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2023/7/4 11:00

年表で振り返るダイソンの軌跡! 日本初上陸の1986年から今までをプレイバック

1998年にダイソンが日本法人を設立して今年で25年を迎える。ここでは、時代を彩った数々の名品・ヒット商品を紹介しつつ、その輝かしい軌跡を改めて振り返る!

※こちらは「GetNavi」2023年8月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

ジェームズ氏開発の画期的な掃除機は日本で製造販売した

ダイソン社の日本法人設立は1998年だが、創業者ジェームズ・ダイソン氏と日本の関係はさらに10年以上遡る。彼は1983年にはすでに紙パックが不要なサイクロン掃除機を発明していたが、そのライセンス契約を結ぶ相手が見つからずにいた。そんななか興味を示したのが日本の商社エイペックス。彼らはこの革新的なサイクロン掃除機を称賛し、シルバー精工が製造を担当、1986年「G-Force」と名付けられ日本で発売されたのだ。ここで得たライセンス料が、のちのダイソン設立の元手になった。

 

その後もダイソンと日本は格別な関係を持ち続ける。2004年発売のキャニスター型「DC12」は日本の住宅環境に配慮しコンパクト収納を実現した日本専用モデル。2009年発売の「DC26」も同社史上最小・最軽量モデルとしてヒットし、日本マーケットでの人気を決定づける契機となった。

また、ダイソンは同社の戦略上重要な製品をまず日本で発表することも多い。例えばダイソン初のロボット掃除機「Dyson 360 Eye」や、同社初の美容カテゴリ製品「Dyson Supersonic」を初披露したのは日本だった。さらに直営店「Dyson Demo」も、その世界1号店を2015年に東京・表参道にオープンしている。

 

ジェームズ氏をはじめダイソンの多くのキーマンは「日本の消費者はテクノロジーに敏感だ」と語る。ときに手厳しい日本のユーザーの要望はダイソンにとっても刺激的なようだ。今後もダイソンが画期的な製品やテクノロジーを発表し、日本のユーザーがそれを熱狂を持って迎え入れる、両者の”蜜月関係”は長く続くはずだ。

 

年表で振り返る、僕らのダイソンの“今まで”

【1986年】G-Force

↑ジェームズ氏による世界初のサイクロン掃除機。当時25万円で発売されたが、たちまち人気製品に。1991年には国際デザインフェアで賞を受賞した

 

【1998年】ダイソン株式会社設立

日本オフィスを東京・半蔵門に構え、販売業務をスタート。これを機に、日本の住環境に適した製品開発も始まった。

 

【2004年】Dyson DC12

↑ホースを巻きつけてコンパクト収納を実現した日本専用モデル。初搭載の「ダイソンデジタルモーター」は同社掃除機の基幹技術に

 

【2007年】Dysonリミテッドエディション DC16

↑同社初のハンディ掃除機「DC16」とイッセイ ミヤケのコラボモデル。三宅一生氏と親交が深いジェームズ氏は2007年のコレクションの舞台デザインを担当した

 

【2009年】Dyson DC26

↑ 日本の住環境を考慮して開発。高い吸引性能・サイクロン性能を維持しつつ同社キャニスター史上最小・最軽量(当時)を実現した

 

【2011年】Dyson Digital Slim DC35マルチフロア

↑ハンディながらアルミパイプやモーターヘッドを付属し床掃除に対応。コードレス掃除機カテゴリ誕生の端緒となった

 

【2014年】Dyson Airblade Tapハンドドライヤー

↑独自のAirbladeテクノロジーにより、手洗いと乾燥をシンク内で完結。シート状の高速風が吹き出し手を乾かす。空港など多くの施設で採用

 

【2014年】Dyson 360 Eye ロボット掃除機

↑サイクロン機構と独自の360°ビジョンシステム搭載の市販第1号モデル。当時360度カメラで部屋全体を視認する技術は画期的だった

 

【2015年】Dyson Pure Cool 空気清浄ファン

↑独自の“羽根のない扇風機”に、PM0.1レベルの微粒子も99.95%捕集する空気清浄機能を搭載。夏にきれいな空気で涼めると人気に

 

【2016年】Dyson Supersonicヘアドライヤー

↑約4年の毛髪科学研究と約600個の試作を経て完成。モーターの技術と緻密な温度制御で大風量かつ髪ダメージのないヘアドライを実現した

 

【2023年】Dyson Micro Plusコードレスクリーナー

↑床上の微粒子レベルの ゴミを照らし出すLED ライトを搭載。0.1μmの 微粒子も99.99%除去 するHEPAフィルター 搭載モデルも直販限定 で発売中だ

 

なぜ、ダイソンは革新的テクノロジーを次々に生み出せるのか

ダイソンはイギリス、シンガポールなど世界10か所にエンジニア・リサーチ拠点を有し、従業員の3分の1以上がエンジニアや科学者。テクノロジー研究開発への投資額27億5000万ポンドも破格だ。後進育成にも積極的で、2017年に大学を開校。授業料無料で、会社で働きながら学べ、給与も全額支給される。各種教育機関への寄付も行っている。

↑2019年にシンガポールに本社機能を移転。英国統治時代の1920年代に建てられたセントジェームズ発電所を、本社兼研究開発施設に改装した

 

↑ジェームズ ダイソン財団は英国ケンブリッジ大学に約800万ポンドを寄付。エンジニアリング施設での研究・プロトタイプ製作などに役立てられた

 

↑次世代のデザインエンジニアリングを支援するジェームズ ダイソン アワードを2005年から毎年開催。これまで100万ポンド以上の賞金が授与された