新型Nintendo Switchの噂は以前からありましたが、任天堂にチップを供給するNVIDIAが家庭用ゲーム機関連の技術者を募集開始。いよいよ準備が本格化している可能性が浮上しています。
先週末からNVIDIAは、ビジネス特化型SNSであるLinkedInに「ゲーム機開発者ツールエンジニア(Game Console Developer Tools Engineer)」の求人広告を出しています。募集されている人材は「次世代のゲーム機用グラフィックス開発者ツールを開拓するための、深い技術力と創造力、そして実践力を兼ね備えた」ソフトウェア・エンジニアです。
主な仕事の内容は「NVIDIAグラフィックス・ツールチームと協力して、世界中の開発者がNVIDIA GPUのパワーをフルに活用できるようなツール」を構築すること。さらに「ゲームのデバッグや最適化を求めるゲーム開発者に、最高の体験を提供する」ために低水準言語(より機械語に近いアセンブリ言語などを扱える)プログラマーが集められています。
この求人広告では、特に「開発者がより高く安定したフレームレートを達成できるようにする」ことを念頭に「GPU低レベルパフォーマンスのチューニング/最適化」のコツを知っている人を探しているとも付け加えられています。
さらに深読みすれば、さほど強力ではないGPUから最大限に性能を引き出すことが必要なハードウェア……ということで、競合他社よりパフォーマンスが抑えられた(据え置きと携帯、両方で使えるようにするため)任天堂のゲーム機とも符合すると思われます。
またNintendo SwitchはNVIDIA製のプロセッサーを採用した唯一の現行ゲーム機であり(PlayStation5とXbox SeriesX/SはともにAMDのチップを採用)、NVIDIAが「次世代」開発者ツールを提供するゲームハードウェア会社は1つしかないとも思われます。
昨年8月、NVIDIAはゲーム機向けのDLSS 2.0技術者を募集していたこともありました。DLSSとは荒い画面でレンダリングして高精細な画面に匹敵するクオリティで表示する技術であり、さほどパワーのないプロセッサーでも(見かけ上の)高画質を実現するものです。これも、処理能力が控えめな任天堂ハード向きの技術とは言えそうです。
任天堂が「Nintendo Switchの次期ゲームハード」を準備しているのは間違いないとはいえ、いつ発売されるのか。現行のNintendo Switchに搭載されたプロセッサーが「2016年のiPhone 7と近い世代」であることを考えると、ここ1~2年の内に動きがあるのかもしれません。