3.1kgという「重さ」を理由に、バルミューダのコードレススティック掃除機「BALMUDA The Cleaner」の購入を躊躇していた人に朗報がある。約900gの軽量化を果たした「BALMUDA The Cleaner Lite」が発売されたのだ。あたかもヘッドが浮遊しているかのような操作感や、スタイリッシュなデザインはそのままに、「軽さ」も手に入れたバルミューダの意欲作だが、さて、その実力はいかに? 実際に使って確かめていこう。
ヘッドの「浮遊感」はそのままに、約900gの軽量化を実現
2010年に発表した扇風機「GreenFan」で「DCモーター扇風機」というジャンルを、2015年に発表したキッチン家電スチームトースター「BALMUDA The Toaster」で「高級トースター」というジャンルを確立したバルミューダ。2020年10月には同社初のクリーナー「BALMUDA The Cleaner」を発売して新ジャンルの開拓を目指したが、思いのほか苦戦を強いられたという。原因は、本体の重さ。最新コードレススティック掃除機の多くが2kgを切り、1kgに満たない超軽量モデルも続々と発売されるなか、やはり約3.1kgという重さは消費者の目にウィークポイントに映ってしまったのだろう。たとえそれが、「ひとたび掃除を始めると、まるで浮遊しているかのように軽々と掃除できる」としてもだ。
今回レビューするのは、そんな消費者の声に応えた「BALMUDA The Cleaner」の進化モデル、「BALMUDA The Cleaner Lite」である。ヘッドが前後左右360°可動する独自の「ホバーテクノロジー」や、リビングに置きっぱなしにしておけるスマートなデザインはそのままに、約900gの軽量化と、42%の集じん性能の向上を実現。ヘッドの厚みも5cmから4cmへと薄くなったほか、ヘッドの倒れ角も拡大され、狭い家具下の掃除がしやすくなった。
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掃除中以外も「重さ」を感じさせない軽量ボディ
「ホバーテクノロジー」によって重さを感じさせない「BALMUDA The Cleaner Lite」。従来モデルでは掃除機を充電スタンドに乗せる時や、電源を切って移動する時など、掃除中以外のシーンで重さを感じる場面があったが、約2.2kgに軽量化された「BALMUDA The Cleaner Lite」ではそれがない。ヒョイッと片手で持ち上げられるので、ちょっとした移動はもちろん、階段掃除なども苦にならなかった。
また、ヘッドがコンパクトになったことで、家具下の狭いスペースにもヘッドを差し込みやすくなったほか、従来モデルでは難しかった椅子の足まわりにもくるりとヘッドが回り込む。狙ったところにしっかりヘッドを当てられるストレスのない操作性は、痛快ささえ感じるほど。ヘッドをスイスイ滑らせながら、フロア全体をしっかりキレイにできた。
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機能美を体現する洗練されたデザイン
余計な装飾を排したミニマルなデザインは「BALMUDA The Cleaner」を踏襲しており、バルミューダ製品らしい洗練された雰囲気が漂う。本体を充電スタンドにセットすると、本体がわずかに後傾する点も従来モデルと同様。使わない時間の方が長いクリーナーだからこそ、立てかけている姿も美しくなるよう設計されている。
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使い勝手の向上の面では、バッテリーが着脱式になったのもうれしいポイントだ。別売のバッテリーを追加購入すれば、連続運転時間が2倍になるので、広い家でも最後までバッテリーが持つだろう。なお、サイクロンによる遠心分離方式を採用しているため、ゴミ捨てはダストカップを外し、ゴミ箱にゴミを捨てるだけ。ダストカップの容量は約0.13Lから約0.1Lに減ったが、ボディのコンパクト化を考えれば許容範囲と言えるのではないだろうか。
「軽さ」を手に入れたバルミューダの意欲作
まるで氷の上を滑らせているような浮遊感、手首を返せばクルッとヘッドが回転する抜群の追従性、そして、優雅ささえ感じる洗練されたデザイン。こうした従来モデルの強みはしっかりと踏襲しつつ、ボディを軽量化することで、掃除中以外のちょっとしたシーンでも「重さ」を感じさせなくなった「BALMUDA The Cleaner Lite」。なるほどこれなら、「重さ」を理由に購入をためらっていたユーザーも振り向かせることができそうだ。コードレススティック掃除機市場において、予想外の苦戦を強いられていたバルミューダだが、捲土重来(※)、「BALMUDA The Cleaner Lite」の登場で潮目が変わるのではないだろうか。今後の躍進に、大いに期待したい。