イーロン・マスク氏がTwitterを買収してCEOに就任して以来、コンテンツモデレーション(投稿管理)担当スタッフが大量にリストラ。それによりヘイトスピーチや差別発言が横行する恐れもあり、アップルやグーグルのアプリストアからiPhone・Android用アプリを削除される可能性が浮上しています。
そんななか、マスク氏が実際そうした事態が起きた場合、自前の「テスラフォン」とでも言うべきスマートフォンを開発するかもしれないと示唆しています。
これまでマスク氏は数々の物議を醸す施策を行っており、最近も「投票」の結果を受けてトランプ元大統領のアカウントを凍結解除していました。
ほぼすべての行動は、マスク氏の「言論の自由は絶対」という姿勢から来ています。が、これらはアップルとグーグルのガイドラインと反する可能性があり、もしも改められない場合は「両社のアプリストアから追放されるかもしれない」とツイッターの元信頼・安全責任者が指摘していました。
かたやマスク氏も、有料プラン「Blue」を月額8ドルに値上げした後に「iOS/Androidアプリストアの手数料が高すぎる。インターネットの隠れた税金だ」と批判。アップルとグーグルへの不満を露わにしていました。
App store fees are obviously too high due to the iOS/Android duopoly.
It is a hidden 30% tax on the Internet.
— Elon Musk (@elonmusk) November 19, 2022
そして11月26日(米現地時間)、マスク氏はあるツイートに反応し、「ほかに選ぶ余地がなければ自分で代わりのスマートフォンを作る」と述べたしだいです。
I certainly hope it does not come to that, but, yes, if there is no other choice, I will make an alternative phone
— Elon Musk (@elonmusk) November 25, 2022
「Tesla Pi Phone」(テスラフォン)は長年にわたり、漠然と噂されてきたものです。実際、マスク氏がCEOを務めるテスラ社は独自のチップ技術、ゲームやアプリなどのソフトウェア、さらにはLinux OSを搭載した100万台以上のクライアント(電気自動車の車載OS)を保有している実績があり、技術的には可能性はゼロではないでしょう。
とはいえ、今のところマスク氏の思いつきの域を出ず、実現する可能性は低いはず。またTwitterユーザーもiPhoneやAndroid用アプリの利用比率がかなり高く、アップルやグーグルに逆らってそれを手放すよりも、マスク氏も妥協することを余儀なくされると推測されます。
もっとも、次の行動が予測できないマスク氏だけに「絶対にあり得ない」とは言い切れません。今後の展開を見守りたいところです。
Source:Elon Musk(Twitter)
via:9to5Mac