気になる新車を一気乗り! 今回の「NEW VEHICLE REPORT」でピックアップするのは、軽自動車のEV作りで豊富なノウハウを持つ三菱の最新作となるekクロスEV。堅実なクルマ作りで、時代を反映するモデルの出来映えに期待大!
※こちらは「GetNavi」 2022年11月号に掲載された記事を再編集したものです
モビリティ新時代の到来を予感させる
【EV】
三菱
eK クロス EV
SPEC【P】●全長×全幅×全高:3395×1475×1655mm●車両重量:1080kg●パワーユニット:電気モーター●バッテリー総電力量:20kWh●最高出力:64PS/2302〜10455rpm●最大トルク:19.9kg-m/0〜2302rpm●一充電最大航続距離(WLTCモード):180km
静粛だが力強い走りはEVに対する期待値通り
三菱と日産の共同開発で生まれた軽自動車規格のピュアEVが、揃って登場した。三菱版の位置づけとしてはeKシリーズの一員となり、内外装デザインは若干の差別化のみ。エクステリアはeKクロスならではのSUVらしくたくましいデザインが、EVになっても踏襲されている。
その走りは、非常に静かで滑らかだ。車両重量はガソリン車に対して200kgほど重くなったが、最大トルクがほぼ倍増しているので十分に力強く、レスポンスも俊敏でダイレクト感がある。また、バッテリーを車体の中央寄りの低い位置に搭載するため、重心が低く操縦安定性にも優れる。先進運転支援装備も、軽自動車としてはトップクラスの充実ぶりだ。
一充電あたりの最大航続距離は180km。大型のEVと比較すれば控えめだが、週末のドライブではなく日常の足として使うなら問題はない。実際、使ってみると軽自動車とEVというのは、実はかなり相性が良いものだと思えてくる。軽自動車の使用環境まで考慮すると、今後のモビリティとして注目すべき存在と言える。また、一見すると車両価格は安くないが、補助金を活用すれば実質的負担は売れ筋の軽自動車と大差ないことも、要注目ポイントとして念を押してお伝えしておく。
[Point 1]随所に電気駆動モデルらしさが見られる
正面のメーターには、7インチの液晶ディスプレイを採用。バイワイヤーのシフトセレクターやタッチパネルの操作系など、随所に電気駆動モデルらしさが散りばめられる。
[Point 2]SUVテイストをガソリン仕様から継承
外観はSUVテイストをeKクロスから受け継ぐ仕立て。ボディカラーがモノトーン5色、2トーン5色の全10色。駆動は2WDのみで、グレードは2タイプとシンプル。
[Point 3]広さはトップレベル!
前後スライド機構を持つ分割可倒式の後席をアレンジすれば、サイズ以上の使い勝手を実感できる荷室。容量もトップレベルだ。
[Point 4]充電環境にはフル対応
充電口は1か所にまとめられる。200Vの普通充電では約8時間で満充電に、急速(30kW以上)では約40分で80%までの充電が可能。
[Point 5]室内空間はほぼ同等
シート地はファブリックが標準だが、明るい色合いの合皮+ファブリックのコンビも選択可能。EV版でも室内空間はガソリン仕様と比較して遜色のない広さだ。
[ラインナップ](グレード:パワーユニット/駆動方式/税込価格)
G:電気モーター/2WD/239万8000円
P:電気モーター/2WD/293万2600円
文/小野泰治、岡本幸一郎 撮影/郡 大二郎、市 健治
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