ジャパニーズウイスキーの完全復活により、受難の時代に閉鎖あるいは止まっていた蒸溜所が再稼働したり、その意志を継ぐ蒸溜所が誕生したりしていることも見逃せない。
※この記事は「GetNavi」 2023年12月号に掲載された記事を再編集したものです。
【2016年再稼働・安積蒸留所】
東北で地ウイスキーブームを牽引した名蒸留所が満を持しての復活
「チェリーウイスキー」で知られる笹の川酒造(旧山桜酒造)のDNAを汲む蒸溜所で、福島県郡山に所在。特異な気候から「風の蒸溜所」と呼ばれる。なお、笹の川酒造とともに80年代ウイスキーブームを牽引した羽生蒸溜所が閉鎖した際、廃棄しなければならなくなった原酒を同社が受け入れ販売したのが、最初の「イチローズモルト」である。
【2022年新稼働・軽井沢ウイスキー】
旧蒸溜所の職人がリユニオン世界が称賛した名酒への熱意を継承
元々の軽井沢ウイスキー蒸留所は、メルシャン(三楽オーシャン)前身の大黒葡萄酒が1955年に設立した蒸留所で、日本初のシングルモルトを生み出すなど多大な功績を残したが、2012年に閉鎖。しかし昨年、地元で370年続く「戸塚酒造」がその意志を継ぎ、軽井沢の地で新たに本蒸溜所を新設した。閉鎖時の最後の工場長が新たな蒸留所の工場長を務める。