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2023/8/18 20:45

「岸くんが返してくるセリフは一級品!」“Gメン”竜星涼インタビュー。待望の二枚目キャラでアドリブ炸裂!?

『ナンバMG5』で知られる小沢としお氏の同名コミックを映画化した『Gメン』が、8月25日(金)に公開。問題児だらけのクラスに転入した男子高校生・門松勝太を、岸優太さんが熱演するなか、勝太の恋愛の先生・瀬名拓美を演じるのが竜星涼さんだ。

竜星涼●りゅうせい・りょう…1993年3月24日生まれ、東京都出身。2010年にドラマ『素直になれなくて』(フジテレビ)で俳優デビュー。最近の出演作に映画『弱虫ペダル』(2020)、ドラマ『家、ついて行ってイイですか?』(2021・テレビ東京)、『スタンドUPスタート』(2023・フジテレビ)など。現在送中のドラマ日曜劇場『VIVANT』(TBS)にも出演中。XInstagram

 

犬飼貴丈さんとのW主演映画『ぐらんぶる』の北原伊織役(2020)や、NHK連続テレビ小説『ちむどんどん』(2022)の“ニーニー”こと比嘉賢秀役など、近年三枚目キャラの印象が強い竜星さん。しかし今回は “武華のプリンス”の異名を持つ、二枚目キャラを熱演。キャストみんなが監督を笑わせにかかるという、少し変わった瑠東組の現場について、たっぷりと語った。

 

【竜星涼さん撮り下ろし写真】

 

「岸くんを困らせてほしい」瑠東監督からの無茶ぶり

 

──今年3月で30歳になった竜星さん。20代最後の映画が高校生役ということで、まずはオファーを受けた際の感想を聞かせてください。

 

竜星 この年齢で皆さんに制服姿を見せるということは、なかなか勇気がいることでして……(苦笑)。でも周りを見渡せば、僕よりも年上の先輩方が制服を着ていらっしゃるので、とても励まされました。「あ、俺もいけるわ!」と(笑)。

 

──先輩にあたる田中圭さんや高良健吾さんも制服姿でしたね。竜星さんが演じる瀬名のキャラクターについては、どう思われましたか?

 

竜星 最近は三枚目の役どころが多かったこともあり、二枚目という本来の自分の姿を忘れかけていたのですが(笑)、瑠東東一郎監督が「イケメンの竜星涼が見たい!」と言ってくださったんです。フタを開けたら「これは二枚目なのか? イケメンなのか……?」と思うことがあったりなかったりのキャラクターでしたが(笑)。しっかりカツラを被って二枚目になりました!

 

──瑠東監督といえば、竜星さんが教師役を演じられたドラマ『オトナ高校』(2017・テレビ朝日)や、主演を務められた『スタンドUPスタート』(2023・フジテレビ)などの作品がありますが、現場はどのような雰囲気なのでしょう?

 

竜星 瑠東組は、チームワークの良さやグルーヴ感が特徴的だと思います。キャストみんなが監督を笑わせようとするんです。

 

──モニター前で、瑠東監督が一番笑っているとか。

 

竜星 そうなんです。今回はドラマ『ごめんね青春!』(2014・TBS)からの仲である矢本悠馬がいたこともあり、特に男子校ノリでした。さらに主演の岸(優太)くんが、誰もが想像しないようなことを言ってくる天然キャラなので、現場の笑いが耐えなかったです。瑠東監督から僕への指示は「岸くんをできるだけ困らせてほしい」というものでした。

 

──「岸くんを困らせてほしい」とは、具体的にどういうことでしょうか?

 

竜星 岸くんが演じた勝太は、問題児だらけの1年G組に編入してきたり、僕が演じる瀬名に出会ったり、予想外の状況に困惑する役柄でした。そこで岸くんとの共演シーンでは、僕がアドリブをどんどん出して、彼自身を困らせて、勝太とシンクロするように仕掛けたんです。

 

──なんと。実際に“予想外の状況”を竜星さんが作り出していたのですね。

 

竜星 岸くんがテンパりながら返してくるセリフは一級品でした! あの言葉選びは努力しても出せるものではない、天性の才能だと思いましたね。役者陣から羨ましいと声があがるほどでした。

 

──ちなみに、竜星さんが演じられた瀬名も天然キャラですよね?

 

竜星 はい、だから僕は延々とボケ続けたんです(笑)。それに対して岸くんはツッコまなきゃいけないのですが、段取り・テスト・本番と、僕は全部違うボケをして困らせていました。ちょっと特殊な現場ですよね。信頼し合える、チームワークのいい瑠東組だからこそできることだと思います。

 

個性強めなキャラたちと「とにかく面白いものを」

 

──先ほど“年上の先輩方”も話題に挙がりましたが、八神紅一役の田中圭さんの印象は?

 

竜星 田中さんはドラマ『おっさんずラブ』(2016ほか・テレビ朝日)で瑠東組だったこともあり、役柄の中でのびのびと楽しんで演じられているように見えました。僕自身も貴重な学園モノでしたが、先輩である田中さん含め、年齢問わずみんなでわちゃわちゃできて、単純にうれしかったです。

 

──田中さんはじめ強烈なキャラクターが多く登場しますが、竜星さんのお気に入りは誰でしょう?

 

竜星 りんたろー。さんが演じられた薙竜二ですね。実は最初の台本読みの時、りんたろー。さんが仕事で来られなくて、瑠東監督から「代役を竜星にやってほしい」と頼まれたんです。そこで本気で役作りをして、僕の中で120点の薙を演じました。その場にいた矢本悠馬から「竜星涼史上、一番面白い芝居だった!」と言われましたし、僕も思わず瑠東監督に「僕、二役やれますよ!」と言っちゃいました(笑)。

 

──それはりんたろー。さんもプレッシャーですね。完成した作品を観たときは、どのような感想を抱かれましたか?

 

竜星 この映画は男子高校生の日常だったり恋愛だったり、いろんな要素が入っていますし、「どっちが上、どっちが下」のようなケンカを描いていないので、幅広い層の方に楽しんでもらえる青春映画になったと思います。ただラスト近くで、NGだと思っていたテイクが、がっつり使われているのを見た時は驚きました(笑)。長回しが多く、僕らもカットがどのように使われて、どのように編集されるか知らなかったので。

 

──それはまさかでしたね。竜星さんが特にお好きなシーンはどこでしょう?

 

竜星 高良健吾さん演じる伊達薫が、校舎の屋上から飛ぶシーンですね。ひょっとしてロボットか? と思っちゃいました(笑)。「とにかく面白いものを生み出そう」と、みんなが切磋琢磨している現場で、それを生むための長回しも当たり前で、さらにこんなファンタジーなシーンもあり……たまりませんよね!

 

自分に近いのは“三枚目”。「二枚目は、どこか辛くもありますね」

 

──本作にも通じる竜星さんの三枚目キャラといえば『ちむどんどん』の“ニーニー”が知られていますが、2019年の映画『トイ・ストーリー4』の日本語吹き替えで演じた“フォーキー”も転機になっているのでは?

 

竜星 フォーキーは初めての吹き替えのお仕事でしたが、いまだに僕が声を務めていたことに気づいていない人も多いです。その点、それまでの自分のイメージとかけ離れた役を演じ切ることができたと思っています。

 

──三枚目キャラを演じる苦労は多いのでしょうか?

 

竜星 それが、そうでもなくて。『男はつらいよ』シリーズの“寅さん”のように、僕は三枚目キャラの方が人間として好きですし、自分にも近いです。だから理解しやすいですし、よりのびのびと演じられるのかもしれません。

 

──ということは、二枚目キャラより三枚目キャラのほうが演じやすいと?

 

竜星 そうですね。完璧な二枚目キャラは、演じるうえで想像しなきゃならない部分も大きいので、楽しくもありつつ、どこか辛くもありますね。

 

──三枚目キャラにみられる“人を楽しませたい“という気持ちが、竜星さんからはひしひしと伝わってきます。最後にGetNavi webということで、現場に必ず持って行くモノを教えてください。

 

竜星 お守代わりに、必ずフリスクを持って行きます。仕事や撮影が始まる前、口に入れてスッキリすることで、気持ちがオンになるんです。一度に3粒と決めていますが、回数がハンパないので、絶対に食べ過ぎだと思っています(笑)。

 

映画『Gメン』

8月25日(金)より全国公開

 

【映画『Gメン』よりシーン写真】

 

(STAFF&CAST)
監督:瑠東東一郎
脚本:加藤正人、丸尾丸一郎
原作:小沢としお『Gメン』(秋田書店「少年チャンピオン・コミックス」刊)
出演:岸優太、竜星涼、恒松祐里、矢本悠馬、森本慎太郎、りんたろー。/吉岡里帆、高良健吾・尾上松也、田中圭
主題歌:「ランラン」ザ・クロマニヨンズ(HAPPYSONG RECORDS/Sony Music Labels Inc.)
公式サイト:https://g-men-movie.com/

 

(STORY)
“彼女できる率 120%”はカタいという名門・私立武華男子高校に転校してきた、高校1年生の勝太(岸優太)。しかし勝太のクラスは、校舎が隔離された問題児集団1年G組だった。学年トップクラスA組のエリートで校内イチのイケメン・瀬名(竜星涼)との出会い、レディース集団のレイナ(恒松祐里)とのロマンス(?)、いろいろな意味で勝太に迫る2年の伊達(高良健吾)、何かと訳知り顔で見守る3年の八神(田中圭)――“モテたい”だけが目的だった勝太だが、空回りしながらも仲間たちと楽しい日々を過ごしていく。しかしそんな勝太たちに、伝説のグループ=G メンが死闘の末に潰したはずの凶悪組織=天王会の魔の手が忍び寄っていた――。

 

(C)2023「Gメン」製作委員会 (C)小沢としお(秋田書店)2015

 

撮影/関根和弘 取材・文/くれい響 ヘアメイク:TAKAI スタイリスト:山本隆司(style3)