かつては「グラドル最速ランナー」として多彩な活動を繰り広げていたぱつこさんが今年4月30日でグラビアを卒業。現在は「心理士ランナー」という肩書きで、心理士として働きながら、ランナーとして様々なイベントやマラソン大会に参加している。そんな彼女に、編集部スタッフの切実なお悩みに答えてもらった。
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【ぱつこさん撮り下ろし写真】
<質問1>
「日曜日の夜になると、翌日からの仕事が不安になり、憂鬱になることが多いです。どのような気持ちで過ごすのが良いでしょうか。ポジティブに過ごすコツなどがありましたら教えてください。(40代・男性)
ぱつこ 40代50代の、いわゆる中年期と言われる世代には「中年期危機(ミッドライフ・クライシス)」っていう言葉があって、今までの自分で良かったのか、本当にこの人生で正解だったのかと抑うつっぽくなる方が多いんですよね。実際、自殺される方って50代の男性が一番多いんです。だからこそ、自分だけが特別ではなく、そういうふうになりやすい年齢なんだと知ることが大切です。「不安にならないようにしなきゃ!」と思うと、それ自体が不安を考えることに直結します。そもそも日曜日の夜に、「明日からの仕事が楽しみだ!」と思う人のほうが少数派だと思います。それに年齢的な不安や、仕事の大変さなど、いろんなものが重なって余計に辛くなるじゃないですか。だから無理にポジティブになろうと思わず、認知行動療法の「マインドフルネス」という考え方なんですけど、不安を抱いている自分がいるということを否定せずに受け入れるんです。それで溜め込まずに受け流すようにすれば、うつや不安に効果的と言われています。
──受け流すために効果的なことはありますか。
ぱつこ 運動などで体を動かして、ほどよい疲労感で眠気を誘うのは効果的です。ただ運動嫌いな人が無理に運動したら逆にストレスじゃないですか。だから無理のない程度に体を動かすのもいいですし、寝る前に自分の好きな音楽を聴くとか、アロマを焚くとか、五感を刺激するのも大切です。
──おススメのアロマを教えてください。
ぱつこ 定番ですがラベンダーやイランイラン。パチュリという成分もリラックス効果が高いです。ユーカリなどもスースー系も爽快感を与えて、リフレッシュさせてくれる効果があります。
<質問2>
「『人と関わりたい』という思いはあるものの、拒絶されたり、恥をかいたりする恐怖があって踏み込めません。結果として当たり障りのない言動に終わって、親密な関係が築けない……というジレンマを感じています。とはいえ、劇的な荒療治はできそうにもなく、リハビリ的に小さなことから始めるとしたら何がいいでしょうか?」(40代・男性)
ぱつこ この方も中年期危機ですね。そもそも人と関わること自体が苦手なのか、それとも親密になろうと思ってトライしてみたけど、相手に拒まれた経験があるのかどうかなど、今置かれている状況によって、カウンセリングの方法も変わってきます。親密な関係を築きたいのがプライベートなのか、職場なのかによっても変わりますしね。
──職場の場合だと、勤務年数や、上司か部下によっても変わるでしょうしね。
ぱつこ 職場だとパワハラやセクハラなど、センシティブな問題もありますし、コロナ禍もあって、世の中の風潮として当たり障りのない話しかしないというのもあると思います。だから、この場合も自分だけじゃないと思うのが一番なんですが、その中でも一歩踏み出すとしたら……。職場以外のコミュニティに属したらいいのではないでしょうか。自分の好きな趣味やスポーツのコミュニティは探せば絶対にあるので、一旦「当たり障りのない言動」は置いといて、たとえばSNS上で交流して見る。それで仲良くなれそうだなと思ったら、オフ会などに参加してみる。直接会うのが怖いなら、リモートなど遠隔でコミュニケーションを取ってみる。自分の好きなものの集まりだったら、たくさん共通点もあると思うので、話も盛り上がりやすいですしね。職場だとハラスメントがつきまといますが、自分の好きなコミュニティだったら、失敗してもやり直しができますしね。
<質問3>
「肥満に悩んでいます。痩せなければいけないことは理解していますし、ダイエットもしようとは思っているんですが、思っているだけで行動に移せません。どちらかと言うと、過食など太る行動を取ってしまいます。この『行動に移せない』という心理状況はどこに起因するのでしょうか? また行動するためにはどうすれば良いのでしょうか?」(40代・男性)
ぱつこ 「痩せたい」って抽象的で大きな目標というか、一種の夢じゃないですか。だからこそ目の前にある欲望に負けちゃうんです。人間の脳はそういうふうにできているんですよね。だから誘惑に負けるのはしょうがないことです。それでも痩せるためには、運動する、食事制限するなど、いろんな種類があります。運動の中にも、走る、筋トレする、テニスをやるなど、たくさんの選択肢がありますし、食事制限も糖質ダイエットや炭水化物ダイエットなど、いろんなやり方があって、自分に一番合うものは何なのかを見つける必要があります。
──この方には補足情報があって、まず運動はしたくないと。過去に食事制限をした経験があって、実際に痩せたこともあるんですが、短期間しか続かずにリバウンドしたそうです。
ぱつこ 目の前に好きなものがあるとどうしても食べちゃいますし、男性だと大盛無料の店に行ったら、ついつい条件反射で大盛にしちゃいますよね。だったら環境を変えてしまうんです。大盛無料のお店には行かない。お菓子が好きだったら、見えるところに置かない、もしくは買わない。見えないようにすれば、ないからしょうがないって諦めやすくなります。自炊をする方なら、野菜を多めにストックしておいて、野菜炒めしか作れない環境を作るんです。要は自分自身で選択肢を狭めるんです。環境設定からの食事の改善は有効的な手段ですね。痩せると体も軽くなるので運動もしやすくなりますし。
──やはり運動は必要不可欠ですか?
ぱつこ どうしても食事制限だけだとリバウンドの原因になってしまうので、痩せにくい体を作るという意味でも、1駅歩くとか、家から距離のあるコンビニに行くとか、ちょっとしたことを毎日積み重ねていくだけでも、1年間の蓄積は全然違うと思います。あとは周りのサポートも大事なので、家族や友達、同僚など、誰かに報告するのも有効です。毎日とかじゃなくて、月1ぐらいの頻度でいいので、体重などを共有する。数字にして視覚化するのもすごく効果的で、毎日のアップダウンを気にしないで、1ヶ月とか3ヶ月のペースで体重のグラフを作って、長期スパンで体重の変化を追っていくのも大事です。
──毎日となると負担ですが、月1とかなら気も楽ですよね。
ぱつこ 大人になると、会食もあるし、飲み会もあるし、いっぱい食べちゃう日もあるじゃないですか。だから毎日、体重を計って一喜一憂するのもしんどいですよね。それに人間の体は約2週間で作り上げられるので、2週間前に食べたもの、運動したことが結果に出ると言われているんです。だから今日は食べ過ぎちゃったと感じたら、次の日は制限しようとか緩く考えて、全体のグラフを見ていくんです。あまり数字にこだわり過ぎると、それがストレスに繋がりますから。女性にも男性にもバイオリズムがあって、太りやすい時期と痩せやすい時期があるので、毎日じゃなくて、長い目で見ていくといいのではないでしょうか。
撮影/河野優太 取材・文/猪口貴裕