数あるファミコン用の外付けコントローラーのなかで、1989年に発売されたパワーグローブは広く知られているものの、ほとんどの人が使ったことがない製品です。サイバーな見かけの手袋に十字キーや0~9のボタンが付いているビジュアルは強烈ですが、日本では対応ゲームは発売されず、そもそもグローブが硬すぎるため指の関節が曲げられないとの声もありました。
そんなパワーグローブをNintendo Switchに無理やり繋げ、「マリオカート ライブ ホームサーキット」などを遊ぶ猛者が現れました。ちなみに伝説のCM「PAXのしわざ」の動画は現代にも伝えられています。
この偉業(?)をやり遂げたNiles Mitchell氏は、過去のハードウェアを現代のゲーム機で使おうとするYouTubeチャンネル「Will It Work?」で、何度もすごい動画を公開してきました。
たとえば外付けZipドライブをApple Watchに接続したり、1977年製のAtariジョイスティックをスイッチに接続して「ドンキーコング」を遊ぶなど。約40年もにわたるゲームの進歩を象徴する2つのゲーム機を、ある意味でひとつにしたわけです。
そんなMitchell氏も、いにしえの周辺機器をスイッチで動かすにはかなりの苦労をしています。パワーグローブはWiiの20年近く前にモーションコントロールを実現するために、テレビに取り付けた超音波センサーを使っていました(グローブの位置と動きを三角測量している)。そのセンサーは大昔の分厚いブラウン管テレビ用に設計されているため、現代のテレビは薄すぎて取り付けられません。そのため、わざわざ取り付け用の木製フレームまで作る羽目となっています。
そしてUSB NES RetroPort v2ファミコンのコントローラーをUSB経由でPCに繋ぐアダプタ)と、ConsoleTuner Titan One(ゲーム用コントローラーを様々なプラットフォームで使い回せる変換ドングル)を使いつつ、カスタムスクリプトを書いてようやく実現したしだいです。
さらにパワーグローブからの操作は音+電気信号により伝わるため、二重のひどい遅延が生じることにもなります。それでも『Pokémon LEGENDS アルセウス』でも問題なく動作しており、アナログスティックの操作にも対応していることが確認できます。
また『マリオカート ライブ』でも腕を左右に振るだけでラジコン操作ができており、本来パワーグローブが夢見ていたことが実現できているようです。Joy-Conでも同じことはできる気もしますが、任天堂オフィシャルでパワーグローブの復活を望む声が高まるかもしれません。
Source:Will It Work?(YouTube)
via:Gizmodo