近年、欧米は熱波に襲われています。そんな中、英国メディアが日本の発明に注目。それは「ファンジャケット」です。
英・ガーディアン紙は7月25日付の記事で日本の暑さ対策についてテクノロジーを中心に説明。ファン(扇風機)ジャケットについて同紙の東京特派員は「今年の夏、日本でぜひとも必要なジャケットは、後ろ側の下部に扇風機を2台取り付けているものだ」と述べています。
日本がファンジャケットを必要とするのは今に始まったことではありません。同記事ではジャケットの歴史を元ソニーのエンジニア・市ヶ谷弘司さんが1990年代後半に発明した「空調服」まで遡っています。2015年にはマキタが同社初のファンジャケットを発売。今日ではファンジャケットが十分なほど市場に出回っているといい、日本が開発したもう一つの暑さ対策イノベーションとして、ガーディアン紙はソニーのウェアラブルクーラー「REON POCKET」を取り上げています。
この記事に対する外国人の反応はさまざま。Twitterでは「素晴らしい」「この暑さが続けば、自分にも(ファンジャケットが)必要になるかもしれない」というコメントもあれば、「#Brave New World」とディストピア(?)のように捉える人もいます。一方で「ばかげている」という声もあり、より多くのバッテリーが使われ、ファン自体が熱を生み出すうえ、重い物を余計に持ち歩くようなものだと見えるようです。
しかし、扇風機やクーラーをここまで小さくする日本の技術や発想(例えば、空調服のコンセプトは空間全体ではなく身体だけを冷やすこと)は、海外ではあまり見られないでしょう。異常気象に直面する欧米においてエアコンの需要が伸びている中、日本の小さな技術への注目度も高まるかもしれません。
【出典】
The Guardian. The fan jacket: the Japanese innovation keeping workers cool in extreme heat. July 25 2023