Twitterのイーロン・マスクCEOは、来週から凍結されたアカウントに「大規模な恩赦」を実施することを決定しました。もしも本当に実行されれば、「コンテンツモデレーション(投稿の管理)のための評議会を立ち上げるまで、アカウントの凍結解除は行わない」という約束と矛盾することになります。
マスク氏は11月24日(米現地時間)、「Twitterは法に違反したり悪質なスパムに関与したりしていない限り、凍結されたアカウントに大規模な恩赦を提供する必要がありますか?」とのアンケートを投稿。これに対してイエスが72.4%集まったことを受けて、「恩赦は来週から始まります」と宣言しています。
The people have spoken.
Amnesty begins next week.
Vox Populi, Vox Dei.
— Elon Musk (@elonmusk) November 24, 2022
この動きは、ドナルド・トランプ元米大統領のアカウントを復活させたことに続くもの。今回も法的な手続きなどは踏まえられず、マスク氏が自らのアカウントで実施した非公式の投票によっており、投票した人々も特に何かの権限が与えられているわけではありません。
上記のようにマスク氏は「コンテンツモデレーション評議会を設置するまで」アカウントの凍結解除はしないと約束していました。
しかし、トランプ氏アカウントの復活も評議会を設置する前のこと。これを約束違反だと批判したフォロワーに対して、マスク氏は「政治的/社会的活動家グループの大規模な連合」が、広告収入を枯渇させてTwitterを殺さないという約束を破ったとして、自分の約束も反故にすると答えています。
A large coalition of political/social activist groups agreed not to try to kill Twitter by starving us of advertising revenue if I agreed to this condition.
They broke the deal.
— Elon Musk (@elonmusk) November 22, 2022
もっとも、市民権団体は広告主にそんな働きかけはしていないと否定しています。
どのアカウントが「恩赦」を受けるかは不明ですが、マスク氏の「法律を破ったり、ひどいスパムを行ったりした」という線引きに沿うとすれば、ほとんどの凍結が解除されかねません。とはいえ、マスク氏さえも陰謀論を唱え続けたアレックス・ジョーンズ氏のような人物を戻すことには反対の意を示していました。
それでも、違法とまではいかないヘイトスピーチで凍結されていた人々は、復活する可能性が低くはないはず。ブランドに傷が付くのを恐れる大手の広告主が、さらに逃げ出していくのかもしれません。
Source:Elon Musk(Twitter)
via:The Verge