GetNaviが太鼓判を押す、2024年上半期ベストヒット! 今回は発売わずか1か月で1万3000台を受注したメガヒットSUVを紹介する。SUVらしい力強いスタイリングに加え、軽自動車を圧倒する低価格が若い層のニーズをガッチリつかみ、3月の発売以来快進撃を続けるホンダWR-V。好調なコンパクトSUVのなかでも特に注目度の高い同車の魅力をチェックした。
※こちらは「GetNavi」2024年8月号に掲載された記事を再編集したものです。
私が解説します!
モータージャーナリスト
岡本幸一郎さん
新型車の情報ほぼすべてを網羅し、これまで試乗したクルマは1万台を優に超える。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
圧倒的コスパを誇る「みんなのSUV」登場
ホンダ
WR-V
209万8800〜248万9300円
ホンダがコンパクトクラスのクロスオーバーSUVをより増強するために送り込んだインド生産のニューモデル。すでにヴェゼルという定番の人気車があるからこそ、あえてひと味違った個性が与えられた。「X」「Z」「Z+」の3グレード体系。
SPEC【Z+】●全長×全幅×全高:4325×1790×1650mm●車両重量:1230㎏●パワーユニット:1496cc直列4DOHC●最高出力:118PS/6600rpm●最大トルク●142Nm/4300rpm●WLTCモード燃費:16.2km/L
割り切って低価格を実現。若々しいイメージが持ち味
3月に登場するや、わずか1か月で月販目標の4倍超となる累計約1万3000台を受注。その後も順調に受注を伸ばし、5月末時点で約1万5000台に達した。購入層は、軽自動車やコンパクトカー、SUV、ミニバンなどからの乗り替えるという人が多く、幅広い年代にわたるという。
人気の要因は、なによりも価格の安さにある。ホンダには同じクラスにヴェゼルというヒットモデルもあるが、価格帯が約265万円〜であるのに対し、WR-Vは上級グレードでも250万円未満と極めてリーズナブルだ。なぜそんな低価格が実現できたのか、そこには納得の理由がある。ハイブリッドや4WDをラインナップせず、自然吸気の1.5Lガソリンエンジンを積んだFFモデルのみと割り切り、装備類も極力シンプルな設定となっている。
しかも、日本とタイで共同開発することで、企画から商品化までの時間の短縮を図るとともに、開発コストの低減に成功した。さらには、アジア圏向け車両をインドでまとめて生産し、日本でもそれを輸入販売する。これらにより軽自動車もビックリの低価格を実現したのが特徴だ。
もちろんいくら安くても、クルマに魅力がなければ売れるわけがないが、WR-Vは商品性も高い。ユーザーからは、安心と信頼を感じさせるエクステリアデザインをはじめ、見晴らしが良く前方の距離感のつかみやすい運転視界や、クラストップレベルの荷室空間を実現したパッケージなどが好評という。また、元気がいいエンジンとステップアップシフトするCVTの組み合わせによる快活な走りや、後席も含め快適な乗り心地も強みだ。目新しさこそあまりないものの、安くて広くて見た目も走りも良く、若々しいイメージを感じさせる。
「みんなそろって、最高かよ。」のキャッチフレーズのとおり、親しい仲間と荷物を満載して出かける姿がよく似合いそうだ。
売れ筋コンパクトSUV SPEC比較
日産 キックス(e-POWER/2WD)
<評価>
ハイブリッドや4WDも選択可能。後席は広くないが荷室は広い。このクラスでは珍しくパワーシートやパワーテールゲートの設定もあり。
トヨタ ヤリス クロス(ガソリン/2WD)
<評価>
ハイブリッドや4WDも選択可能。後席は広くないが荷室は広い。このクラスでは珍しくパワーシートやパワーテールゲートの設定もあり。
ホンダ WR-V(ガソリン/2WD)
<評価>
もっともSUVらしい雰囲気を持つ。後席や荷室の広さはトップレベルで、走りも快活。選択肢は限られるがコスパの高さが光る。