パイオニアは2月27日、“会話するドライビングパートナー”「NP1」の4回目となる大型アップデートを実施しました。10万件を超える施設データと連携できるスポット情報を追加し、音声での案内や専用アプリ「My NP1」上での画像案内がより充実した形で案内されるようになりました。
追加スポット情報は10万件以上。スシローの混雑状況もわかる
今回のアップデートで追加された施設データは、「JTB/JTBパブリッシング」「あきんどスシロー」「アクトインディ」が提供する3つのデータです。
JTB/JTBパブリッシングで提供されるのは、旅行ガイドで知られる「るるぶDATA」の全国4万3000件以上の観光情報と詳細な施設情報とデータ連携した「観光情報レコメンドサービス」です。観光地における推奨スポットやお店、周辺情報を「NP1」の音声やスマートフォンの「My NP1」アプリの画面を通じて、あらかじめ指定したカテゴリーに合わせて知らせてくれます。
提供される情報には画像も含めたPOI(Point of Interest:店舗や施設など地図上に表示するポイントを指す)情報が含まれており、目的地設定のほか、履歴を振り返って次のお出かけプランを作成するのに役立てることができます。
あきんどスシローとの連携では、自車位置周辺の店舗情報やその店舗のキャンペーン情報を提供するものです。この機能でメリットが大きいと思われるのは、店舗の混雑情報がリアルタイムで確認できること。こうした最新の情報に基づいた情報が提供されるのは、通信機能を持つNP1ならではの機能といえ、効率的なドライブ計画にプラスとなることでしょう。
子ども向けファミリー向けイベント情報も充実
そして、特に子どもを持つ家族に役立ちそうなのが「アクトインディ」が手掛けるファミリー向けお出かけ情報サイト「いこーよ」との連携です。このサイトでは親子で平日にお出かけできる遊び場、連休や週末のファミリー向けのイベント情報が満載されており、そこにはおむつ替え台や授乳室、ベビーカー貸し出しの情報も含まれます。自車から半径1.5km圏内で子ども向けとして人気が高い施設情報を提供され、子どもへのサプライズとして役立つ可能性大です。
これらのサービスは、普段使っている生活圏から離れて走行すると、自車位置周辺にあるおすすめスポットを提供するものです。自動的にNP1より音声と「My NP1」アプリによる画像を使って提供されるのはこれまでと同様。
また、パイオニアとJTB/JTBパブリッシングの3社は2月27日、観光DXの取り組みの一環として、2022年より熊本県阿蘇地域において観光DXに関する実証実験を実施してきていることも発表しました。「観光情報レコメンドサービス」はその知見を活かしたものとなり、今後は観光DXに向けた取り組みを通して、「NP1」から取得するユーザー行動情報を統計化、定量分析。これにより、旅行者の観光体験価値の向上や地域の活性化につながる新たなサービスやビジネスを創出することに役立てていく計画です。
音声での提案方法をより使いやすくすることも検討中
こうした中、アップデートが実施される直前の2月22日、アップデートのベータ版に試乗することができました。そこで開発者から聞くことができたのは、情報の提案を5分間隔に押さえたというものです。実は、これまで情報が多いエリアでは、案内される件数が多く、あらかじめ対象をカテゴリー別に絞り込んでもそれが煩わしく感じることもありました。そこで今回のアップデートに伴い、提供間隔を5分ごととしたのです。
しかし、試乗してみると情報の提供はもっと短い間隔で行われています。5分ごとに絞り込まれているんじゃないのか? そう思い、開発者に訊ねると「5分ごとの間隔をおいているのはアプリごとであり、たとえばJTBの情報の後にアクトインディのスポット情報があった場合はその限りではない」とのこと。これにより、バランス良くスポット情報の提供が行われるとのことでした。
また、情報の読み上げは施設名からその詳細までを一気に読み上げられるのはこれまでと同じです。個人的には「それが煩わしさを感じさせる要因となっているのではないか?」と思い、開発者に質問すると「実はそのプランも構想に入っており、それを反映できるよう検討していきたい」と回答してくれました。こうした使い勝手の部分にも通信によって更新ができていくのもNP1ならではのメリットなのです。今後に期待したいですね。
“会話するドライビングパートナー”「NP1」は、通信型ドライブレコーダー、スマート音声ナビ、車内Wi-Fiなど多彩な機能を一つのボディに搭載したAI搭載通信型オールインワン車載器として、2022年3月に発売されました。通信によるアップデートにより、ユーザーは購入後も継続的に使い勝手や体験価値を向上させていくことができるのがポイントで、今回のアップデートもその機能を活かしたものとなります。
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