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2022/6/25 10:30

東山紀之「何をやったら楽しいかなって、ずっと考えていました」Amazon Originalドラマ「GAME OF SPY」配信中

6月24日から配信開始されたAmazon Originalドラマ「GAME OF SPY」。人知れず国を守るために活躍するスパイ・羽柴猛を東山紀之さんが演じています。アクションシーンが多い本作で、羽柴は独自の格闘スタイルと、日本古来の忍者道具を駆使していきます。今までにない役柄について東山さんは、「喜んでやりました」と楽しそうに語っていました。

東山紀之●ひがしやま・のりゆき…1966年9月30日生まれ。神奈川県出身。1985年、少年隊のメンバーとして『仮面舞踏会』でデビュー。俳優としても活躍しており、主な出演作はドラマ『必殺仕事人』(テレビ朝日系)シリーズなど。ドラマ『刑事7人』(テレビ朝日系)の最新シリーズが7月13日(水)からスタート。

 

もう50過ぎれば何でもやりますって感じになりますよ(笑)

──4年ほど前、「地上波ではできない激しいアクションがやりたい」と東山さんがおっしゃったことがきっかけで企画が動き出したそうですね。

 

東山 僕、覚えてないというか……実際にやることが決まって「そうか、そうか」って感じでした(笑)。おそらく体が動くうちに何かやっておきたいってことだったんだろうなと。撮影してみると思ったより体が動いてよかったなと思いました。

 

──普段から筋トレなどされていると思いますが、激しいアクションをするにあたり、特別なトレーニングはされましたか?

 

東山 特には……もともとキックボクシングをやっていたのがよかったみたいです。いつか作品の役に立つかなと思ってやってきましたが、ようやく実を結んで使えることになりました。コツコツやってきてよかったです。

 

──脚本を読んで今回演じた羽柴猛という人物に関して、どんな印象を抱かれましたか?

 

東山 多くを語らず率先して行動していく人物。でも行き当たりばったりなところもあって(笑)、意外と何も考えてなかった……そういうところも面白いなと思いました。僕が今までやった中でもつかみどころがない役でしたが、そこが演じている僕自身にも新鮮でした。役って楽しみながらやらないといけないからね。地上波だと表現上の規制もありますけど、今回は配信なので制約が少ない中で自由にやらせていただきました。

 

──羽柴は決して無敵じゃないのも面白いと思いました。

 

東山 そう、全然無敵じゃない。逆にドジだったり、圧倒的に強いわけでもない。撮影ではよく殴られたなぁ(笑)。ギリギリなところで結果を出すタイプなんです。そういうキャラクターだから演じていて面白かったですね。ドジで方向音痴な羽柴の完全ではない部分を、小澤征悦さん演じる香月政晴がツッコんでくるんです。そこはいいコンビになっているなと思いました。

 

──今までに東山さんにはないイメージの役柄だと思うのですが、抵抗はありませんでしか?

 

東山 全然ありませんでした(笑)。喜んでやっていましたよ。そういう意味で“裏切り”があると僕自身も感じていれば、見てくださる方にもエンジョイしていただけるのかなって思いました。もう50過ぎれば何でもやりますって感じになりますよ(笑)。

 

──年齢的に意識の変化みたいなものがあった?

 

東山 全然ないです(笑)。ただ楽しもうっていう気持ちは、今のほうが大きいかもしれないですね。この役で遊ぼうみたいな。だから何をやったら楽しいかなって、ずっと考えていました。

 

スパイで、いろんな所から道具を出せるんです。忍者道具は楽しかったな」

──及川拓朗監督からは何か指示みたいなものはありましたか?

 

東山 とにかく遊んでくれと。このキャラクターで思いっきりやってほしいということだったので、「髪の毛ぼさぼさでヒゲも蓄えて、血だらけになって」という監督の要望にも「もちろんやりますよ」ってお答えしました。実はヒゲも付けてるんですよ。今はよくできているなって思いました。撮影が終わるたびにヒゲをビリビリビリって取るんだけど、だんだん口元が赤くなってきちゃってね。肌はかなり酷使しました(笑)。血もたくさんつけたから、髪を洗うたびに水が真っ赤になりましたよ。

 

──スパイなのに忍者道具がたくさん登場するのが意外でした(笑)。

 

東山 スパイでいろんなところから道具を出せるんですよね。自分がドラえもんになったような気持ちにはなったね(笑)。撮影のときに、「ここから出せる」って相談してみると、スタッフの方から「CGで出せます!」って戻ってきて。忍者道具を使うのは楽しかったですよ。吹き矢を使ったり(笑)。吹き矢は僕の勢いと角度が大事になるだろうなって撮影していて思いました。完成した映像ではどうなっているのか楽しみでしたね。

 

プロフェッショナルな方たちとお互いをフォローしながら撮影できた

──そもそもスパイと忍者の融合というのも斬新な設定だなと思います。

 

東山 日本古来の忍者を使って、独自のスパイ像を表現するって面白いなって思いました。忍者道具は武器としてはよくできていますからね。

 

──最初にその設定を聞いたときはどう思われました?

 

東山 昔なら「こんなことないんじゃない?」って言うと思うんです。でも今は何でもありな時代ですからね。面白かったらどんどんやっちゃおうぜって、現場の勢いを感じました。それこそCGが発達したのはすごいことで、撮影中は後からどこからでも道具を出せるって言うから、いろいろやってみました。「こんなところからも出せるの!?」って思うこともありましたよ(笑)。

 

──撮影していて大変だったシーンを教えてください。

 

東山 ある日、夕方から深夜2時くらいまでずっと撮影していたんです。スタンバイしてからずっと人を殴っていて、みんなゾーンに入って面白かったな(笑)。不思議な空間になっていました。途中からアクション部の皆さんも、僕らも何をしてもゲラゲラ笑い出すという極限状態に入ってしまって。大変過ぎると笑うときってありますよね? みんなゲラゲラ笑ってテンションが上がっているところに、上田竜也がやって来て「よろしくお願いします!」って言ったんですよ。そこでまたゲラゲラ笑うっていう。あいつ、何が起こっていたのかよく分かってなかったんじゃないかな(笑)。

 

いつか健さんと一緒に「マツケンサンバ」をやりたいですね

──劇中ではバラバラだったチームがまとまっていく過程も描かれていますが、撮影中のキャストの皆さんの雰囲気はいかがでしたか?

 

東山 楽しかったです。プロフェッショナルな方たちだったので、お互いをフォローしながらいい雰囲気で撮影できました。

 

──バディ的な存在になる小澤さんとの共演はいかがでした?

 

東山 小澤さんはすぐノッてくれる方なので、やりやすかったですね。リハーサルからアドリブをかましたり、いろいろやりました。何でも応えてくれるので。漫才コンビみたいな感じでした。

 

──他にも松平健さん、田中泯さん、でんでんさん、渡部篤郎さんと存在感たっぷりのキャスト陣がそろいましたね。

 

東山 そう、僕以外みんな顔が濃いからね。僕が出たらホッとするんじゃないかな(笑)。それは冗談ですけど、僕は昔から泯さんが好きなんです。そしたら一緒のシーンが1つもなくて! ちょっとガッカリしました。ダンスの話をしたかったですね。松平健さんと一緒にお芝居したのも今回が初めてでした。撮影中が去年の末ぐらいで『紅白歌合戦』に出るという話は聞いていなかったので、紅白に出ていらっしゃるのを見たときはビックリしました。「教えてくれなかったな、健さん」って。時期的に打ち上げもできませんでしたからね。いつか健さんと一緒に「マツケンサンバ」をやりたいですね。それまでに振付覚えないと(笑)。

 

──この現場に必ず持って行ったモノはありましたか?

 

東山 いつでも(アクションの)練習ができるようなセットを持っていきました。練習用の靴やプロテクターが入っているんです。撮影中に一度足首を骨折してしまったので、身を守るための道具を一式持っていくようにしていました。靴はブーツになっていてサイドをチャックに作り直しました。アクション用のグッズもいろいろあって、アクション部の皆さんが「脊髄が!!」って言うものがあって、「脊髄!?」と思っていたんですが、レース用の脊髄を守るプロテクターがあるんですよ。それを身につけると硬いところで回転しても痛くないんです。現場でもリハから迷惑をお掛けしないようにきっちりと準備しました。その道具があると気持ちが全然違いましたね。

 

 

Amazon Original ドラマ「GAME OF SPY」

6月24日(金)よりAmazon Prime Video にて独占配信中

 

(STAFF&CAST)
監督:及川拓郎 アクション監督:栗田政明
脚本:徳永友一、和佐野健一
企画・プロデュース:和佐野健一
プロデューサー:大森敬仁、百瀬龍介
出演:東山紀之、小澤征悦、ローレン・サイ、植野行雄(デニス)、でんでん、松平健、田中泯、渡部篤郎

(STORY)
人知れずこの国を守る者たちがいた。日本が史上最大の危機に直面した今、日本屈指の諜報員、羽柴猛率いる「GOS =Global Operation Service」の面々が立ち上がる。与えられた時間は72時間。テロ、諜報合戦、ウイルス、兵器、世界中の犯罪者からターゲットにされる今日のリアルな日本を舞台に、手裏剣や吹き矢、鉤縄など日本古来の忍者道具を融合させた超絶アクションと、最新鋭の技術を駆使した斬新かつクールな映像表現で繰り広げられる、全く新しい日本発スパイエンターテインメント。

公式サイト gameofspy.toeiad.co.jp

(C)東映株式会社

 

取材・文/佐久間裕子