冷蔵庫の大型化が進み、600L、700Lクラスの大容量モデルが続々登場している昨今ですが、シャープから来年1月19日、中小型冷蔵庫の新モデルが登場します。特徴はズバリ、選びたくなるデザイン性。でもなぜ今、あえての中小型冷蔵庫なのでしょうか。事前説明会に参加し、その理由を探ってきました!
需要の半数は中小型なのに、選択肢がほとんどない
シャープによると、現在、家電量販店の冷蔵庫売り場の多くの面積を占めているのが400L以上の大型冷蔵庫である一方、中小型冷蔵庫はほとんど種類がありません。実際、2015年度の冷蔵庫の機種・色数は、351L~550Lが68台なのに対し、350L以下はたったの18台! にもかかわらず、現実的な需要の約半数が350L以下だといいますから、いかに需要台数に対するラインナップが少ないかがわかります。
そこで今回シャープが提案するのが、「単に食材を保管するモノ」ではなく、「家具のように部屋にマッチするカタチ」、つまりデザインにもこだわった中小型冷蔵庫、というわけなのです。
シンプルでスクエア――空間の質を高める容量137Lの「SJ-GD14C」
今回発表されたのは、容量137Lの「SJ-GD14C」と、容量350Lの「SJ-GW35C」。それぞれの特徴を見ていきましょう。まず小型となる「SJ-GD14C」は冷蔵室、冷凍室の2ドアタイプで、カラーはインテリアに合わせて選べるクリアホワイト、メタリックベージュ、ピュアブラックの3色を展開しています。
デザインを担当した同社デザインスタジオのデザイナー、一色 純氏によると、小型冷蔵庫は広くない空間に置かれることが多いぶん、インテリアに与える影響力も大きいと言います。そんな一色氏をはじめとしたデザイナー陣が目指したのは、「インテリアに溶け込むシンプルでスクエアな、空間の質を高める家具のような」冷蔵庫。「要素を徹底的にそぎ落とし、ミニマルデザインを目指した」とのこと。
ドアに採用したのは、大型の高級モデルに使われることが多いガラス素材。スクエアにこだわり、見えやすい天面はフラットにし、ドアの上端も薄くすることで、境目を見えにくくしています。さらに追求したのが、下段の引き出し式冷凍庫のハンドルの形状です。シルバーのハンドルが美しい水平ラインを描くデザイン性にこだわりながら、しっかり開けられる点を追求し、試行錯誤を重ねたといいます。
またユニークなのが、扉の開き方が左と右で変えられる「つけかえどっちもドア」。冷蔵庫のドアは、開く方向が決まっていると、転居や模様替えで冷蔵庫の設置場所が変わったり、動線を変えると使いにくくなることもありますが、このドアは簡単に扉の開く方向が変えられます。その他、シャープならではのプラズマクラスター技術も搭載し、庫内に浮遊する菌を分解・除菌するなど、清潔性にも配慮されています。
野菜や冷凍食品の鮮度を守る機能が充実した3ドアタイプの「SJ-GW35C」
一方の容量350Lの中型冷蔵庫「SJ-GW35C」は、冷蔵室、冷凍室、野菜室の3ドアタイプで、カラーはピュアホワイトとメタリックブラウンの2色を用意。ドアには、どちらからでも開ける「どっちもドア」を採用しています。
想定しているターゲットは、子離れしたシニアや新婚世帯などの少人数世帯。容量は少なめでいいけれど、機能にはこだわりたいという世帯のニーズに応えるべく開発されました。
具体的には、ガラスドアを採用したスタイリッシュなデザイン性のほか、高性能コンプレッサーとワイドリニアインバーターによる制御と「節電25」モードにより、省エネ性もアップ。さらに、庫内を清潔に保つプラズマクラスター、野菜に直接冷気を当てず乾燥を抑える「シャキット野菜室」、霜つきを抑えて鮮度を守る「新鮮冷凍」などが搭載されています。
アクアからも中小型冷蔵庫が発表され注目のカテゴリ
本機は、中型でありながら付加機能も充実していますので、大型からの買い替えで「機能はあまり落としたくない」という人も満足できそうですね。先日も、アクアが上質感にこだわったデザインの中小型冷蔵庫を発表したばかり。今までは、ただ冷やすためだけに買っていた中小型冷蔵庫も、機能とデザインで選べる時代になりそうです。
【SPEC】
SJ-GD14C(容量137L)●市場想定価格:6万5000円前後(税別)●サイズ/質量:W480×D600×H1125㎜/36kg●年間消費電力量:315kWh/年
SJ-GW35C(容量350L)●市場想定価格:16万円前後(税別)●サイズ/質量:W600×D660×H1690㎜/70kg●年間消費電力量:335kWh/年