グルメ
2024/6/7 10:30

世界よ、これが「くら寿司」だ! ライバルにない独自性を「グローバル旗艦店 銀座」で垣間見た

回転寿司大手の「くら寿司」が、ぶっとんだ偉業を成し遂げました。それは日本屈指の一等地である銀座にニューオープンした、エンタメ性あふれる特別店舗「くら寿司グローバル旗艦店 銀座」のこと。同社はいったい何を考えているのか。発表会レポートの形で解説します。

↑銀座のコンセプトは“江戸町エンターテインメント”。くら寿司のグローバル旗艦店は、インバウンドを意識した体験コンテンツが大きな特徴です

 

OK、ユニクロ、ダイソーが入った銀座のビルに仲間入り

「くら寿司グローバル旗艦店」は、通常の「くら寿司」とは異なる内装や空間演出が特徴的。日本では現在6つ、また海外では1店舗だけ台湾のカオシュン(高雄)で展開されており、今後の拡大も予想されます。

↑1号店は、2020年にオープンした「くら寿司グローバル旗艦店 浅草ROX」。射的や輪投げなど、日本文化が体験できる縁日スペースを併設しています

 

その位置付けは、和の文化を世界に発信するジャパンカルチャー拠点。木目を生かした内装デザインと、遊び心あふれる仕掛けが二大特徴となっており、それぞれの店で独自のユニークなコンテンツが盛り込まれています。

↑こちらは2022年に3号店として開業した原宿店。街の特色にちなんだ装飾や、クレープをはじめとしたスイーツ屋台が特徴で、なかには「Sushiクレープ」なるメニューも

 

そして2024年5月、日本国内の最新店舗としてオープンしたのが「くら寿司グローバル旗艦店 銀座」。やはりこちらにも個性的な特徴が設けられているのですが、それらを語る前に触れておきたいのが、同店が入っている建物です。それは「マロニエゲート銀座2」なのですが、ピンと来た人はご名答。ここは各業界の良コスパブランドが入っている、いわば“お得の聖地”なのです。

↑地下には「OKストア」。アパレルには「ユニクロ」「GU」などファーストリテイリングのブランド。雑貨には「ダイソー」系列の3店舗が入り、こちらもグローバル旗艦店の位置付けです

 

3つの屋台で調理を見せつつ提供

あらためて、「くら寿司グローバル旗艦店 銀座」とはどんなお店なのかに迫っていきましょう。ここならではの特徴は、歌川広重による江戸の風景画「東都名所高輪廿六夜待遊興之図」をモチーフにした「くら小江戸」という屋台スペース(冒頭の写真)。この浮世絵に描かれている、寿司、天ぷら、団子の各屋台を出店するとともに壁面には花火をLEDであしらい、屋台で料理された料理は実際に食べることもできます。

↑回転ベルトに流れる寿司とは別に、銀座店限定の高級寿司を提供。調理シーンも魅せるリアルなパフォーマンスがウリに

 

代表的なメニューも紹介します。高級寿司は旬の魚を使った盛り合わせが名物となり、例えばすずき昆布醤油(秋冬はひらめ)、地中海産漬け本まぐろ赤身、車海老、こはだ、煮穴子、カステラ玉子焼からなる「特上にぎり 蔵-KURA-」は1800円となりますが、相応の味わいが楽しめます。

↑「特上にぎり 蔵-KURA-」1800円

 

なお、レギュラーの寿司も通常の「くら寿司」同様の豊富なバリエーションで用意されており、価格は一皿150円から。そして高級寿司に次ぐ推しメニューが天ぷらとなり、銀座店限定で阿波の足赤海老や穴子一本揚げなどを用意。屋台で揚げたてのおいしさを存分に満喫できます。

↑阿波の足赤海老、真あじ、穴子、ししとう、まいたけを一皿で味わえる「特上天ぷら盛り」1300円

 

また、団子も注文を受けてから屋台の専用機器で調理。みたらし(150円)、あんこ、白あん、抹茶あん(各200円)と全4種があり、みたらしはテイクアウトも用意されています。

↑銀座店限定の「くらだんご」各種

 

世界最多のボックスシートに史上最長の回転ベルトを用意したワケ

加えて「くら寿司グローバル旗艦店 銀座」の仕様として見逃せないポイントは、各客席にあります。なぜなら、くら寿司で史上最長となる123.14mもの回転ベルト(レーン)を設置しているから。座席数が242と極めて多く、ボックスシートの数もくら寿司で世界最多の店舗となっています。

↑客席には暖簾(のれん)を設え、他の目線が気にならないよう配慮。プライベート感豊かな居心地を演出しているのも、グローバル旗艦店のポイントです

 

この背景にも、くら寿司が他を圧倒している独自のストロングポイントがあります。それはズバリ、回転ベルト。くら寿司は2011年に日本初となる抗菌寿司カバー「鮮度くん」を開発導入し、2013年には特許も取得しました。これが感染症や迷惑客のイタズラ行為への対策となり、その結果大手チェーンでは唯一、いまも全店で回転ベルトに寿司を流しています。

↑くら寿司独自の抗菌寿司カバー。2020年には紫外線殺菌システムを導入し、外部機関の菌数検査で、菌やウイルスがカバーに付着した場合でも98%以上の殺菌結果を実証

 

さらに同社実施のインターネット調査によると、全体の過半数(52.7%)が、「回転ベルトでお寿司を流す回転寿司店を利用したい」と回答。特に、消費をけん引する20代は約65%が回転ベルトを肯定していたとか。

↑くら寿司のプレスリリースより。全国20~60代の男女474人(人口構成比で割り付け)。2023年10月に実施

 

そこでくら寿司は、大手チェーンで唯一回転ベルトに寿司を流しているという独自性を生かし、この強みをいっそうウリとする戦略を仕掛けたのです。また、同社はEXPO 2025 大阪・関西万博で「未来の回転寿司」の出店を予定しており、“回転ベルトは、世界を一つに。”というコンセプトを発表。1977年に大阪・堺市で創業したくら寿司にとって、万博は大きな晴れ舞台となるでしょう。

↑くら寿司にとって、創業地の関西は大切なエリア。大阪、兵庫、和歌山ではハイグレードな回転寿司ブランド「無添蔵(むてんくら)」を4店舗運営しています(写真は公式サイトより)

 

美味しいうえに楽しい回転寿司が「くら寿司」だ

また、くら寿司が誇るその他のストロングポイントには、「皿カウンター水回収システム」と、そこへ5皿投入ごとに1回チャレンジできる「ビッくらポン!」もあります。これはまさに、同社のエンターテインメント性を象徴するコンテンツだといえるでしょう。

↑「ビッくらポン!」であたると、カプセル入りの景品が。最近はキャラクターとのコラボレーションを積極展開しており、この日は運よく「名探偵コナン」のアクリルマスコットをゲット

 

ライバルを圧倒するエンターテインメント性でファンを増やす、くら寿司。グローバル旗艦店の推進には海外展開も視野に入れており、事実同社は2009年のアメリカ進出を皮切りに台湾と中国にも出店し、累計100店舗以上の陣営に。

↑「くら寿司グローバル旗艦店 銀座」では、2024年7月15日まで「ユニクロ」とコラボしたメニューも提供されています

 

加えて2030年までに海外店舗を約4倍の400店まで拡大する計画があり、日本国内のグローバル旗艦店も増えていくでしょう。テーマパーク要素のあるグローバル旗艦店は、通常のくら寿司とは違った楽しみ方ができるので、まだ行ったことがないという人はぜひ一度!

 

 

【SHOP DATA】

くら寿司 グローバル旗艦店 銀座

住所:東京都中央区銀座3-2-1 マロニエゲート銀座2 7F

営業時間:11:00~23:00(L.O.22:30)、土日は10:20~23:00(L.O.22:30)

休業日:なし

アクセス:JR「有楽町駅」中央口徒歩4分、東京メトロ「銀座一丁目駅」4番出口徒歩2分、「銀座駅」C8出口徒歩3分