トラックパッド付きのMacを使っている人たちからは、2本指ズームがたびたび機能しなくなるとの苦情が相次いでいます。これはアップルの公式サポートコミュニティでも報告され、3年以上前から起こっているようです。
今なおアップルは解決策を用意していませんが、たった1クリックで解決する新たなユーティリティが公開されています。
ここで問題となっている2本指でズーム、つまりピンチして拡大縮小は、Macで最もよく使われているジェスチャー操作の1つ。これが機能しなくなると、Macの使いやすさや生産性が大きく落ちる可能性があります。
さて米9to5Macのライターによれば、この症状が最もよく起こるのはアップル純正のプレビューアプリとのこと。2本指をピンチして画像や書類を拡大しようとしても何も反応がないほか、画像や文書をパン(画面に収まりきれない大きなページなどを動かして、隠れた部分を表示する操作)にも影響をおよぼすとのことです。
この症状はアップル純正アプリのみで起こり、Chromeなどのサードパーティ製アプリには影響しないとの声もあり。が、macOS Monterey(2021年秋にリリース)の時代から存在していたとの指摘もあります。
その解決方法の1つは、Macの「ターミナル」アプリを開き、”killall Dock “コマンドを実行すること。これは難しくはありませんが、キーボードからコマンドを打ち込む必要がありますし、コマンドを忘れる恐れもあります。
そこで開発者のDan Liu氏が作り上げた新アプリが「Pinch」です。これは起動するとmacOSのメニューバーに追加され、2本指ジェスチャーが効かなくなるたびに「Fix Pinch Gesture」をクリックするだけです。要はユーザーに代わって、ターミナルコマンドを実行してくれるわけです。
「Pinch」アプリはGitHub上で公開されており、「Download App here」からダウンロード可能。そして解凍してから「アプリケーション」フォルダにドラッグ&ドロップすることで使えるようになります。
このアプリは、本来はなくていいはずのもの。アップル公式に、根本的に不具合を修正するアップデートを配信することを待ちたいところです。