東京・晴海。このエリアでは、2021年に開催された東京オリンピックの選手村に使用された建物を活用した、新たな街づくりが進んでいます。HARUMI FLAGと名付けられたこの街は6つの街区から構成。2023年12月、4〜6街区の分譲マンションの一部がついに竣工を迎えました。今回は、2024年1月から始まる入居に先駆けて開催された、内覧会を取材。新しい街の様子を、写真多めでお届けします。
4500本の木が立ち並ぶ、緑豊かな街
HARUMI FLAGは、18ヘクタールの土地のなかに、約1万2000人の人々が住まう広大な街。街は6つの街区から構成され、そのうち1〜2街区にはショッピングモールなどの非住居施設が、3〜6街区にはマンションが並んでいます。今回竣工したのは、4〜6街区のマンションのうち、タワー棟を除いた中層の建物です。
街づくりのコンセプトとして掲げられたのが「余裕のある地上空間」。駐車場をすべて地下化し、電線も埋設したことで、地上の空地率は約50%を確保しています。地上には100種類、4500本にも及ぶたくさんの樹木が植えられ、街の緑化率は40%にも及びます。
「余裕のある地上空間」というコンセプトは住居の作りにも通底されており、廊下の広さや天井の高さなどが、一般的なマンションよりも広く作られています。ユニバーサルデザインが取り入れられたマンションは、あらゆる人に優しい作りになっています。
間取りの広さにもこだわりがあります。都心6区のここ10年におけるマンションの3LDK1部屋の平均面積は63.9平米ですが、HARUMI FLAGでは84平米を確保。「広い間取りの叶えるスケールの大きい暮らし」をキャッチフレーズにしたこれらの分譲マンションの売れ行きは、好調だといいます。
海辺で読書できるラウンジなど、多彩な共用スペースを用意
数多の共用スペースが用意されているのも、HARUMI FLAGの住居の特徴です。たとえば4街区A棟にあるブックラウンジは、全街区の住民が予約なしで利用でき、海を眺めながら本を読めます。
立ち並ぶマンションのなかで、個性が光るのが6街区のB棟です。外装に竹が使われたこの建物は、外見でも異彩を放っていますが、さらに特異なのが足湯を楽しめるラウンジがあること。マンションに足湯があるだけでも驚きですが、この足湯の温水には水素燃料電池による発電で生まれた排熱が使われているのも特徴です。HARUMI FLAGでは街全体に水素のパイプラインが敷かれており、複数のマンションに自家発電用の燃料電池が備え付けられています。発電した電気は足湯のほか、マンション敷地内の照明などに利用されているそうです。
これほどの規模で水素のパイプラインを敷き、燃料電池を配置をした街は世界でも例がないといいます。HARUMI FLAGはエネルギーの面でも最先端を行く街なのです。
1月から入居開始。小中学校や商業施設の工事が進行中
今回竣工したマンションは、2024年1月から入居がスタートします。HARUMI FLAGではいたるところで工事が進んでおり、小中学校や商業施設が続々とオープン予定。住民の足となるバス(BRT)の本格運行も来春からスタートします。HARUMI FLAGの話題は、しばらく尽きることがなさそうです。