電源コードをコンセントに挿さず、すぐに掃除が始められるコードレススティック掃除機が人気です。特に、高性能・高機能な大手メーカーのハイエンド機種だけでなく、必要十分な機能と性能に絞ってお手ごろ価格を実現した、家電準大手メーカーのコードレススティックも好調な売れ行きを見せています。今回は、そんな高コスパなスティック掃除機のひとつ、プラスマイナスゼロの「コードレスクリーナー Ver.2 XJC-A020」(実売価格 2万3760円)をお試し。本機は、高コスパスティックのなかでも、特にデザインが優れていることで知られていますが、今回はそれ以外のポイントにも目を向けるべく、5項目にわたって徹底的にチェックしました。
その1 掃除の能力は?
自走式ヘッド付きより吸引力は劣るがスタミナはバツグン
XJC-A020は、いまや高級モデルのマスト機能となっている自走式ヘッドを省略。というよりヘッドブラシ自体を装備しておらず、ファンモーターの吸引力のみで集じんします。吸い込み仕事率はパワフルな30Wで、吸引力は「標準」「強」「ハイパワー」の3段切り替えが可能。ホコリやペットの毛なら「標準」でも十分吸引できます。「ハイパワー」なら、砂粒など重みのあるゴミも余裕で吸引できました。ただ、ブラシがないぶん、掃除後に床を触ってみると、床に張り付いたチリの取り残しあり。また、カーペットに絡みついたホコリやペットの毛も取りにくいです。この辺は自走式ヘッド付きスティック掃除機や吸引力が強いキャニスター型にどうしても負けてしまいます。
ちなみにXJC-A020の連続運転時間は、ハイパワーで約20分、強モードで約30分、標準モードで約70分(充電時間約6時間)。スタミナはハイエンド機種と遜色ないといえます。これは、サイクロンによるゴミの遠心分離や自走式ヘッドのモーター駆動にかかる電力が必要ないからできることで、機能を絞ったメリットがこういうところにも現れています。
その2 掃除機の操作はしやすいか?
持った感覚が驚くほど軽く手首に負担がかかりにくい
掃除機で、集じん能力とともに重要なのが操作性です。なかでも掃除機の重さ、ヘッドの重さがその操作性を大きく左右します。
XJC-A020は本体質量約1.3kgで、ハンディ機として使う場合は約1.0kg。持った感覚も驚くほど軽いです。また、ヘッドの厚みが少なく、ソファやベッドの下などにもスイスイ入ります。我が家のシステムラックの底板から床までの高さが10cmでしたが、その隙間もスムーズに掃除できました。ハンディ掃除機として使うときは、延長パイプを外し、本体とヘッドを直接つなげたり、すきまブラシをセットしたりして使えます。
もうひとつ、操作性で気に入ったのは、グリップを持つ手首が本体に対して垂直な角度で持てることです。掃除機を前後左右に動かす際に、自然な手首の角度で操作でき、長時間掃除しても負担がかかりにくいのです。本体の軽さと相まって、使い始めから終わりまで、快適に掃除を続けることができました。
その3 設置性は良いか?
スッキリ収納できバッテリーを外して充電できるのが便利
電源コード不要ですぐ掃除を始められる掃除機は、押入れなどに収納せず、サッと持ち出せる部屋置きがスタンダード。そこで、部屋置きでも邪魔にならない設置性の高さと、本体の着脱のしやすさが重要になります。
XJC-A020は、ヘッド後部のフックを専用スタンドのホルダーにかけることで、スッキリ収納できます。スタンドは部屋に置いても圧迫感がなく、掃除機のカラーリングもシックで、掃除機をセットした立ち姿が何ともいえずオシャレです。ちなみに、掃除機をスムーズにスタンドにセットするのに、一度本体を垂直に起こして、ヘッド角度を90度にする必要があります。
また、後述しますが、バッテリーを外して充電できるので、スタンドの設置位置がコンセント付近に縛られないのは、実際に使ううえではかなり便利だと感じました。
その4 ゴミ捨てとメンテナンスはしやすいか?
ゴミ捨てにはやや手間がかかる
XJC-A020のゴミ捨ては、本体の中からフィルターユニットを取り出し、さらにメッシュフィルターとEPAフィルターを外して、中に溜まったゴミとダストカップに残ったゴミを捨てるという行程があり、やや手間がかかります。集じん容積は0.6Lなので、毎日掃除するなら2〜3日に一度、週に一度掃除する人は毎回掃除後にゴミ捨てするのがオススメです。
掃除機のメンテに関しては、水洗いできるダストボックスを採用。メッシュフィルターやEPAフィルターに微細ゴミが詰まると吸引力が落ちるので、これも定期的な掃除が必要です。汚れがひどい場合は水洗いすると、集じん力がかなり回復します。ただし、水洗い後は丸一日陰干しして、十分乾燥させる必要があります。
その5 独自機能はどうか?
バッテリーが本体から外せる点とスタイリッシュなデザインが魅力
XJC-A020は「設置性」でも触れましたが、バッテリーを着脱でき、バッテリーを本体から外して充電できるのが特徴です。スタンドの設置場所がコンセントの近くに限定されないのはうれしいポイント。また充電中、本体とコンセントの間に電源コードが無造作に垂れ下がっている……という状況を避けられるので、部屋のインテリアにこだわる人にもオススメです。バッテリーの劣化で稼働時間が短くなってしまった場合は、バッテリーのみ買い換えることで、稼働時間が元に戻ります(とはいえ、価格が税込1万800円は、かなり悩ましいですが)。
さらに、デザインに定評があるプラスマイナスゼロの製品だけに、スタンドを含めたスタイリッシュなデザインも、オシャレを重視したい人には大きな魅力といえるのではないでしょうか。
まとめ
デザインにこだわるオシャレ志向の人には最適
軽量タイプのXJC-A020は、ブラシ非搭載ということもあり、より高価格帯の機種と比べると掃除能力はやや劣ります。ただ、とにかく軽いから掃除がラク。この「軽さ」って実は、重要な掃除能力なんです。掃除機が重いと掃除が面倒だと感じてしまうもの。そうなると、どんなに吸引力が強くても、高機能でも、まったく意味がありません。
以上を考え合わせると、XJC-A020は現在キャニスター型などの掃除機を使っている人がサブ的に使うのがオススメ。毎日の掃除をこれで行い、週に一度吸引力の強い掃除機でしっかり掃除する使い方が効率的だと思います。フローリングだけの部屋に住んでいるなら、掃除機はXJC-A020だけ、それにフローリング用ワイパーを共用しても十分部屋をきれいに保てると思います。
そして何より、部屋のトータルインテリアにこだわる人こそ購入を検討すべき一品です。ムダを排した直線的なフォルム、温かみを感じるプラスティック素材の質感などは、まさにプラスマイナスゼロならでは。カラバリもホワイト、ブラック、ブラウンがあり、部屋に合わせて色が選べます。掃除機に5万円も6万円もかけたくない、でもデザインにはこだわりたいというオシャレ志向の20〜30代には最高のアイテムではないでしょうか。