仕事の環境は人それぞれ。パソコン1台でどこでも快適に作業できる人もいれば、マウスやキーボードなどさまざまなガジェットを集めて「最強の仕事場」でパフォーマンスを発揮できる人もいます。私もどちらかといえば後者で「自宅の作業環境こそ最高……!」と5畳の自室に籠る日々を送っていましたが、そんな私のワークスタイルを変えるようなガジェットに出会ってしまいました。
それが今回ご紹介する、LGから2023年4月に発売されたモバイルディスプレイ「LG gram +view 16MR70」(以下、LG gram +view)です。この一台のおかげで、外出先でも快適な環境で作業ができるようになりました。
外出先でも作業の生産性をアップさせるモバイルディスプレイ
まずは製品の概要を見ていきましょう。外付けディスプレイとなると据え置き型が一般的ですが、本機は持ち運んで使うことを前提としたモバイルディスプレイです。カバンにサッと入れて持ち運ぶことができ、外出先でも2画面の快適な環境で、作業の生産性を大幅にアップさせてくれます。価格はAmazonで、4万5273円(税込)。
主な仕様は以下の通りです。
・ディスプレイ:16型IPS液晶(視野角170度)
・アスペクト比:16:10
・解像度:2560 × 1600ドット(WQXGA)
・接続端子:USB3.2 Gen1 Type-C端子 ×2(DisplayPort Alternate Mode対応)
・本体重量:約670g(カバー付きで約920g)
・消費電力:8W
付属品には、Alternate Modeに対応しているUSB Type-Cケーブルが含まれています。USB Type-Cのケーブルによっては給電専用など、映像出力に対応していないものもあるので手持ちのケーブルを使う際には注意が必要。付属品として入っているのはうれしいですね。
LG gram +viewを1か月使ってみてココが好き
本機をお借りしていた約1か月間に使って感じた”推しポイント”を4つにまとめてご紹介しようと思います。
1. シンプルなデザイン
ボタンは輝度を調整するものが1つ、接続端子はUSB Type-Cが2基のみという極限まで削ぎ落とされたデザインは、とてもシンプルでスタイリッシュ。LGが発売している製品ということもありLG gramとの相性が良いのはもちろん、筆者の使っているMacBook Airと並べても見た目の相性は良いと感じられました。ベゼルも細く、横に並べて置いて表示させるときもシームレスに繋がった印象で、全体的な画面の広さを強く感じました。
ディスプレイの前面にLGのロゴがないのもシンプルさを後押しするポイントです。
2. 持ち運び前提の軽さ
モバイルディスプレイはその名の通り持ち運ぶことが前提なので、薄型・軽量を求めたいところ。16型のノートパソコンの重量は2kgを超える機種も多いのに対して、本機は16型で約670g。スタンドにもなる折りたたみ式の本体カバーを含めても約920gと、日々の持ち歩きにも苦にならない重量です。もちろん、ノートパソコンにはさまざまなパーツが搭載されているので、一概に比べることはできません。ですが、それでも1kg以下でディスプレイを持ち運べるのは魅力です。
本体サイズはスタンドナシの状態で、約幅360×奥行き246×高さ8mm。筆者が普段使っている、パソコンを保護するスリーブ付きのビジネスリュックにもコンパクトに収まり、別途でケースなどを用意して持ち運ぶ必要がないのは便利だと感じました。
軽量化とトレードオフのためか、スピーカーは非搭載ですが、必要な際にはパソコン本体から音声が出力できれば問題ないので、まったく気になりません。
3. 新たにパススルー給電に対応
旧モデルである16MQ70までは非対応だったUSB PD規格のパススルー給電が、本モデルから搭載されました。これによりパソコン本体のUSBコネクターが少ない場合でも、1本の接続で給電・映像出力ができるようになります。
普段使っているMacBook Air(M1、2020年モデル)はUSB Type-Cコネクターが2基しかないので、ケーブルの接続数が少なく済むのはうれしいところ。おかげでスマホを充電しながらパソコンへの給電・ディスプレイへの映像出力ができるようになりました。
4. 映り込みの少ないアンチグレアディスプレイ
カフェやコワーキングで作業する際など、背後に窓があってパソコンのディスプレイが見えづらい経験をした……という人も多いのではないでしょうか。そうした環境でも作業しやすい、照明の反射光や、背景の写り込みが少ないアンチグレアディスプレイを採用しているのも本機の特徴です。また画面に映り込みが出やすいグレアディスプレイと比べて、長時間見続けていても、目の疲れを感じにくい点もうれしいポイント。
色再現度はDCI-P3を99%カバー。私は主にOffice作業やメッセージのやりとりで使っているので、画質などはあまり気になりませんでした。ただ、アンチグレアなので写真や映像のカラーグレーディングなどで使う際は物足りないかもしれません。
外出先でも快適な作業環境を実現
デザイン、軽さ、給電、映り込みの少なさが推しのLG gram +viewを使うことで、外出先や出張先でも自宅と変わらない作業環境が実現できるようになりました。
これまではiPad miniをsidecar接続してサブディスプレイとして使うこともありましたが、有線・無線接続を問わず接続が不安定だと感じられることが多く、結局はパソコンのディスプレイ一面で作業することが多々ありました。打ち合わせ中にsidecarが突然固まったり、接続解除されて資料の投影にあたふたしたりすることもしばしば……。
当然といえば当然ですが、USB Type-C経由で映像出力するLG gram +viewを使っている間は、接続不調が起こることもなく、安定して2面のディスプレイで仕事ができます。それだけで外出先での作業のハードルがぐっと下がったように感じられました。「今日は気分を変えて、コワーキングスペースで仕事をしようかな〜」と外出して作業する日が増えたような気がします。
フルリモートで仕事していると、クライアントとの連絡にチャットアプリを使う頻度も高まります。しかもそれがお客さんごとに異なるアプリでの連絡となると、どこに通知がきたのかわからない&画面の遷移が面倒……なんてことも。16型のLG gram +viewでは左右に画面を分割して表示させても十分な広さなので、作業はパソコンのディスプレイで、サブディスプレイにはチャットアプリを常時表示させておく、なんて使い方も便利です。
また、これまで縦型のディスプレイは使ったことがありませんでしたが、せっかくだからと試してみたところ、これがとても使いやすい。Wordなど縦に長く表示されやすいファイルは縦型ディスプレイと相性が良く、表示範囲が広いことで前後の文章のつながりや全体の構成をざっと把握するのにも便利だと感じました。ちなみにこの原稿も、LG gram +viewを使って執筆しています。
縦置き時に接続が格好悪いのとスタンドの角度調整は気になる
毎日使い倒したいレベルでお気に入りの本機ですが、使っていく中で2点気になるところがありました。
本体のシンプルなデザインとトレードオフな部分にはなりますが、ディスプレイを縦置きする際には接続端子が本体上部にしかなく、ケーブルが飛び出るような見た目になってしまいます。
付属のケーブルは最初少し硬かったのもあり、テーブルの上のものを動かした際などケーブルに触れた際には連鎖してディスプレイが倒れそうになってしまうシーンもありました。縦置きした際の側面(横置きした際の上面)にも接続端子があると、見た目はスッキリし、倒してしまう心配もなく、より安心して使用できると感じられました。
もうひとつは、基本的に本体カバーがスタンドの役目を果たすのですが、横置きの際、画面の角度調整は105度と120度の2パターンのみと、柔軟な角度調整には対応していません。それぞれ15度の開きがありますが、個人的には両方とも角度がつきすぎているように感じられ、もう少し倒して使いたいと感じるポイントでした。サードパーティ製のスタンドを使えば解決はしますが、せっかくなので本体スタンドのみで自由に角度調整できるようになってほしいところです。
一度使ったら手放せない、快適なモバイル作業環境
普段自宅では16型のMacBook Proと27インチディスプレイの2枚を並べて作業しているのもあり、外出先で11型のMacBook Airだけで作業するとなると、どうしても気乗りのしなかった筆者。今回LG gram +viewというモバイルディスプレイに出会ったおかげで、どこでも2面ディスプレイの作業環境を構築できるようになり、作業効率が大幅に向上しました。
もちろん自宅での利用にもぴったりで、使わないときは簡単に収納できるディスプレイとして使うのも大アリです。モバイルディスプレイが気になっている、という方には自信を持っておすすめできる一台、ぜひチェックしてみてくださいね。
【フォトギャラリー】画像をタップすると閲覧できます。