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2023/3/2 19:30

アイドルになるために上京! レオナエンパイアの強固な信念とWACK愛【豆柴の大群の新メンバーインタビュー】

人気バラエティ番組『水曜日のダウンタウン』(TBS系)から生まれたアイドルグループ、豆柴の大群。異色すぎるオーディションを経て合格したのは、アイカ・ザ・スパイ・ナオ・オブ・ナオ、ミユキエンジェル、ハナエモンスター、カエデフェニックスの5人。クロちゃんがアドバイザーとなりスタートを切った彼女たちだが、結成3年目でカエデが脱退することに。同時に新メンバーオーディションが開催。過酷な合宿を経てメンバー入りしたのは、「絶対にアイドルになりたい」という信念を持つレオナエンパイアさんでした。

 

(構成・撮影:丸山剛史/執筆:有山千春)

●レオナエンパイア/1998年8⽉9⽇徳島県生まれ。<特技>バレーボール、そろばん、側転、1センチがわかる<趣味>アニメ、アイドル鑑賞

 

アイドルになるので就職しません!

ーーレオナさんは、上京してからは「いつでも活動できるようにアルバイト生活をしていた」と、新メンバー合宿オーディション「豆柴の大群なりの合宿」に際するインタビューで答えています。ずっとアイドルを志していたんですね。

 

レオナエンパイア(以下、レオナ) 地元でご当地アイドルをやっていたこともあり、大学4年生の進路を決めるために企業へインターンに行ったときに、「なんか違うな」と思っていました。それで進路を提出するとき学生科に、「私、アイドルやりたいので就職しません」と宣言したんです。

 

ーーかっこいい! どんな反応でしたか?

 

レオナ 「うわーーやめてくれ……」という顔をされて気まずくなりました(笑)。

それで21年9月、4年生のときに当時のWACKオーディションに応募したんですが、面接は通過したものの落ちてしまいまして。その時点ではご当地アイドルも辞めていました。このオーディションに受かるつもりでいたので。

 

ーー決意と覚悟がはっきりとしていたのですね。そこからは、就職せずにアイドルを目指す生活を送っていたのですね。

 

レオナ 融通が効くアルバイトをやりつつ目指していました。

 

ーー「絶対にWACKさん!」という強い意志を感じますが、揺るぎなかったんですね。

 

レオナ そうなんです。WACKの考え方がすごく好きで。初めて2020年の合宿オーディションの様子を動画で見たときに、「すごいな!」と感動したんです。それで私もまずは合宿に挑戦してみたくて。

 

ーーWACKのアイドルに、というよりも、合宿に?

 

レオナ そう、歌って踊ることよりも、過酷な合宿に挑戦してみたい! という気持ちで燃えたんです。

 

ーー今回はその願いが叶い合宿に参加しましたが、まずは二次審査についておうかがいしたいです。会場にはクロちゃんとWACK代表の渡辺淳之介さんがいらっしゃいましたが、どう思いましたか?

 

レオナ とにかくびっくりしたのと、クロちゃんはテレビの印象と違い「優しい人なんだ」と思いました。みんなの書類を見ながら語りかける口ぶりから、優しさがにじみ出ているといいますか。

 

ーーレオナさんは、応募書類に添付した写真が証明写真サイズであることをツッコまれていました。

 

レオナ オーディション用の写真は基本、バストアップと全身写真が必要だということはわかっていたんですが、用意が締め切り日前日の夜になってしまったので、「小さい写真でもいいや!イケるでしょう!」と思って撮りにいったんです。そうしたら、それはダメでした(笑)。

 

ーー(笑)。でも一次の書類審査はそれで通過しました(笑)。なぜそんなにギリギリになってしまったんですか?

 

レオナ ギリギリに用意しちゃうんです……そういう性格なんです。

 

合格の連絡を無視!

ーーそして二次審査も通過されて。合格の連絡はすぐに来ましたか?

 

レオナ すぐに来たんですが、私は知らない番号からの着信には出ないんですよ。何度もかかってきてずっと無視して、番号をネットで検索しましたがなんの情報も出てこないので、そのまま何日か放置しました。それでもまだ同じ番号からかかってくるので、そこでようやく「あれ……? もしかしてWACKかな……?」と思ったんですけど、やっぱり出なくて。

 

ーースタッフの方、肝を冷やしたでしょうね(笑)。

 

レオナ そうしたらWACKから「電話に出てください」というメールが届きました。

 

ーーWACKからの電話だとは、まず思わなかったんですね。

 

レオナ オーディション会場で渡された書類に書かれた番号とは、違う番号だったので。怪しいと思ったんです。

 

ーー危機管理能力が高いですね。その時点では、ご家族やバイト先には報告しましたか?

 

レオナ 家族には言いました。ずっと応援してくれていたし、上京するときに「アイドルになるから」と言って実家を出たので。

 

ーー上京時のご家族の反応はいかがでしたか?

 

レオナ やっぱり不安そうではありました。バイトをして生活すること以外、何も決まっていない状態でしたし、一人暮らしのお金は全部自分で工面しなきゃいけなかったので。

 

ーー東京や家賃が高いですが、どうやってやりくりしていましたか?

 

レオナ コンビニは絶対に行かないようにしていました。あと、自炊が嫌いなんですが、作らないとお金がかかるので頑張って何かしら作っていました。カレーとか、もやし炒めとか。

 

222は絶対に忘れない数字

ーーそれで「合宿に参加したい」という目標を有言実行して、信念を貫く姿勢はかっこいいと思います。念願の合宿についておうかがいしたいのですが、いちばん印象に残っているのは?

 

レオナ 私がこれまで見ていた合宿オーディションとはまったく違いました。いつものWACKの合宿は、いちばん最初に歌唱審査をするはずなんです。私たちは何も聞かされずに合宿に集まったので、従来どおり歌唱審査をすると思い、合宿会場までのバスの中で歌詞を読んだりMVを観たり、いろいろ準備していたんですよ。

で、いざ蓋をあけてみたら、まず最初に体力測定で。ほんとうにびっくりしました。「これから何が始まるんだろう!?」とドキドキしたことが印象的でした。

 

ーーそんな意外な展開だったんですね。モモチ・ンゲールさんは「デスソースが大変だった」と話していました。

 

レオナ そうなんですね。私は意外とイケました。今までの合宿動画を観て「水を飲んだらいけない」とか「噛まないほうがいい」とか予習をしていて、その通りにやりつつ、アイカさんが同じグループだったので教えてもらいながら食べたら、意外と完食できました。

あ! でも、トイレのとき死んだかも……。

 

ーーどうなるんですか……。

 

レオナ もうやばいです。あんなの初めて。痛いし、熱いんですよ。

 

ーー壮絶ですね……。

 

レオナ あと私は、3日目に順位が下位になり、脱落しそうになったんです。翌日の最終日はパフォーマンス審査があると聞いていたし、やっぱりパフォーマンスを見せるところまではいたかった。だから絶対にここで落ちて帰るわけにはいかなかったんです。

脱落を免れるためには、最終日の朝にスクワットをやってその回数で上位に食い込めばいいのですが、3日目の夜にひとりでトイレで練習して、動きやすいズボンを履いて、真剣に挑みました。結果、222回達成して脱落を免れて。222は、絶対に忘れない数字です。

 

ーー食らいつく姿勢が思い浮かびます。クロちゃんや渡辺さんから言われた言葉で、覚えているものはありますか?

 

レオナ ハナエさんやミユキさんたちとグループでパフォーマンスをするときに、クロちゃんから「レオナは前世があるんだから、もっと出来ると思っていた。現メンバーを食う勢いでやってほしかった。『ここまでやったら誰かが褒めてくれる』と、レオナは思っているよね」と言われたんです。

確かにそのとき、そんな自分に気づいていたけど、気づかないふりをしていた。その「気づかないふりをしていた自分」の存在を知ることができました。

ほかにも「自分で限界を決めちゃっている」とも指摘してくれて。そのとき、「せっかくここまできたのに、自分、やらないでどうするんだ!」と悔しくなって泣いてしまいましたね。

それを経て最後のパフォーマンスで「見ていてください」と言って、自分の変化を見せることを意識して挑みました。スクワットのあとだから足が上がらない状態だったんですが、パフォーマンスをしているときは痛さを忘れるくらいにのめり込んで、「変わった姿を見せられたんじゃないのかな」と少しだけ自信を持つことができたんです。

 

ーーパフォーマンスについて、渡辺さんが高評価をしていましたよね。

 

レオナ 「キレイにまとまっていたわけではないけど、心を打たれた」と言ってくださってうれしかったです。

 

崖っぷちの状況での合格。そして……

ーーそして12月17日、東京・ヒューリックホールでのライブ「WE MUST CHANGE TOUR FiNAL」で合格発表が行われることになりましたが、合宿後からそれまでは、どんなふうに過ごしましたか?

 

レオナ 普通にバイトしていました。朝からフルで。

 

ーーそして当日、合格者のひとり目として名前を呼ばれました。

 

レオナ 「やっとここまで来たか……」という安心感で、感無量でした。年齢的にあとがない状況で受けましたし、ずっとWACKのアイドルになりたかったから。WACKのアイドルって、以前は応募要項が28歳くらいまででしたが、今は24歳までなんです。来年には23歳に下がる可能性もあるかもしれない……と考えたら、もうあとがなかった。

「これが最後だ」と賭ける気持ちで合宿に挑んでいたんです。今までのバイト生活では先が見えない状況でしたしね。「来年は24歳……このままこれが続いていくのかな」という思いがよぎると、そのたびに怖くもなりました。だからほんとうに安心したんです。

 

ーーこういった状況にいると自暴自棄になってしまう人もいるかと思いますが、信念を貫いて誠実に生きる姿は尊敬します。どうやってバランスを保っていたんですか?

 

レオナ 私は「アイドルになりたい」しか考えていませんでしたが、それって「絶対にこの会社に就職したい」という感覚と同じなんですよね。特定の企業の社員か、アイドルか、の違いで。はたから見ると「アイドルになりたい」は、そう思わない人にとっては理解できないかもしれませんが、夢を追う気持ちは誰しも同じだし……と思ってモチベーションを保っていました。

 

ーーネガティブな自分とは、どう付き合っていましたか?

 

レオナ 私はネガティブになると部屋で泣くタイプで、もう涙が枯れ果てるまでめちゃくちゃ泣き尽くして、解消します。それで寝たら治る、とわかっているので、泣いたらすぐ寝るようにしています。

 

ーー自分のコントロールの仕方を知っているんですね! 大人……!

 

レオナ (笑)。あとは、カラオケでめちゃくちゃ歌うとか。発散方法はだいたいわかっているんです。

 

ーーバイト仲間には、豆柴の新メンバーになったことはいつ報告したんですか?

 

レオナ 自分からは伝えず、Twitterで流れているのを見て知ってくれていた子が「受けていたんだ。応援しているね!」と言ってくれたりして、正式に伝えたのはバイトを辞めるときです。

バイトを急に辞めることになってしまい申し訳なかったのですが、みんなすごく喜んでくれました。控室に「レオナさんが豆柴の大群オーディションに受かりました!」という張り紙を貼ってくれたりもしました。

 

ーー地元の駅に「○○高の○○さん、オリンピック出場おめでとう!」と垂れ幕が出る感覚ですね。

 

レオナ そんな気分でした(笑)。送別会もしてくれて「おめでとう」と送り出してくれて。ほんとうにありがたかったです。

 

ーーご家族はいかがでしたか?

 

レオナ 合宿オーディションのニコ生配信を、ほぼずっと見てくれていたみたいで、めちゃくちゃ喜んでくれました。たぶん、親が見たことがない姿がいっぱい映っていたと思うんですが、恥じらいはありませんでしたね。

 

もっとみんなの魅力を前に出したい!

ーーその後、1月6日にお披露目ライブ「豆柴の大群のりりりスタート」が開催されました。

 

レオナ 練習期間は3週間くらいで、すべて体に叩き込んで、気の抜けない毎日でしたね。練習の合間にレコーディングもあるし、寝る間もないし、「24時間じゃ足りない!」とずっと思っていました。

 

ーーファンの方々の前に立った瞬間は、いかがでしたか?

 

レオナ 始まる前は、どっしりと構えてくれるオリジナルメンバーがいてくれたのでまったく緊張しなかったんですが、モモチがめちゃくちゃ緊張していて、なんかヒィヒィ言っていたんですよ。それが移っちゃって、めちゃくちゃ緊張してきて。私は緊張するとお腹が痛くなるタイプで、なにも食べられなくなるし吐きそうになるんです。そんな状態で舞台に出て、すごいテンパってしまって。

でもそれは最初だけでした。3曲目くらいからは、ただただ「楽しい!」だけで、めちゃくちゃ楽しみました。

 

ーー「豆柴の一員だ」と実感した瞬間は?

 

レオナ 『豆柴の大群 -お送りするのは人生劇場-』という曲が一番好きで、何度も何度もMVを観て「豆柴を象徴する歌」だと思っていたんですが、それを自分も豆柴として歌っているとき「あ、私、すごい豆柴だ!」と実感しました。たぶんこれからも、『人生劇場』を歌うたびにそう感じると思います。

 

ーーファンの方々に伝えたい、ご自身のアピールポイントを教えてください。

 

レオナ えーっと、めげないところ! あと忍耐力、根性だけはあります。何がやってきても耐える自信があります。

 

ーーそれは今日のお話でひしひしと感じました。信念を貫きましたね。ファンの方とはもう交流があったりしますか?

 

レオナ この前、初めてファンレターをいただきました。高校生くらいの女の子なんですが、2、3枚綴りで、「レオナちゃんに悩みがあっても、大丈夫だよ!」「なにかがあったら、私がやっつけにいくからね!」と、すごくポジティブなことを書いてくださっていて。感動しかなかったです。メンバーの前で読んでいたので、泣きそうになったのをぐっと堪えました。

「豆柴は、こういう方たちが応援してくれるんだな。私たちのそばにいてくれるんだな」と思って、嬉しさと心強さを教えてくれたこの手紙は、一生大切にしようと思います。

 

ーー今、手紙はどこにありますか?

 

レオナ バッグに入れたり、今は机の上です。何度も読み返したいからすぐに読めるように。いつも励まされています。

 

ーー最後に、今後の目標を教えてください。

 

レオナ みんなと力を出し合って、東京ドームに立ちたいです! あと、もっとみんなの魅力を前に出したいんですよ。みんなの楽屋での面白い姿とか、知ってほしいんです。だから常々動画や写真を撮っているんです、いつかどこかに出せるように。

 

ーーファンというか、マネージャーのような動き!(笑)率先してやっているんですか?

 

レオナ 元々モモチがよく撮るタイプで、「私も撮っていこう」と意識してみんなの魅力的な姿を撮っています。

 

ーーこれまで見た、「このメンバーのここがイイ!」という姿は?

 

レオナ 今思い浮かんだのは、ナオさん! 私は合宿のとき一度も同じチームにならず、話す機会がなかったんです。それで実際お喋りしてみたら、声がキレイで可愛くて! そういう一面を知らない方がいたら、絶対に知ってほしい  仕草も可愛いんです!

 

ーーヲタ目線でいいですね(笑)。

 

レオナ 新メンバーという立場だからこそ、私たちが発見したみんなの魅力も発信していきたいです。

 

ーーレオナさん個人としての目標は?

 

レオナ MCなどでしゃべるのが苦手なので、たくさん本を読んで語彙力を身につけて、しゃべれるようになりたいです!

 

 

【information】

「MAMEQUEST」

【初回⽣産限定盤】BOX仕様CD+Blu-ray+写真集/1万1000円 (税込)

新⽣⾖柴の⼤群始動︕3rd Album「MAMEQUEST」リリース︕
新メンバーレオナエンパイア、モモチ・ンゲールを迎えた6⼈体制初のアルバム︕
Blu-rayには昨年12⽉17⽇にヒューリックホール東京にて開催された「WE MUST CHANGE TOUR FiNAL」のライブ映像+副⾳声&ツアードキュメンタリー映像を収録︕