音声通訳端末「ポケトーク」などを展開するポケトークは、法人向けの通訳サービス「ポケトーク for BUSINESS」をローンチしました。
「ポケトーク for BUSINESS」は法人向けの外国語通訳サービスで、2022年に発表していた「ポケトーク同時通訳」に加え、新たに「カンファレンス」と「ムービー翻訳」の2つのサービスがラインナップされます。「ポケトーク同時通訳」のWindows向けは3月14日より販売開始となり、Mac OS向けは近日発売予定。「カンファレンス」と「ムービー翻訳」は2023年夏ごろより販売予定としています。
OpenAIのAI音声認識エンジンで精度向上
「ポケトーク 同時通訳」は、相手の話す英語を70言語の音声と字幕でリアルタイムに翻訳可能なパソコン向けソフトです。主に4つの機能を備えており、オンラインでの会話をリアルタイム翻訳する「オンライン会議」、対面で話している人の会話をリアルタイム翻訳する「対面会議」、会話の内容をテキスト化して議事録などに活用できる「自動文字起こし」、動画の音声をリアルタイム翻訳する「動画視聴」が利用可能。ソフトを導入するだけで、専用端末を使わなくてもリアルタイム翻訳サービスを利用できます。
音声認識エンジンには、「ChatGPT」で注目をあつめるOpenAI社のAI音声認識エンジン「Whisper」を採用。これにより音声認識の精度が向上し、翻訳精度を大幅に高めています。さらに、日本語音声の音声合成エンジンには東芝デジタルソリューションズの「ToSpeak」を採用しており、より自然な日本語の発話を実現しています。
料金は月額2200円で、毎月30分までは無料で利用可能。また、「ポケトーク for BUSINESS」のローンチを記念して、4月16日までは時間制限なしの無料で利用できます。
低コストで翻訳サービスを利用可能
新たに発表された「カンファレンス」は、国際会議やトークセッションといったイベント会場での使用を想定したサービスで、来場者が用意されたQRコードをスマホで読み込むだけでリアルタイム翻訳を文字・音声の両方で確認可能。ワイヤレス音声機材の準備などが不要なので、従来に比べて低コストで利用できることが特徴です。
会場では英語でのデモンストレーションが披露されましたが、用意されたQRコードを手持ちのスマートフォンで読み込むことで、ラグタイムもなくリアルタイムの翻訳テキストを確認することができました。イヤホンを用意すれば翻訳音声を聞くことも可能です。
「ムービー翻訳」は動画ファイルの音声を文字・音声に翻訳するもので、動画データをアップロードするだけで専用ソフト不要で利用可能。社内で制作した研修動画などを海外拠点などでも使用する際に、手軽に翻訳することができます。
いずれも従来の同時通訳者や翻訳者に依頼した場合の20分の1から30分の1程度のコストで利用できるため、企業の海外進出やグローバル展開をサポートするとしています。
発表会の会場には、経済産業省 経済産業政策局 新規事業創造推進室長の石井芳明氏が登壇し、政府が推進する「スタートアップ育成5か年計画」におけるグローバルビジネスの重要性を説明した上で、ポケトークのようなサービスと連携することでビジネスシーンの“言葉の壁”を低くし、日本の国際競争力を高める手助けをしていきたいと述べました。
コロナ禍からの回復に伴い、再びインバウンド需要や日本企業の海外展開などが増えているなか、ポケトークのようなAI翻訳サービスのニーズはさらに高まっていきそうです。
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