広島の電機メーカー・オオアサ電子のオーディオブランド「Egretta」と、卵型スピーカーでお馴染みの東和電子のオーディオブランド「Olasonic」の2ブランドによるコラボレーションが実現しました。Egrettaのタワー型スピーカー「TS1000F」とオラソニックの小型オーディオ「NANOCOMPO」の組み合わせにより、部屋のどの位置からでもハイレゾ音源が楽しめるシステムを提案しています。
TS1000Fは、円柱形の形状が独特なフロアスピーカー。上向きに取り付けられたスピーカーユニットとディフューザーにより無指向性の音場を構築し、部屋のどこに設置しても良い音が楽しめます。無指向性のスピーカーは小型なサイズのものが多いのですが、この「Egretta & nano」は超本格的。なんといっても、セットで46万円(税抜)なんですから、それだけハイクオリティなサウンドを展開してくれることは間違いありません。
前方にドライバーを搭載した一般的なスピーカーは、再生される音に指向性があるため、スピーカーの設置や音を聴く場所が制限されていました。TS1000Fは無指向性で音を放出するため、“オーディオの三角関係”から離脱して、自由なリスニングスタイルを実現しています。
オオアサ電子は、もともと液晶や電源、音響設備などを製造するメーカーでしたが、先のリーマンショックにの余波を受け仕事がまったくなくなり、新たなビジネスを求めてオーディオ事業を立ち上げたそう。社員を露頭に迷わせないためにあらゆる手を尽くしたというオオアサ電子の長田克司社長は、まるで「下町ロケット」の阿部 寛のようです。
オーディオ事業を立ち上げて生まれたのが無指向性スピーカー「TS-550/500」。そして、TS550/500をベースに、ハイレゾ対応に進化したのがTS-1000Fです。TS-1000Fは、ツイーターに蛇腹状に折り畳んだフィルムを横方向に伸縮させることで音を放出する「ハイルドライバー・ユニット」を採用し、無指向性ながら高い音質を実現しています。このハイルドライバーに採用したフィルムは、ポリマー・クレイ・コンポジットという粘土を主原料とする新開発素材で、住友精化と産総研の共同開発によるもの。ハイルドライバー・ユニットを使ったスピーカーは、カーオーディオへも展開されています。
無指向性のスピーカーはどこにいても良質の音場を構築してくれるので、リスニングルームでじっくり聴くという場面以外にも、様々なシーンでの利用が考えられます。音楽を楽しみながら珈琲や紅茶を嗜むような純喫茶やカフェなどに導入されれば、どの席に座っても良い音で音楽を聴けるようになるかもしれません。今回は2本セットですが、今後は1本売り(モノラル再生)も検討しているそうです。部屋のどこにいても良い音質で音楽を聴きたい、と考えている人は、ぜひチェックしてみて下さい。