先日アップル幹部は、新型Macベースモデル(最低価格モデル)のRAMは「8GBで十分」と主張していました。別の幹部も「M3 MacBook Proの8GBは、他社の16GBに匹敵する」と述べたことがあります。
しかし、同社の共同創業者のスティーブ・ジョブズ氏がCEOだったころ、Macベースモデルの搭載RAMは約2年ごとに増えていたのに対し、ティム・クック氏がCEOに就任してからピタリと止まったと指摘されています。
David Schaub氏はMastodonへの投稿で、これまで40年間にわたるMacベースモデルのRAM容量をグラフ付きで振り返っています。
最初のグラフは、1984年以降のオールインワンMac(最近ならiMacなど)に関するもので、かつてはそのベースRAMが約2年ごとに増えていたことを示しています。その一方、クック氏がCEOに就任した2011年以降は、何年にもわたりRAM容量が据え置きとなっていることが判明しました。
第2のグラフは、アップルがMacBookのようなノートパソコンに搭載してきたRAM容量の移り変わりです。こちらも、ジョブズ時代にはRAMが右肩上がりに増やされたのに対して、クック体制の下では数回しか増やしていないことを示しています。
もちろん、アップルがRAMを増やしてMacが値上がりすることを避けている可能性もあるでしょう。しかし、他に考えられる理由はいくつかあります。
その一つは、技術の進歩によって、2年ごとにRAMを増やす必要がなくなったこと。もしも、昔と同じペースでRAMを増やしていれば、今ごろは3ケタに達していたはず。でも、最近のパソコンでそこまで積んでいるものは見当たりません。
つまり「さまざまな技術が進化しているので、そこまでRAMの量は必要ない」ということでしょう。RAMは高速化し、内蔵ストレージもハードディスクからSSDに取って代わられ、読み書きもスピーディーとなっています。
もう一つの理由は、最新のパソコンがハードウェアとソフトウェアを緊密に統合し、両者の通信がより高速になっていること。さらにアップルは独自開発チップとユニファイドメモリ(CPUとGPUが同じRAMを使う構造)により、RAMを非常に効率的に使っています。
とはいえ、MacBook Airのベースモデルは2017年から、実に6年以上も8GBに留まり続けています。そろそろアップルも、ユーザーからの「16GBに増やしてほしい」との声に耳を傾けざるを得ないのかもしれません。
Source: David Schaub (Mastodon)
via: Wccftech