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2023/2/9 18:30

数値化は逆効果?「フィットネストラッカー」はやる気を損なうと米メディアが指摘

Apple Watchは最も人気のあるフィットネストラッカー(活動量計)の一つです。ダイエット中の人が着けることも珍しくありません。しかし最近、米国では、フィットネストラッカーはユーザーの「行動を変える」ほどの動機付けは与えないと報じられています。

↑データを見ると、やる気がなくなる?

 

米Washington Postは、フィットネストラッカーが動機付けや身体活動、体重や血圧などの変化にどのような影響を与えるのかを、さまざまな研究を参照しながら調査しました。

 

まず、2016年に発表されたFitbitに関する研究では「装着していない対照群よりも、身体活動を少し維持できた」ものの、1年後には「体重や血圧に変化をもたらすほどではなかった」との結果が出ています。

 

カンザス大学で肥満と体重調節を研究しているジョン・ジャキチッチ氏は、Apple Watchのようなトラッカー製品は「(ユーザーが)情報を与えれば、行動を変えるために何かをする」 ことを前提としていると指摘。そして一般的には、デバイスを身に着けてもユーザーの行動が変わることはなく、いずれ「引き出しの中にしまうか、単にそれに注意を払わなくなる」と述べています。

 

ジャキチッチ氏は、米ピッツバーグ大学から2016年に発表されたトラッカー技術に関する研究で、トラッカーを身に着けている人と身に着けていない人を比較する実験を手伝ったことがあるそう。そこでは、一般的なトラッカーを1年半も着けていたダイエット中の成人は、着用しなかった人よりも体重の減り方が少なかったと言います。また、トラッカーを身に着けた人たちは、運動量が少ない傾向があったとのこと。

 

もう1つの研究は、デューク大学のジョーダン・エトキン氏が行った「運動量を計れば、より運動したくなるかどうか?」という趣旨の調査で、ここでも実際に数値化は散歩に行くといった活動の「内発的動機付け」を損ない、仕事のように感じさせるため、身体活動が長く続かなくなる可能性があることがわかりました。ズバリ結論は「トラッカーはモチベーションを高めない」。

 

また、友人や家族と運動量を競い合うことで元気になる人もいますが、青少年を対象とした2017年の研究で、トラッカーの着用は、仲間からのプレッシャーに反応することに悪影響を及ぼし、やる気を失わせることが判明したそうです。

 

アップルはWashington Postに対して「ダイエットはApple Watchの焦点ではないため、それらの研究は追跡していない」と回答。その一方で同社は2018年の研究に触れ、そこで「追跡された活動日数は月平均34%も増加し、この傾向は実験終了後も続いた」と述べ、フィットネストラッカー少なくとも運動を習慣づける効果はあると反論しているようです。

 

Source:The Washington Post

via:9to5Mac