現在〝口喧嘩最強ギャル〟の異名で、バラエティ界を席巻しているギャルモデル・みりちゃむ。彼女は、ギャルのバイブル的雑誌「egg」の専属モデルとして活躍する一方、人気プロデューサー・佐久間宣行氏のYouTube番組『NOBROCK TV』の「口喧嘩最強女子オーディション」に出演したことをきっかけに大ブレイク。強気ながらもセンスが光るコメントとギャル界一の論破力を武器に、活動の幅を広げている。今回は、彼女のルーツから仕事へのスタンスに至るまで深掘りインタビュー。”口喧嘩最強ギャル”の素顔は……?
(構成・撮影:丸山剛史/執筆:kitsune)
0歳から口が達者!? 両親の影響で自分もギャルの道へ
「ギャルになるのが環境的に普通だと思っていたんです」
——まずは、みりちゃむさんが、ギャルになったきっかけを教えてください。
みりちゃむ 実は、これといったきっかけは特になくて、気づいたら「可愛い!」と思っているものが、ギャルだったという感じなんです。メイクを始めた段階で、つけまとカラコンをつけるのは普通だよねって。
——それは、お友達やご家族など誰かの影響があったんでしょうか?
みりちゃむ 父親がもともとアパレルをやっていたり、母親も昔はギャルだったので、自然と染みついていたんだと思います。母は、今のガングロギャルより全然黒いくらいの黒ギャルだったので。それに、母の友達もみんなギャルだったので、環境的にもそれが普通だと思っていたんです。
——お母さんからメイクを教わったとか?
みりちゃむ いえ、基本的に自力でやっていましたね。教えてもらうことはなくて。その代わりメイクがはみ出していたりすると「それ汚くね?」とか強めに指摘されたりしてましたよ(笑)。家族はみんな仲良いんですが、特に母親とは友達のような関係なこともあって、そんな感じで。
——そうなんですね。親子喧嘩とかはありました?
みりちゃむ しょっちゅうでしたよ。でも、両親ともにヤンチャだったこともあって、喧嘩しても自分より断然強くて、いつも私が負かされてましたね~。負けじと言い返したり、反抗はするんですけど、結局勝てなくて。
——現在、みりちゃむさんは”喧嘩最強ギャル”として注目を浴びていますが、それは親子喧嘩で鍛えられた面も?
みりちゃむ それはあると思います。よく言い合いをしていましたから、自然と鍛えられていたのかも。そもそもなんですが、子どもの頃からペラペラとよく喋る子だったらしいんですよね。母親曰く生後7か月で喋り出して、8か月で歩き出したとか(笑)。
——早い……! そのころから口が達者だったというか……素質があったのかもしれませんね。
みりちゃむ 自覚は全然なかったんですけどね。親には「しゃべれるんだから、タレントとかそっちの方向目指せばいいのに」と言われていたんですが、自分はモデルの仕事がやりたいだけで、テレビやタレント業には全く興味がなかったんですよ。
——今では、地上波バラエティをはじめ、各所でひっぱりだこです。
みりちゃむ 成り行きでやってみるかと思ったら、いつのまにか…。いろんなところに出演させて頂いて、ありがたいですね。
『口喧嘩最強女子オーディション』でいきなりブレイク!
「佐久間さんのことは、普通のおじさんだと思っていて(笑)」
——みりちゃむさんは、プロデューサー・佐久間宣行さんのYouTubeチャンネル『NOBROCK (ノブロック)TV』の企画「口喧嘩最強女子オーディション」に出演したことが話題を呼んで、その後もさまざまな企画で活躍されています。初めに出演された時の経緯を教えてください。
みりちゃむ 2021年に配信された「口喧嘩最強女子オーディション」が初出演だったのですが、聞いた話だと、印象が悪くなっちゃうんじゃないかって理由で、オファーを受けてくれる女の子が全然いなかったらしいんですよ。でも当時のマネージャーが、佐久間さんの企画だし、賭けで行ってみようってなったんです。
——実験的企画ってことで始まったんですよね。みりちゃむさんは、佐久間さんのことはご存じでしたか?
みりちゃむ いえ、全く。知らない普通のおじさんだと思って会いました(笑)。
——あははは、 誰のYouTubeか分からないけど出てみた、という。
みりちゃむ 貰える仕事は貰っておこうと思って。後々になって「あの人は、すごい人だったんだ」って知りました。
——「口喧嘩オーディション」では、佐久間さんに臆することなくガンガン挑んでいた印象でした。
みりちゃむ 全然知らない人だし、別にこれで嫌われても良いかなって思っていたので…。
——何を言われても、言い返すのが早くて驚きました。あれは自然に言葉が出てくる感じですか?
みりちゃむ 特に意識せずにやってるというか。普段から思っていることを口にするタイプなので、反射的に発言していただけです。そのせいでよく友達からも「口悪い」と言われるんですけど(笑)。
——素の感じということですかね。
みりちゃむ はい。自分でもそんなに演技したり、作り込んではいないですね。例えばですが、実際の面接で、もしイラッとしたことがあっても、絶対に顔に出さないようにするじゃないですか。それを逆に取っ払う感じです。他のシチュエーションの企画でも、仕事をしている意識を外してやっています。
——リミッターを外すというか。
みりちゃむ そうです。本当に思っていることを出すか出さないかの違いですね。
——なるほど。その歯に衣着せぬトークが、佐久間さんからも評価されていらっしゃる部分かと思います。
みりちゃむ 佐久間さんは、本当に人の活かし方を見極めるのが上手い方だなと思いますね。タレントさんそれぞれを、こうやって使ったら面白いだろうな、と見抜く力というか。こうやっていろいろ出させてもらえて、ほんと頭上がらないっすね(笑)。
M-1王者、錦鯉・渡辺ほか、お笑い芸人を罵倒しまくり!
「芸人さんを全然知らなくて、マジ誰?状態でした」
——みりちゃむさんは、『佐久間宣行のNOBROCK TV』をはじめ、芸人さんとの共演が多いですよね。
みりちゃむ 私、昔からあまりテレビを見ないタイプだったのもあって、芸人さんを全然知らないんですよねえ。そもそもお笑いを見て、どこで笑えばいいか未だに分からない(笑)。ただ、知らないからこそ何でも言えちゃうのかなと思います。
—— 一番共演が多いのは、錦鯉の渡辺隆さんでしょうか。
みりちゃむ そうですね。最初に共演したのが『佐久間宣行のNOBROCK TV』の「罵倒大喜利」の企画でしたが、あれは錦鯉さんがM-1で優勝した次の日に配信されたんですよ。それでいろんな方に見てもらえたんですけど、撮影した時には「このおじさんマジ誰?」状態で(笑)。タイミングってすごいですよね。
——渡辺さんとの「罵倒キャバクラ」はチャンネル内でも大人気のシリーズですよね。渡辺さんのことを「豚油」と呼んだりして(笑)、ワードセンスが最高です。
みりちゃむ あははは。気づいたら言ってました! あの企画は、毎回シチュエーションは違うのですが、罵倒し続けるのは変わらないので、言うことが被らないように言葉のチョイスに気をつけなくちゃいけないんですよ。そこがムズいときもあって。
——佐久間さんからの指示はありますか?
みりちゃむ ちょこちょこカンペが出るくらいですかね。わりと自由な感じでやっています。
——ちなみに、渡辺さんはみりちゃむさんとの企画が仕事の最優先だと仰っているくらい楽しみにしているようですが、実際のところ仲は良いですか?
みりちゃむ なんかお父さんみたいな感じですよね~。あの雰囲気なので、優しいパパと絡んでる感じで、仲良くしています。でも、最近うちの母親が、テレビに渡辺さんが出ていると「友達出てるよ~」とか報告してくるので「友達ではない! 違う!」と、それは否定しています。
——(笑)。ほかに、仲の良い芸人さんはいますか?
みりちゃむ よく話すのは、シソンヌの長谷川(忍)さんとかザ・マミィ酒井(貴士)さんですかね。長谷川さんはいつも気さくに話しかけてくれますね。年が離れていますけど、友達みたいな感覚で。酒井さんは、この前、現場入りして早々「また彼女に浮気されたんです~…」とか言ってきました。
——あははは。ぜひそれは聞きたいお話ですが。
みりちゃむ ウケますよね~。今、どのバラエティ番組の現場でも、1人は芸人さんが出演されていると思うんですが、やっぱり頭の回転が早いし、間近で見てるとすごいなーと感じますよ。お笑いに関しては全然詳しくなかったですけど、自分が出演するようになって、すごい助けられてるなって思います。
一番会いたい芸能人は……?
「デヴィ夫人。ギャルマインドを持っているんですよ!」
——今まで出演した中で「キツかったな~」という番組はありましたか?
みりちゃむ 『ロンハー』の「女性芸能人スポーツテスト」が、一番プレッシャーを感じたかもしれないです。テレビに出始めのころだったし、ギャルの先輩のみちょぱ(池田美優)さんや(藤田)ニコルさんもいて、超緊張しました…。
——なるほど。トークだけでなく身体を張る企画ですもんね。
みりちゃむ なんで私がキャスティングされたんだ?って思ったくらいでしたよ。あれが唯一プレッシャーを感じた番組ってくらいでした。
——MCの田村淳さんとは絡みましたか?
みりちゃむ その時にはじめましてで、全く関係性も築けてない状態だったので、あまり絡めませんでしたね。ですが、今年からTOKYO MXの『田村淳の訊きたい放題!』で共演させてもらっていて、良くして頂いてます。
——淳さんからアドバイスなどはありましたか?
みりちゃむ 本番前に「俺に気を遣わなくていいから。ガンガン言っていいからね」と声をかけてくれましたね。その一言だけで、全然気持ちが違いましたし、安心感がありました。
——素敵ですね。ちなみに、まだ共演していないけど、会ってみたい芸能人の方はいますか?
みりちゃむ デヴィ夫人に会いたいですね。リスペクトしているんですよ。80歳の誕生日に「私の敵が全て死ぬまで生きます」と宣言していて(笑)。めちゃくちゃ面白いし、生き方がかっこいいですよね。大好きなんです。
——マインドを尊敬されているんですね。
みりちゃむ もう、あれはギャルですよ! デヴィ夫人はギャルです(笑)。同じマインドを持っている気がします。
——!(笑) たしかに共通する部分がありそうですね。ぜひいつか共演して欲しいです。
頑張りすぎないスタンスが大事
「95パーくらいの力で、自分にできることをやる」
——みりちゃむさんの今後のお仕事の目標や、ビジョンがあったら教えてください。
みりちゃむ まず私は、何事も自分ができる範囲で頑張ろうというスタンスでやっているんです。頂いた仕事は、もちろん精一杯やりますが、120パーを出そうとは思っていないというか。95パーぐらいの力で、完璧以上にはしない方針です。
——頑張りすぎても良くないというか。
みりちゃむ はい。手を抜くわけではないですが、気合いを入れてやりすぎても、息が詰まるし、結局空回りしてしまうことも多い。なので、自分の気持ち的にもゆるくやっていたほうが、落ち込むことも少ないだろうし、次に繋がる気がするんですよね。
——大切なことだと思います。
みりちゃむ 自分に期待しすぎず、肩の力を抜いて、やれることをやろうと思っています。なので、仕事はもちろん続けていくつもりですが、その姿勢でやっていこうと。
——具体的に何かやりたいことはありますか?
みりちゃむ そこまで、これをやりたい!というものはないんですが、テレビの仕事でいうとロケにあまり行ったことがないので、挑戦したいですね。段取りはあるけど、自由な部分も多い環境で進行していくのは、楽しそうだなと。ちなみに絶叫系は大丈夫なのですが、ホラー系はNGで。オファー待ってます(笑)。
——楽しみにしています。お仕事でいうと、女優業などはいかがですか?
みりちゃむ 演技にも興味があります。が、女優になりたい!というわけではなくて。まあ、何事も細かい目標を立ててしまうと、そこだけに突っ走って行ってしまう気がするんです。それは視野が狭くなってしまうなって思ったりもして。なので、これだとは決めずに「これいいじゃん」ってものを試していけばいいかなと。
——試していくうちに、見つけたいということですね。
みりちゃむ はい。結局、将来的には”普通”がいいなと思うんです。だけど、その普通が一番難しい。みんなが言う普通って、結婚して家族がいて、仕事でも成功して……って、かなり幸せで良い状態のことじゃないですか。
——普通といえど、努力が必要なことですよね。
みりちゃむ それが一番大変なことだと思うんですよ。なので、特別なことはなくてもいいので、ある程度の幸せを目指せればいいなって。なんなら、夫婦は稼げるほうが稼げばいいと思っているので、私が大黒柱でも。
——か、かっこいいです!
みりちゃむ でも付き合っているうちからヒモ男だったら、マジでムカつくんでNGですが!
——!(笑) 本日はありがとうございました。これからも応援しています。