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2023/3/31 5:30

わずか6年間で「マイクロプラスチック」の量が100倍以上増加! 英大学の研究

目には見えないけれど、静かに海を汚染している「マイクロプラスチック」。現在、その量が2017年の100倍以上に急増していることがイギリスの調査でわかりました。わずか5mm以下のマイクロプラスチックは、どのくらい私たちの身の回りに存在するのでしょうか?

↑もっと細かいプラスチックがたくさん海を漂っている

 

ペットボトルなどのプラスチックが小さな破片になり、やがて5mm以下の大きさになった「マイクロプラスチック」。海や川に漂い、海の生き物たちに影響を与え、それらを口にした人間にもその影は忍び寄っています。

 

マイクロプラスチックの現状について調査したのはポーツマス大学の研究メンバー。イギリス沿岸の約8000kmをボートで回り、海水を採取して、含まれているマイクロプラスチックの量を調べました。その結果、1立方メートルの海水に0~121個のマイクロプラスチックが存在することがわかったのです。

 

この研究チームは同様の調査を2017年に行っており、そのときは1立方メートルあたり0~1.5個のマイクロプラスチックを確認していたので、今回判明した数値はその100倍以上になります。つまり、わずか6年ほどの間に海を漂うマイクロプラスチックの量が急増しているということです。

 

今回のイギリスの調査の結果は、決して他人事とは言えません。愛媛大学などの研究チームが大分県別府湾の海底について行った調査では、1960年頃からおよそ20年の周期で、マイクロプラスチックの量が増減を繰り返しながらも、着実に増えていることが明らかとなっています。

 

2050年の海には、魚の量よりも多くなるとも言われるプラスチックごみ。海洋汚染は驚くほど速く進んでいるようです。

 

【主な参考記事】

BBC. Microplastics: Research finds almost 100 times more microplastics in UK coastline than six years ago. March 28 2023
愛媛大学. 別府湾海底堆積物が語る過去 75 年間(1940 年〜2015 年)の 海洋マイクロプラスチック汚染状況の変遷. October 11 2022