パナソニックは5月23日、フルサイズミラーレス一眼カメラ「LUMIX DC-S9」を発表しました。6月20日発売予定で、市場想定価格はボディのみで20万8000円(税込)前後、標準ズームレンズキットが24万1600円(税込)前後、高倍率ズームレンズキットが28万7000円(税込)前後です。
LUMIX DC-S9は、2023年に登場した上位モデル「DC-S5M2」と同等の画質を、小型軽量ボディに詰め込んだモデルです。約24.2MPのフルサイズCMOSセンサーのほか、ライカと共同で開発した新世代のヴィーナスエンジンを搭載しています。
また、像面位相差AFを搭載し、動物や車・バイクなどに対応するリアルタイム認識AFを可能にしています。さらに動画においては、歩き撮り時の大きなブレと周辺歪みを抑制する手ブレ補正テクノロジー「アクティブ I.S.」も採用しています。
本体には、写真・動画に自分好みの絵作りを反映する「リアルタイムLUT」を設定するLUTボタンが搭載されています。また、LUTの保存数自体もこれまでの10個から39個に増えています。
このほか、画像の中央部を切り出して望遠効果を得るクロップズーム機能と光学ズームを組み合わせることで、ズームリングの操作だけで焦点距離を最大約3倍まで拡張できます。
本体サイズは約幅126×奥行き46.7×高さ73.9mmで、重さは本体のみで約403g。
また、DC-S9に合わせて新しいアプリ「LUMIX Lab」もリリースします。従来アプリ「LUMIX Sync」に比べて接続手順が簡単になったり、画像や動画の転送に5GHz帯のWi-Fiをカメラ側で選択できるようになったりしています。
さらに、アプリ内でオリジナルのLUTを作成できます。作ったLUTをスマホからカメラに転送し、写真や動画の撮影ができるようになっています。加えてクリエイターが作成したLUTをアプリ経由でダウンロードして使うこともできます。
SNSユーザーをかなり意識した製品
発表会の場で、パナソニック エンターテインメント&コミュニケーションの副社長執行役員 イメージングソリューション事業部長の津村敏行さんは、カメラ業界を取り巻くトレンドにおいて、SNSの利用者が大きく伸び続けていることを指摘しています。SNSだと撮影はスマホがメインではあるものの、カメラメーカーが積極的に製品を開発することで今後のカメラ市場をけん引していける、と考えているそうです。
また、SNSユーザー側の声を聞いたところ、「SNSを通じて人生を豊かにしたい」と考える人が多いとのこと。それに対して、カメラメーカーとして進化の余地があるとしています。
DC-S9はそうした背景から開発に取り組んだ製品。「編集スキルがなくても魅力的な写真や動画を撮影してすぐにSNSにシェアできること」をコンセプトにしています。
「カメラの新製品だけでなく、新しいレンズ、新しいアプリケーションとの組み合わせによって、撮影から投稿までのワークフロー全体を革新。SNSの投稿に革命を起こすLUMIX渾身の新製品となっています」と自信をのぞかせます。
メインのターゲットは、一眼カメラを初めて購入するSNSアクティブユーザー。一方でサブターゲットに従来から撮影を楽しむカメラ愛好者層で、2台目のカメラ需要を狙っているといいます。
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