Web3.0、ブロックチェーン、NFT……これらのワードを聞いたことはあるけれど、意味がどうもわからない、そんな方も多くいらっしゃるでしょう。一般に向けての普及はまだ途上にあるWeb3.0ですが、国を挙げて、この技術が生む新たな価値を後押ししようという動きがあります。
その動きのなかでいま、台風の目といえる存在が、「X to Earn」を実現するWeb3.0プラットフォーム「アニカナ」です。X to Earnとは、生活のなかにあるあらゆる体験(X)によって、お金を稼ぐ(Earn)ことを可能にする仕組み。この仕組みが普及すれば、日常のあらゆる体験、たとえば徒歩、筋トレ、勉強などがお金に変わり得ます。アニカナは、そんな変化を実現するためのプラットフォームです。本稿では、新しいインターネット社会に向けて、夢の膨らむ話をお届けします。
そもそもWeb3.0とは? (読み飛ばし可)
アニカナの説明に入る前に、Web3.0について簡単に説明しておきます。なお、Web3.0、ブロックチェーン、NFTという言葉の意味をなんとなくでも理解されている方、夢の膨らむアニカナについて早く知りたいという方はこのパートは飛ばしても大丈夫。次の見出しからお読みください。
Web3.0では、中央のサーバーにデータをすべて預けるのではなく、ネットユーザーのひとりひとりが、データを所有し管理します。そんなことをしてセキュリティは大丈夫なのかと思われるでしょうが、ブロックチェーンという技術がその問題を解決しています。
・Web1.0(1991年〜2004年ごろ):ユーザーは消費者。コンテンツは静的(テキスト中心)
・Web2.0(2004年ごろ〜今日):ユーザーはコンテンツの消費者だけでなく生産者。コンテンツは動的(動画や画像が中心)で、巨大IT企業がプラットフォームを構築し、ユーザーのデータを所有
・Web3.0(これから):ユーザーは消費者であり生産者。ブロックチェーンに基づく脱中央集権化
↑Web1.0〜3.0の流れを簡単にまとめたもの
分散型台帳とも呼ばれるブロックチェーンは、暗号化された情報を小分けの「ブロック」にし、それを「チェーン」状に連環させたうえで、ネット上の複数の場所に分散・保存しています。ブロックチェーンで保存された情報はデータが分散しているため、高いセキュリティが担保されているうえ、システム障害のようなトラブルに対しても強靭です。
現在のWeb2.0では、情報がひとつのサーバーに集約されるため、データの流出やシステム障害に悩まされるケースも多いですが、Web3.0であればその心配がほとんど不要。それによりWeb3.0では、大型プラットフォームを介さず、個人個人が安全に情報をやりとりしたり、送金することができるのです。Web2.0における金銭取引や情報の送受信は大型プラットフォームに依存していますが、Web3.0では個人間の取引がより活発化することが予想されます。
Web3.0において重要な概念に、NFTがあります、NFTはNon Fungible Tokenの略で、直訳すると非代替性トークン。トークンは暗号資産(仮想通貨)のことですが、ここでのポイントは「非代替」という部分です。
例を出して説明します。たとえば1000円札は、日本銀行が発行したものであればどの1000円札でも同等の価値を持ちます。つまり代替可能です。しかしNFTの場合は、他のもので代替することができませんから、希少価値が発生します。また、NFTを売却・購入すると、ブロックチェーン上にその履歴が残され、追跡可能になります。NFTの取引は、透明性が非常に高いのです。
そしてNFTの魅力として忘れてはならないのが、個人でも発行できること。たとえば自分が作ったアート作品をNFTとして販売することだって可能です。
アニカナとは何か?①様々な「X to Earn」サービスを束ねている
NFTが誕生したことで、あらゆるものを暗号資産化できるようになりました。そこで注目されるようになったのが、「X to Earn」という考え方です。仕事をする、勉強する、運動する……日々の生活は、様々な体験に満ち溢れています。それらの体験をNFT化し、換金しようというのがX to Earn。Xには動詞や名詞が入り、たとえば歩いて稼ぐのならWalk to Earnといった形です。
アニカナが特徴的なのは様々なX to Earnを提供するプラットフォームである点。すでにアニカナ上ではいくつかのサービスがスタートしているので、簡単に紹介していきましょう。
①Learn to Earn
大阪府で若者向けの教育事業を営む「ワークアカデミー」ではLearn to Earnの実証実験を実施。ワークアカデミーでは、受講生の学びのプロセスや結果をNFT化し、それを換金して受講生の口座に振り込むという仕組みを、アニカナを活用して導入しました。この枠組みでは学習結果だけでなくプロセスも評価するので、生徒が勉学に励む姿勢を純粋に後押しできます。現在、Learn to Earnで生徒の学習意欲をどれほど高められるのか、検証を行なっているそうです。
②Muscle to Earn
パーソナルジム「YUMO」では、トレーニングの成果に応じてNFTを獲得できるMuscle to Earnを導入。設定されているトレーニングをクリアするとコードが配られ、アニカナ上でそのコードを入力すると推定1万5000円相当のNFTが生成される仕組みを、2023年4月からスタートさせています。
③Camp to Earn
変わったところでは、キャンプをテーマにしたX to Earnもあります。それがアウトドア向けのレンタルフィールドを運営する「ネイティブキャラバン」。同社では、施設の利用者がデイキャンプ、宿泊キャンプをしてその体験をSNSにシェアすると、アニカナのプラットフォームを活用してNFTが発行される仕組みを導入。こちらもプランに応じて1万円〜1万5000円想定のNFTが生成されます。
何となく、アニカナの特徴が見えてきたでしょうか。そこで疑問として出てくるのが参加者がNFTを得られる「原資はどこから出ているの?」という点。確かに、①〜③の事例では、講座の受講料や、施設利用料といった費用はかかりますが、参加者に直接的な負担がないようにみえます。一見すると、一般的なキャッシュバックキャンペーンのようにも見えます。
この点は、様々な点が考えられます。例えば、学習情報・履歴データを人材を探している企業に開示することで、精度の高いマッチングを行うことが可能になります。この場合は、採用する企業が原資を支払う形に。ジムの例でいえば、トレーニングの成果が出たということがジムの実績となり、宣伝などに使える可能性があります。特にジム業界では効果の高さがジムを選定する重要な指標のひとつと考えられ、このケースではジム側が宣伝費やマーケティング費用の一環として原資を支払う形が想定できます(※:上記①〜③の事例がこのように原資を出しているわけではありません)。
アニカナではゲームタイトルも配信されていて、ユーザーがキャラクターなどに課金するタイプの Play to Earnもあります。このケースでは、ユーザーが原資を支払いつつ、より良いスコアを出した人やより強いキャラクターを作った人にNFTが生成されるといった循環があります。
アニカナとは何か?②入手したNFTを法廷通貨に換金できる
X to Earnのサービスを開発するためのプラットフォームとして機能し始めているアニカナですが、極めてオリジナルな点があります。それは、アニカナでユーザーが入手したNFT「アルカナ」を直接、法定通貨、つまり円に換金できること。これは世界初のサービスだといいます。NFTを別の仮想通貨建てで売却し、それを円に換えるというX to Earnのサービスはこれまでにもありましたが、仮想通貨の価値は大きく上下するため、ギャンブル性の高さが問題でした。その点アニカナでは、他の仮想通貨を経由しないので暗号資産の値動きに左右されず、NFTの価値が安定するのです。
「体験をそのまま換金できるだなんて、そんなうまい話はないだろう」と思われる読者もいらっしゃるでしょう。しかしこのアニカナは、行政機関や省庁OBの有識者たちの協力を得て、その普及や正しい活用に向けて一般社団法人日本アニカナ業協会を設立し、公共性ある形で日本経済に貢献していくこれまでにないWeb3.0なのです。
アニカナは社会にどのような価値をもたらす?
アニカナが国からも評価される秘訣は2つあります。遵法性の高さと、社会にもたらしうる価値の大きさです。
アニカナを開発したレヴィアス株式会社はこれまでにも金融系のブロックチェーンを開発しており、ブロックチェーン上でのお金のやりとりに関するノウハウを持っていました。さらにGame to Earnのサービスが賭博に該当しないような仕組みづくりをするなど、遵法性を担保。4大法律事務所に所属する弁護士をはじめとした専門家から法律面での監修を受け、現行法をしっかり守りながら、体験を現金化できるプラットフォームを作り上げました。
そして、X to Earnはなぜ社会に価値をもたらしうるのか。それは、社会をより良いものにするための行動を、人々に促せるからです。Hearth to Earnのサービスがあれば、ユーザーは健康になることでお金を稼げます。そうすれば、健康を意識する風潮が社会に根付き、医療負担の軽減につながります。あるいはLearn to Earnなら、ユーザーの学習意欲を高められます。個々人が、自ら学ぶ姿勢を後押しできるわけです。
これまでのWeb3.0では、仮想通貨の値動きの激しさが象徴するような、ギャンブル性の高さがありました。アニカナはその問題点を取り払つつ、社会に良い付加価値をもたらすことに注力したプラットフォームといえます。
ユーザーの行動を促すうえで欠かせないのが、適切なユーザーインターフェースの設計です。アニカナを使ったサービスは、通販サイトを利用する程度の感覚で操作できるように設計できるので、ユーザーはWeb3.0に関する体系的な知識を持つ必要がありません。ユーザーは、ただ行動して、換金するだけです。この点でいえば、アニカナを通したX to Earnのユーザー体験は、通販サイトやポイ活サイトなどでポイントを貯める感覚に近いといえるでしょう。
X to Earnのサービスは、これまでも注目こそされていましたが、ユーザーに一定の知識を求めるものばかりであったため、普及には至っていませんでした。それを普及させるだけでなく、社会にポジティブな価値をもたらす。アニカナが持つポテンシャルは、日本をWeb3.0先進国に押し上げるかもしれません。