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2024/8/27 21:30

発売1か月で1万3000台の受注を記録した、ホンダのメガヒットSUVをチェック!

GetNaviが太鼓判を押す、2024年上半期ベストヒット! 今回は発売わずか1か月で1万3000台を受注したメガヒットSUVを紹介する。SUVらしい力強いスタイリングに加え、軽自動車を圧倒する低価格が若い層のニーズをガッチリつかみ、3月の発売以来快進撃を続けるホンダWR-V。好調なコンパクトSUVのなかでも特に注目度の高い同車の魅力をチェックした。

※こちらは「GetNavi」2024年8月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

私が解説します!

モータージャーナリスト

岡本幸一郎さん

新型車の情報ほぼすべてを網羅し、これまで試乗したクルマは1万台を優に超える。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

 

圧倒的コスパを誇る「みんなのSUV」登場

ホンダ
WR-V
209万8800〜248万9300円

ホンダがコンパクトクラスのクロスオーバーSUVをより増強するために送り込んだインド生産のニューモデル。すでにヴェゼルという定番の人気車があるからこそ、あえてひと味違った個性が与えられた。「X」「Z」「Z+」の3グレード体系。

SPEC【Z+】●全長×全幅×全高:4325×1790×1650mm●車両重量:1230㎏●パワーユニット:1496cc直列4DOHC●最高出力:118PS/6600rpm●最大トルク●142Nm/4300rpm●WLTCモード燃費:16.2km/L

 

割り切って低価格を実現。若々しいイメージが持ち味

3月に登場するや、わずか1か月で月販目標の4倍超となる累計約1万3000台を受注。その後も順調に受注を伸ばし、5月末時点で約1万5000台に達した。購入層は、軽自動車やコンパクトカー、SUV、ミニバンなどからの乗り替えるという人が多く、幅広い年代にわたるという。

人気の要因は、なによりも価格の安さにある。ホンダには同じクラスにヴェゼルというヒットモデルもあるが、価格帯が約265万円〜であるのに対し、WR-Vは上級グレードでも250万円未満と極めてリーズナブルだ。なぜそんな低価格が実現できたのか、そこには納得の理由がある。ハイブリッドや4WDをラインナップせず、自然吸気の1.5Lガソリンエンジンを積んだFFモデルのみと割り切り、装備類も極力シンプルな設定となっている。

しかも、日本とタイで共同開発することで、企画から商品化までの時間の短縮を図るとともに、開発コストの低減に成功した。さらには、アジア圏向け車両をインドでまとめて生産し、日本でもそれを輸入販売する。これらにより軽自動車もビックリの低価格を実現したのが特徴だ。
もちろんいくら安くても、クルマに魅力がなければ売れるわけがないが、WR-Vは商品性も高い。ユーザーからは、安心と信頼を感じさせるエクステリアデザインをはじめ、見晴らしが良く前方の距離感のつかみやすい運転視界や、クラストップレベルの荷室空間を実現したパッケージなどが好評という。また、元気がいいエンジンとステップアップシフトするCVTの組み合わせによる快活な走りや、後席も含め快適な乗り心地も強みだ。目新しさこそあまりないものの、安くて広くて見た目も走りも良く、若々しいイメージを感じさせる。

「みんなそろって、最高かよ。」のキャッチフレーズのとおり、親しい仲間と荷物を満載して出かける姿がよく似合いそうだ。

 

↑広さを訴求するTVCMのとおり荷室はかなり広い。センタータンクレイアウトではないが、隅々まで使えるよう配慮されている

 

↑車体は小さくても車内は広く、後席も十分な居住性を確保。このクラスとしては珍しく後席向けのエアコン送風口も設定されている

 

↑1.5Lのi-VTECエンジンの音をあえて車内でよく聞こえるように設計。インドでは「ホンダサウンド」として好評だという

 

売れ筋コンパクトSUV SPEC比較

日産 キックス(e-POWER/2WD)

<評価>

ハイブリッドや4WDも選択可能。後席は広くないが荷室は広い。このクラスでは珍しくパワーシートやパワーテールゲートの設定もあり。

 

トヨタ ヤリス クロス(ガソリン/2WD)

<評価>

ハイブリッドや4WDも選択可能。後席は広くないが荷室は広い。このクラスでは珍しくパワーシートやパワーテールゲートの設定もあり。

ホンダ WR-V(ガソリン/2WD)

<評価>

もっともSUVらしい雰囲気を持つ。後席や荷室の広さはトップレベルで、走りも快活。選択肢は限られるがコスパの高さが光る。