ここ1~2年で、トースターの高機能化が一気に進みました。例えば、独自のスチームテクノロジーと高度な温度制御で「世界一のトーストが焼ける」というバルミューダの「BALMUDA The Toaster(バルミューダ・ザ・トースター)」(実売価格2万4730円)、0.2秒で立ち上がり、表面をカリッと焼ける日本エー・アイ・シーの「アラジン グラファイト グリル&トースター」(1万9980円)。また、トースターとは少々異なりますが、高温の過熱水蒸気で焼くシャープの「ヘルシオ グリエ」(3万7440円)も登場。こちらでクロワッサンを焼くと、外側サクサク、中はしっとりと、焼きたてのように生まれ変わります。
群雄割拠のトースター業界に注目のトースターが登場!
と、群雄割拠の様相を呈してきたトースター業界に、12月10日に、またまた注目のトースターが登場します。それがシロカの「ハイブリッドオーブントースター ST-G111」。シロカといえば、安くて性能がいい家電で知られていますが、こちらの実売予想価格はなんと2万4300円! それだけ聞くと、え、シロカなのに? トースターなのに? と戸惑ってしまいますが、それだけ強気の価格設定だと、かえって気になりませんか? ということで、さっそくレビューしてみました!
一瞬でパワー全開になる立ち上がりの速さは圧巻
実はシロカは、熱風で加熱する1万円以下のノンフライオーブンを2013年に発売し、シリーズ累計販売75万台という大ヒットを飛ばしています。しかし、ノンフライオーブンとしては成功したものの、トースターとして使用した人からは「もっとサクッとおいしく焼けたらいいのに」という声も多く聞かれたそう。
では、外はサクッと、中はもっちり焼くためにはどうしたらいいか、専門の研究者の協力をあおいで研究したところ、その条件は「高温で一気に加熱すること」が判明。高温で一気に加熱すると、水分が中に閉じ込められ、表面はサクッと焼きあがることがわかったといいます。その結果をもとに採用したのが、わずか0.2秒で高温になるグラファイトヒーター。先述の、アラジンのトースターに採用されているヒーターです。
さらにシロカは、庫内に熱風を循環させて効率よく加熱する方式、コンベクション方式も同時に搭載。2つの異なる方式を組み合わせているのが、モデル名に「ハイブリッド」が入っているゆえんです。
【圧巻の立ち上がり速度を動画でチェック!】
ダイヤルをひねってみると、ま、まぶしい! 本当に一瞬でカッと明るくなり、パワーが全開になったことがわかるまぶしさです。この高熱がパンの水分を内側に閉じ込めつつ、表面をカリッと焼くというわけです。
予想を上回るトーストのおいしさに感動!
さて、百聞は一見にしかず、ということで、さっそくトーストを焼いてみました。また同時に、わが家で愛用しているコンベクション方式のトースターでも焼いてみて、どこか違うのか確かめてみました。
まずトースト2枚焼く場合、調理時間はコンベクションがオートメニューで約5分(オートメニュー)なのに対し、シロカのハイブリッドは280℃で約3分。さすが立ち上がりが早いだけあって、焼き上がりも早いです。
実際に焼けたトーストを食べてみたところ、これはおいしい! 本当に外がカリッカリで、歯を立てるとサクっといい音がします。なのに内側はしっとりしていて、パンの風味や甘味が引き出されている感じ。コンベクションで焼いたのもおいしいのですが、食べ比べると明らかな違いがあります。なるほど~、おいしいトーストを焼くための条件は、確かに「高温で短時間」なのだな、と実感できました!
付属レシピのアレンジメニューも試してみた!
トーストのおいしさは十分わかりましたが、付属のレシピには、トーストのアレンジメニューがたくさん載っていましたので、そちらも試してみました。いずれも簡単でおいしく、忙しい朝にはもってこいです。
フランスパンは縦半分に切ってみたところ、高さがあって上部のグラファイトヒーターに近づきすぎてしまい、少し焦げてしまいました。通常通りスライスしたら、もう少しきれいに焼けたかも。
そうそう、忘れてはいけないのがクロワッサンです。こちらは、トースターで焼くと表面ばかり焦げてしまうため、焼くのが難しいといわれていますが、最近の高機能トースターは上手に焼くものが増えています。果たしてシロカはどうか……? 試してみたら、見事サックサクにおいしく焼くことができました!
またこのレシピ集には、トーストとおかずの同時調理ができるレシピも載っていました。耐熱皿に卵とウィンナーを入れ、食パンと一緒に焼いて約5分で完成! 目玉焼きは半熟でとろとろの最高の状態。パンを焼きながらおかずも作れちゃうなんて、最高ですね。
ノンフライ調理から揚げ物の温め直しまで全方位で活躍!
なお、本機はコンベクション機能も併せ持つハイブリッド式のため、ノンフライ料理も得意なはずです。そこで、定番の唐揚げを作ってみたところ、グラファイトヒーターが表面をカラッと焼きつつ、中まで火の通ったおいしいから揚げができあがりました。そのほか、買ってきたとんかつの温めなおし、冷凍フライドポテトの調理など、全方位で大活躍。この汎用性も本機の大きな魅力です。
精鋭ぞろいのトースターのなかでも高レベル
結論として、このハイブリッドオーブントースター、かなりの良品です。他の高級トースターも精鋭ぞろいではありますが、それと比較してもトーストの焼き上がりは極めて高いレベルにありました。BALMUDA The Toasterやヘルシオ グリエと違って水を入れる手間が不要ですし、コンベクション機能の搭載により、幅広い調理ができる点も高ポイントです。これらを踏まえると、個人的には現状ではベストの製品ではないか……と思えるほど。確かにトースターで2万4300円は高いですが、毎日の食事がこれだけ豊かになるなら、その価値は十分にあると感じました。