年5月12日現在)
現在のところ日本での価格は据え置きとなっていますが、値上げの波が来た場合、広告付き廉価プランに乗り換えるユーザーが相次ぐのかもしれません。
Source:The New York Times
via:The Verge