米ツイッターの買収を目指している実業家のイーロン・マスク氏が、買収価格の引き下げの可能性を示唆したことをロイター通信が報じています。
今年4月にTwitterの筆頭株主になると、同月には総額440億ドル(約5兆6000億円)での同社の買収を発表したマスク氏。しかしその後にマスク氏はツイッターによる「全アカウントにおけるスパム/フェイクアカウントの割合は5%未満にすぎない」という主張が正しいと証明されるまでは買収をストップすると表明するなど、新たな展開を迎えています。
マイアミでのカンファレンスに出席したマスク氏は、「現在はbot(人ではないアカウント)の数を知る方法がないと知らされている」と発言。そしてより低い価格での買収については「問題外ではない」と、その可能性を匂わせたのです。
一方でツイッターのパラグ・アグラワルCEOは、外部機関による調査は(ツイッターが共有できない)プライベートなデータが含まれないので、数値が正しくない可能性があるとも発言しています。
マスク氏が提示した440億ドルという買収金額は、当時の株価に38%の価格を上乗せしたものです。しかしツイッターが発表するフェイク/スパムアカウントの数が実態と大きくかけ離れているのなら、これは虚偽のデータであったということになり、買収の条件も変わってくるはず。
個人的な感覚としては、ツイッターのフェイク/スパムアカウントの割合が5%未満だとはとても思えないのですが……。ツイッターの所有者が誰のものになるのかは、まだまだ不透明です。