サムスンは今年初め、フラッグシップ・スマートフォンGalaxy S24シリーズに「Galaxy AI」を導入しました。それに続いて、Galaxy Watchなどのウェアラブル機器にもAI機能を広める意欲を示していますが、具体的にどのような機能を実装するかは明らかにしていません。
そんななか、次期「Galaxy Watch7」においてAIが継続的な心房細動モニタリングを実現する可能性がサムスンの特許出願から浮上しています。
米特許商標庁(USPTO)が公開した特許出願は、生成AIを使ってウェアラブル機器により「連続的な心房細動検出」を追加できる可能性を示すものでした。
ちなみに、心房細動は不整脈の一種であり、治療をせずに放置すると、心臓に血栓ができ、脳卒中の原因となることもあります。
現在のGalaxy Watchは、心電図機能と心房細動の検出機能を提供しています(一部地域のみ)。しかし、心電図を読み取るにはボタン内蔵のセンサーに指を押し当てる必要があり、長時間にわたって計測できるわけではありません。
今回の新たな特許出願は、生成AIによりPPG(光学式心拍センサー)信号をECG(心電図)信号に変換することで、心房細動を長時間にわたりモニタリングする技術の実現が近づいていることを示すものです。
特許は2023年8月30日に出願され、4月下旬に公開されました。測定したPPG信号を基に、訓練された「心房細動検出モデル」によってECG信号を解析すると書かれています。
サムスンは生成AIの使用がエラーにつながる危険性も認識していますが、「確率的グラフィカルモデルの観点から事前知識を組み込む」ことでリスクを減らすとも説明しています。
サムスンはGalaxy Watch7シリーズを、7月10日にパリで開催する「Galaxy Unpacked」イベントで発表すると予想されています。ほかにも、血糖値モニタリング機能を搭載する可能性も伝えられていますが、噂のプレミアムモデル限定となるのかもしれません。