オーディオテクニカは、「ホームユースとポータブルユース」をテーマに、世界初のフルデジタルワイヤレスヘッドホンや、7年ぶりとなるアナログターンテーブルなど計28アイテムを発表しました。そのなかから、注目の製品をピックアップしてご紹介します。
新世代ワイヤレスを体感できるBluetoothヘッドホン
今回の発表会で最も注目を集めたのが、ラインナップを豊富に揃えたワイヤレスヘッドホン。従来は、有線モデルのワイヤレス版という位置づけが多かったそうですが、今回のラインナップではワイヤレス用に設計されたモデルなどを用意。イヤホン端子を廃止したiPhone 7シリーズの影響もあり、今後ワイヤレス製品に対する需要が強まるとの見方を示していました。
SR(Sound Reality)シリーズのワイヤレスモデル最上位機種となる「ATH-DSR9BT」は、ワイヤレスヘッドホンとしては世界初のフルデジタル回路「ピュア・デジタル・ドライブ」を搭載。Bluetoothで送られるデジタル信号を、ドライバーまでフルデジタルで伝送することで、信号の減衰や歪みなどの劣化を抑えて、鮮明なサウンドを再生します。
また、最新のコーデック「Qualcomm aptX HD」に対応し、24bit/48kHzまでのハイレゾ音源をワイヤレスで再生可能。ただし、このaptX HDに対応する再生機がまだ国内では発売されていないため、ハイレゾワイヤレスを体感できるのは当分先になるとのこと。
付属のUSBケーブルを使ってPCに有線接続も可能で、その場合は24bit/96kHzまでのハイレゾ音源に対応します。ただし、フルデジタルという特性上アナログ変換回路をもたず、ステレオミニなどのヘッドホン端子には接続できません。
MSR7の上位機となる「ATH-SR9」も
同社のヘッドホン発売40周年に合わせて2014年に発売されたハイレゾ対応ヘッドホン「ATH-MSR7」の上位モデルとなる「ATH-SR9」にも注目です。こちらは有線接続タイプながら、ハイレゾの超高域も正確に再現する専用の「45mm “トゥルー・モーション”ハイレゾ・オーディオドライバー」を搭載。オーディオテクニカならではの、伸びやかな中高域を再生します。
また、独自のオーディオ専用設計「A2DCコネクター」を採用し、ケーブルの着脱が可能。同時に発表された、交換ケーブル「HDC113A/1.2」に対応しています。
人気のIMシリーズの後継となるLSシリーズ5機種も登場
イヤホンでは、マルチBAドライバー搭載で人気を博したIMシリーズの後継となる「LSシリーズ」5機種が登場。マルチBAの「ATH-LS400」、「ATH-LS300」、「ATH-LS200」と、デュアルダイナミックドライバー搭載の「ATH-LS70」、「ATH-LS50」をラインナップしています。
最上位の「ATH-LS400」は、新開発BAドライバーを4基(低域×2、中域×1、高域×1)搭載したクアッドモデル。指向性の強い高域ドライバーを耳と同軸上に設置し、チタニウムのハイブリッド導管を通して高域特性を向上しています。
「ATH-LS70」は、2つのドライバーを直列に配置した「“Live Tuned”デュアル・シンフォニックドライバー」を搭載。ドライバーを同時に駆動することで、振動板の歪みを軽減し、音を均一に放射することでスピード感と重量感のある低音を再現します。
このほか、世界的なアナログオーディオ市場の盛り上がりを受け、7年ぶりの発売となるアナログターンテーブル2機種や、レコードプレーヤー用カートリッジ9機種なども発表されました。
例年にも増してバラエティー豊かなラインナップを揃えたオーディオテクニカの新製品に期待が高まります。