競技シーンの最高峰であるプロ選手はどんなゲーミングギアを使っているのか。そして、その選択の理由とギアへのこだわりは何か。VALORANTで活躍するREJECTのFlax選手に話を聞いた。
※こちらは「GetNavi」2023年11月号に掲載された記事を再編集したものです。
REJECT VALORANT部門 Flax選手
高校時代から本格的にゲームを始める。FPSゲームの「カウンターストライク・グローバルオフェンシブ」では国内トップクラスのプレイヤーとして活躍した。2020年から「VALORANT」へ主戦場を移し、2022年12月にREJECTへ加入。
ギアの種類も少なくベストな選択ができなかった
——プロ選手となった現在では様々なゲーミングギアに触れていると思いますが、最初にゲーミングギアを導入しようと思ったきっかけはなんでしょうか。
「普通にゲームを楽しんでいたときはプレステで遊んでいたので、ゲーミングギアのことはあまり考えていませんでした。競技シーンのあるタイトルをPCでプレイするようになってから、プロ選手がどんなギアを使っているのか興味を持つようになりました。最初はゲーミングギアの知識がまったくなかったので、好きな選手が使っているギアを選んでいましたね。その頃は現在のようにギアの種類も少なく、比較対象もなかったのですが、いま考えるとベストな選択肢ではなかったと思います。
——現在はどのギアを重要視していますか。
「もともとは「カウンターストライク」のプレイヤーで、現在は「VALORANT」に移行しました。同じタクティカルシューティングゲームで、ギア的には共通項があったので、移行しても選択肢には困りませんでした。使用するギアはどれも重要ですが、プレイする際に最も重要だと感じるのはモニタですね。リフレッシュレートの差が顕著に成績に反映されます。」
触り心地の良いマウスをもっと試したい
——いまは様々なギアがありますが、それぞれどういった点に着目していますか。
「キーボードに関しては、それほど大きな差は生じないのでは? と考えていましたが、アクチュエーションが変更できたりラピッドトリガーが登場したりと、いまは影響があると感じています。メカニカルキーボードの軸としては青軸が好みでしたが、競技シーンには不向きに感じていて、銀軸などの軽めのものが良いような気がします。マウスは触り心地重視ですね。細かい設定はインゲームで変えられます。マウスに錘を抜き差しして重さを調節するタイプもありますが、そのような微調整ができるなら、新しいマウスを試したい気がします。解像度は400と800dpiを使用しています。マウスパッドは大きめの正方形に近い形のものを使っています。デスクすべてを覆う大型のモノも良いのですが、持ち運びしにくく、会場によっては乗せきれなくなるので、この形に落ち着きました。素材に関してはいま模索中です。ヘッドセットはノイズキャンセリング機能を重視しています。オフィスなどでスクリム(練習試合)をする場合、ボイスチャット越しに隣でプレイしているメンバーの声が入って二重に聞こえてしまうと集中力を削がれてしまいます。ノイズキャンセリング機能は必須ですね。」
迷ったらプロ選手の使用ギアをまねるのがベター
——基本的なゲーミングギア以外に注目しているアイテムはありますか。
「いまこだわっているのはアームカバーですね。日や場所によって湿度や暑さなどが変化し、素手だとマウスの滑りに影響が出るんです。アームカバーをすることで、均一したマウス操作ができるようになります。以前は手首から腕に掛けて覆うモノを使っていましたが、最近は親指の穴が空いている、手のひらの一部まで覆うタイプを使っています。 」
——最後にギア選びのアドバイスをお願いします。
「自分で選ぶのは中級者でも難しいと思います。プロ選手が使っているモデルを試してみてしっくりいけばそれで十分ですね。自分のスタイルや体格などが似ている選手が使用しているギアを選ぶとハマる可能性はあると思います。あとは色やデザインですね。見た目は重要です!」
スキルアップ同様Flax選手がこだわるゲーミングギア
【その①】マウスの持ち方から最適なマウスを選ぶ
プレイヤーの多くは、マウス全体を手で覆う”かぶせ持ち”、指先だけで持つ”つまみ持ち”、その中間の”つかみ持ち”に分類される。持ち方によって選ぶマウスも変わる。
【その②】マウスの動きを左右するマウスパッド
「VALORANT」のジェットは空を高く浮遊でき、周りを見渡すことができる。この時大きくマウスを動かすので滑りやすく、大きなマウスパッドが必要になる。
【その③】キーの押し込み量などを自分好みにカスタマイズ
アクチュエーション対応のキーボードであれば、キーの押し込み具合も調整可能。クルマのハンドルの遊びのように、少なくすれば反応は速くなるがピーキーになる。
【その④】ノイズキャンセリングでゲームに集中する
ノイズキャンセリング機能搭載であれば、周囲の音に気を取られず集中できる。選手によってはホワイトノイズすら気になる人もおり、ノイズ低減はプレイに必須。