グーグルの生成AI「Bard」は日本語にも対応し、世界中で広く利用されるようになってきました。しかし同時に、それを悪用しようとする犯罪者が増えつつあります。
そこで同社は、Bard人気を利用してマルウェアを広めようとする詐欺師グループを訴えると発表しました。
グーグルは11月13日(現地時間)に米カリフォルニア州で提訴した訴訟の中で、ベトナムに拠点を置くと思しき人物がSNSアカウントを開設し、Bardを「ダウンロード」するように促す広告を掲載していると述べています。
Bardはグーグルのサーバーを使うクラウドサービスであり、「ダウンロード」できません。このダウンロードは、実際には被害者にマルウェアを配信し、そのSNSのログインデータを盗み出すことが目的です。
被告は、Bardの 「最新バージョン」をダウンロードできると偽る身元不明の3人。彼らは「グーグル、グーグルAI、Bardを含むグーグルの商標を使って、無防備な被害者を誘い、マルウェアをコンピュータにダウンロードさせている」とのこと。特にFacebookの有料広告を使っていると指摘しています。
この訴訟は、最新テクノロジーへの関心を悪用し、十分に理解していない人をどのように食い物にしているかを浮き彫りにしています。例えば、今回の詐欺師は「Bardが有料のサービスやアプリだ」と示唆していますが、実際には無料で利用できます。
グーグルの公式ブログによると、これらの詐欺師に対して300件ほどの削除要請を提出済みとのこと。さらに、今後悪質なドメインを設定できないようにしつつ、米国のドメイン登録機関に悪質ドメインを無効にするよう要請しているそうです。デジタル詐欺師らが取り締まられるよう祈りつつ、知識不足につけ込む手口には気をつけたいところです。
Source: Google Blog
via: The Verge