アップルの「App Store」がロシアの独占禁止法に違反したとして、同社がロシア政府に12億ルーブル(約20億円※)を支払ったと国営通信社のTassが報じています。
※1ルーブル=約1.6円で換算(2024年1月25日現在)
2022年、ロシアの連邦反独占局(FAS)は、App Storeの反競争的行為のためアップルを告発。翌年、同局はアップルに12億ルーブルの制裁金の支払いを命じました。
今回の事件が起きた理由について、FASは「アップルがロシア人の開発者に対して、アプリで同社の決済ツールを使うように強制したため」と説明。App Storeのガイドラインで「App Store以外での購入や代替の支払い方法の選択肢についてアプリ内で知らせることを禁止している」とも指摘しているのです。
ウクライナ侵攻以来、ロシアではApp Storeにおける課金や「Apple Pay」などのサービスが利用できなくなっています。しかし、App Store自体は引き続き利用することができ、ハードウェアの販売はしていないものの、その関連サービスも提供されています。
アップルがロシアにおけるApp Storeの方針を変更するのかどうかは不明。米国ではアプリによる代替支払い方法の提示が許可され、欧州連合(EU)ではアプリのサイドローディングが義務化されようとしており、App Storeの今後の動向にますます注目が集まります。