幸せに生きるためには、いくらかのお金が必要。しかし、幸福を感じるために必要な金額は国によっても大きく異なるもので、なかには年収が3000万円以上あっても幸せではない国もあるようです。幸福を感じるために必要な金額を国別にまとめたレポートが発表されているので、そこから、いくらお金があれば人は幸せになれるのかを見てみましょう。
各国の「幸せを感じるために必要な年収」を8月下旬に発表したのは、外国為替プロバイダーのS Money。米・パデュー大学が行った研究で、人が幸せを感じるためにはある一定の収入が必要で、収入がそれ以上増えても幸福度には影響を及ばさないことが分かっています。その一定の幸福度に達する年収について、S Moneyは国際通貨基金(IMF)のデータから現地通貨に換算し、最後は米ドルに計算し直して、178か国の「幸せを感じるために必要な年収」を比較しました。
その結果、幸せと感じられるための年収が高い世界の上位10か国は次の通りとなりました(※1ドル=約148円で換算〔2023年9月21日現在〕)。
「幸せを感じるために必要な年収」が高い世界の国トップ10
- 1位 イラン: 23万9700ドル(約3500万円)
- 2位 イエメン: 17万2140ドル(約2500万円)
- 3位 オーストラリア: 12万1191ドル(約1800万円)
- 4位 ジンバブエ: 11万8342ドル(約1750万円)
- 5位 ノルウェー: 11万7724ドル(約1740万円)
- 6位 スイス: 11万5745ドル(約1710万円)
- 7位 ニュージーランド: 11万4597ドル(約1700万円)
- 8位 イスラエル: 11万2506ドル(約1670万円)
- 9位 アイスランド: 11万1908ドル(約1660万円)
- 10位 米国: 10万5000ドル(約1550万円)
最も高い収入がないと幸せを感じられない国だったのが、イラン。なんと約24万ドル(約3500万円)もの年収がないと幸福になれないことが判明しました。同国は人口の半分以上の人が貧困な暮らしをしており、2023年2月時点のインフレ率は約47.7%。日用品の価格が高騰しており、そんな社会的な背景がこのような結果を導いたようです。
ちなみに「幸せを感じるために必要な年収」がもっとも低い国はシエラレオネで、8658ドル(約128万円)。日本は7万3994ドル(約1100万円)で25位でした。
もちろん、国によって物価も平均年収も違うし、その人の性格や人生観によっても、幸せと感じるかどうかは変わってくるもの。このレポートで示された年収はあくまでも1つの目安です。でも、幸せには相対的な側面があるので、このレポートで何か見えてくることがあるかもしれません。
【主な参考記事】
Daily Mail. The price of happiness in every country revealed: Fascinating map details the annual salary each nationality needs to be content – so how much cash would keep YOU cheerful? September 14 2023
S Money. The Price of Happiness in Every Country. August 24 2023