1個400〜500円とカプセルトイとしては高価格帯ながら、大人を中心に絶大な人気を誇るメーカー・ケンエレファント。大人が思わずコレクションしたくなる商品作りのカギは何か。同社ならではのこだわりをプレス担当の森江さん教えてもらった。
※こちらは「GetNavi」 2023年9月号に掲載された記事を再編集したものです
2000年創業。東京・神田猿楽町に本社を構える。飲料のおまけやご当地フィギュアなどの企画・販売を経て、2017年よりカプセルトイの製造・販売に本格参入。リアルミニチュアのほか、絵本のキャラクターやアーティスト作品をフィギュア化した商品も多数展開。
元のプロダクトが持つ世界観をリアルに再現!
近年のカプセルトイは、緻密な造形のフィギュアや、ギミックを搭載した豪華な仕様など、大人をターゲットにしたハイクオリティな商品が増えている。なかでも、公式ライセンスを取得した大人向けのリアルミニチュアを多数展開し、根強い支持を集めているのがケンエレファントだ。同社がリアルミニチュアに注力し始めたきっかけとは何だったのだろうか。
「会社の創業は2000年なのですが、当初はフィギュアメーカーの海洋堂さんによる造形で、ペットボトル飲料のおまけを作っていました。リアルミニチュア路線に転換したのはいまから約10年前。JR東日本リテールネット(現・JR東日本クロスステーション)さんとの共同開発で、『Lucky Drop(ラッキードロップ)』というご当地カプセルトイシリーズを作ったんです。カプセルの中に各地の名産品のフィギュアを入れ、空港や駅で販売したところ、お土産として大変好評でした。これが『カプセルトイでもっと色々な展開ができるのでは?』と考えるきっかけとなり、2017年にカプセルトイに本格参入します。リアルな造形へのこだわりは、海洋堂さんから学ばせていただいた部分が大きいです」
現在では、企業とコラボしたリアルミニチュアのカプセルトイが同社の主力商品となっている。
「当社のカプセルトイはすべて正式なライセンスを取得しているので、元となるプロダクトの魅力や世界観が伝わるようなフィギュアを目指して制作しています。また、大人がコレクションを楽しめるように細部まで徹底的に作り込んでいるので、そこはぜひ注目してほしいですね。例えば、7月下旬に第2弾が発売される『楽屋弁当』は、割り箸やおしぼりなども付属し、1個買うだけで卓上の雰囲気を演出できます。パーツが増えるほどフィギュアの成形に使う金型の数も増えるので、コストは高くなってしまうのですが……(笑)。ほかにも、お弁当の帯や箸袋の文字まで読めるようにするなど、まるで実物をそのまま縮小したかのような再現にこだわっています。私たちは『世界中のモノをリアルミニチュアにしたい』という想いで企画を考えていて、商品化するのは誰かの日常にあるモノや、誰かにとって懐かしいモノばかり。フィギュアを通して元の商品に思いを馳せたり、会話が弾んだりする機会が生まれるとうれしいです」
最近は、企画・製造に加え、直営店にも力を入れているという。
「近年カプセルトイ専門店が続々と増えていますが、当社も『ケンエレスタンド』というショップを駅ナカに展開しています。2020年7月にJR秋葉原駅とJR新橋駅にオープン。その後、JR上野駅、JR東京駅にある商業施設・グランスタ八重北にもオープンしました。気軽に立ち寄れる駅ナカなので、ライトなファン層にも商品を知ってもらうきっかけになっていると思います。また、直営店を持つことでお客さまの生の声が届きやすくなり、企画の参考になりますし純粋にうれしさもあります。7月20日にはJR上野駅の店舗がリニューアルオープンしたので、ぜひ遊びに来てください!」
【新作をCHECK!】
おしゃべり! ビッグクラッピー
500円
全4種 7月下旬発売
拍手ロボット「ビッグクラッピー」の特徴を再現し、音声が流れる仕掛けを搭載。挨拶や応援メッセージを話したり、メロディに合わせて歌ったりする。高さ約12.5㎝の組み立て式。
楽屋弁当 ミニチュアコレクション 第二弾
500円
全4種 7月下旬発売
芸能人の楽屋弁当として紹介されることも多い「利久」「津多屋」「金兵衛」「ポパイ」のお弁当を再現。パッケージから箸、おしぼりまで本物のような精巧さだ。ラッキーアイテムとしてお茶もランダムで付属。
昭和ノスタルジックシリーズ
おかあさんの想い出
500円
全4種 7月下旬発売
昭和雑貨コレクター/人形・マスコット作家の宇山あゆみ氏がプロデュースする人気シリーズ最新作。乳母車や買い物かごなど、昭和時代のおかあさんの愛用品を忠実に表現している。
●価格は販売形態により異なります。カプセルトイ版:1個500円、ブラインドBOX版:1個550円
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カプセルトイ愛好家に聞いた記憶に残るケンエレの名品
これまで約200点以上の商品を展開してきたケンエレファント。数多くのカプセルトイに触れてきた2人に、個人的なヒットアイテムを教えてもらった。
*店舗での取扱いは終了している場合があります
一般社団法人 日本ガチャガチャ協会
代表理事・小野尾勝彦さん
大手玩具メーカーを経て独立し、2019年に協会を設立。歴史探求や講演、コンサルティングなど幅広く活動中。
「『PEZ〜』はブリスターパック入りで、ディスペンサーも付属のキャンディもリアルを追求した質感が素晴らしい! 企業のブランド価値や歴史までをも再現し、大人でも納得できるクオリティの高さが、ケンエレ商品の魅力です」
PEZ ボールチェーンマスコット
500円 全8種
ガチャガチャ評論家
おまつさん
カプセルトイの魅力について、テレビやラジオなどメディアを通じて発信している。朝日新聞社のウェブサイト「withnews」にてコラム連載中。
「ケンエレ商品は大人向けに特化し、造形のデザインと精巧さが秀逸! なかでも「隈研吾ARCHITECTURE〜」は、手のひらサイズながら日本の建築物の質の高さが見事に表現され、日本の文化を伝える役割も担っています」
隈研吾 ARCHITECTURE
MINIATURE COLLECTION
500円 全4種