エンタメ
2024/8/29 21:30

クドカン脚本作品からネコミームまで! 2024年上半期ヒットしたコンテンツを紹介

GetNaviが声を大にして「2024年の上半期ベストヒット!」と断言したいモノ・コトを紹介する。今回はエンタメ編だ!

※こちらは「GetNavi」2024年8月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

私が解説します!

 

【その①】昭和らしさや“あるある”が、世のオヤジとティーンを虜に

金曜ドラマ
不適切にもほどがある!

宮藤官九郎脚本によるタイムスリップコメディ。第1話の無料配信が340万再生を突破し、歴代の金曜ドラマ初回の無料配信総再生数の記録を更新。第61回ギャラクシー賞では、テレビ部門特別賞とマイベストTV賞のダブル受賞を果たした。

<STORY>
口の悪い中学教師・小川市郎(阿部サダヲ)は、1986年から2024年にタイムスリップ。コンプラ意識の低い“昭和のおじさん”である彼は、令和ではギリギリ“不適切”な発言を繰り返す。だが市郎の言動は、コンプラで縛られた令和の人々に考えるきっかけを与えるのだった。

 

↑放送中に表示された注釈テロップやミュージカルシーン、昭和の懐かしい情景などがSNSで話題に。幾度もXのトレンド入りを獲得した

 

ココがヒットの理由

「コンプラとは程遠かったころを懐かしむ昭和世代と、そんな昭和が新鮮な令和世代にヒット。過激なセリフなどもりもりのコメディ要素に、ストーリーの伏線回収、最後は心に残るメッセージとクドカン脚本の真骨頂の作品です」(鈴木)

 

【その②】累積視聴時間が6億時間を突破した、上半期No.1の韓国ドラマ

涙の女王

離婚危機の夫婦が困難に直面し、関係を修復していく恋物語。「愛の不時着」を手掛けた脚本家の最新作で、配信前から日本でも話題に。主演俳優の演技力にも注目が集まり、13週連続でグローバルチャートTOP10入りした。

<STORY>
財閥3世の“デパートの女王”ことホン・ヘイン(キム・ジウォン)と、田舎出身でソウル大卒のペク・ヒョヌ(キム・スヒョン)は夫婦となるが、その関係は冷え切っていた。しかしヘインに起こったあることをきっかけに、ふたりの恋が再び動き出す。

 

韓国ドラマだけじゃない! 日本発のオリジナル作品もヒット

週間グローバルTOP10(非英語映画)初登場1位、そして世界32の国と地域でトップ10入りしたNetflix映画『シティーハンター』(Netflixにて世界独占配信中)、「忍びの家 House of Ninjas」など、日本発のオリジナル作品も世界で快進撃を見せている。

 

ココがヒットの理由

「格差婚、財閥、不治の病など、設定に目新しさはないものの、美しい演出と丁寧な心理描写でどっぷり世界観に浸れます。役者の熱演もスゴい! 特にキム・ジウォンの表情、涙の演技が素晴らしく、感情移入してしまいます」(えんどう)

 

【その③】劇場版シリーズの累計観客動員数は1億人を突破

名探偵コナン100万ドルの五稜星

劇場版シリーズ27作目。公開63日にして観客動員数1030万人、147億円の興行収入を更新中。シリーズ歴代1位の記録を更新した。原作マンガの連載スタートから30年が経った現在も、その人気はとどまることを知らない!

<STORY>
函館にある斧江財閥の収蔵庫に怪盗キッドからの予告状が届く。今回彼が狙うのは、土方歳三にまつわる日本刀だ。一方、西の名探偵・服部平次とコナンたちも剣道大会のために函館を訪れていた。犯行予告当日、平次がキッドの変装を見破り、追い詰めるが……!?

 

↑30年間未公開だったコナン・新一の設定画など貴重な資料が展示されている「連載30周年記念 名探偵コナン展」が、全国各地で開催。下半期は大阪、広島、横浜、名古屋、台北で開催される予定だ

 

ココがヒットの理由

「劇場版も27作目ですが、こんなにシリーズを重ねてもあっと驚く新展開が用意されていることに脱帽。ファンを飽きさせないバリエーションの豊富さ、そして、ファン間の団結力を高める工夫が人気の秘訣です!」(えんどう)

 

【その④】日本だけでなく、世界のアニメファンが大注目

怪獣8号

怪獣発生率が世界屈指の日本が舞台のバトルアクションアニメ。多くのサブスクで毎週視聴ランキング上位に。「少年ジャンプ+」(集英社)で連載中の原作は同アプリ史上最速で累計100万部を突破し、単行本は国内累計発行部数1500万部。

<STORY>
怪獣を討伐する「日本防衛隊」への入隊を目指していた日比野カフカは夢破れ、怪獣専門の清掃業者に勤務。同じ志を持つ市川レノとの出会いをきっかけに、カフカは再び入隊を志す。しかしそんな最中、謎の小型怪獣に寄生され、怪獣に変身してしまい……!?

 

↑フランスをはじめ、海外での人気度も高い。最新話が更新されるたびに、海外アニメファンのSNSが盛り上がる

 

ココがヒットの理由

「制作会社、キャラデザ、総作画監督が『攻殻機動隊』シリーズと同じProduction I.G、さらに怪獣のデザインはスタジオカラーが担当という豪華スタッフ陣で、キャラの動きがとにかくカッコ良い! カフカのお茶目な性格も◎」(えんどう)

 

【その⑤】K-POP第5世代の最注目ガールズグループ

ILLIT(アイリット)
BTSなどが所属する韓国の芸能事務所・HYBE主催のサバイバル番組から選ばれた5人組。デビューミニアルバムのタイトル曲「Magnetic」がSNSでバズり、世界のチャートでロングヒット中だ。メンバーのうち2名が日本人。

 

↑TikTokなどで「Magnetic」のダンス動画が大バズり。SpotifyではK-POP女性グループのデビュー曲史上最速で2億ストリーミングを記録

 

ココがヒットの理由

「キュート&キャッチーな“Ma gneticダンス”がみんなの心を鷲掴みし、TikTokなどで大人気に。アメリカでもヒットチャートにランクイン、日本国内だけでも累計再生回数1億回を突破するなど、グローバルにブレイクしました」

 

【その⑥】上半期、世界で最もヒットした日本発の大バズりソング

テレビアニメ「マッシュル-MASHLE-神覚者候補選抜試験編」オープニング曲
Creepy Nuts
Bling-Bang-Bang-Born

テレビアニメ「マッシュル-MASHLE-」の第2期オープニング曲として起用され、主人公が踊るコミカルなダンスと共に注目を集めてTikTokを中心に話題に。世界規模でストリーミングが急上昇し、Billboard JAPANの「Global Japan Songs Excl. Japan」では19連覇を達成した。

 

ココがヒットの理由

「発売1か月でMVの再生回数1億6000万回超え、3か月でストリーミング累計回数3億回超えと世界中を席巻中。多彩な声を使い分けるR-指定の高速ラップが一度聴いたらクセになります」

 

【その⑦】“拡散×新たな投稿”の相乗効果で加速度的に増殖

猫ミーム

ネット上でバズった猫の画像や動画を素材にキャプションやコメントをつけ、「ブラック企業社員の1日」「アパレル店員の日常」など、人の日常を再現したショート動画。TikTokやYouTubeショートで拡散され、加速度的に増えた。

 

↑踊っているような動きや人間らしい表情をした猫の素材が多用される。「チピチピチャパチャパ」など中毒性のあるBGMが使われるのも特徴だ

 

ココがヒットの理由

「日常生活での理不尽な“あるある”や暗くなる気持ちも、猫たちが再現してくれることで癒されます。素材動画まであるので、猫が近くにいなくても自分で動画作成が可能。猫から様々な動物へと発展しています!」(鈴木)

 

【その⑧】シリーズ史上最速で、国内累計出荷数が20万本突破

スパイク・チュンソフト
不思議のダンジョン 風来のシレン6 とぐろ島探検録

“1000回遊べる”として人気を博すダンジョン模索型RPGシリーズの、約14年ぶりとなる完全新作。入るたびに形を変える“不思議のダンジョン”を探索し、様々な障害を知恵と経験とひらめきで乗り越えてダンジョンの踏破を目指す。

 

↑“スリルに満ちた緊張感溢れる冒険が楽しめる”という従来のゲーム性はそのままに、新要素を多数実装。画面も3Dグラフィックになった

 

ココがヒットの理由

「14年ぶりの新作ということで古参ファンが歓喜し、シリーズ最高ペースの売上を記録しました。また、高難度なためゲーム実況も盛り上がり、若い世代の認知度も増しています。奥深いゲーム性が再評価された格好です」(卯月)

 

【その⑨】デビュー作としては異例! ブックアワードで15冠を達成

成瀬は天下を取りにいく

宮島未奈・作 新潮社刊

主人公の我が道を突き進む姿が熱烈な支持を集め、発売時には多くの著名人から推薦文が寄せられた、宮島未奈のデビュー作。本屋大賞、坪田譲治文学賞をはじめ、これまでに15冠を達成。紙の書籍だけで累計50万部を突破した。

<STORY>
我が道を行く少女・成瀬あかりは2020年、コロナ禍で閉店を控える西武大津店に通い、ローカル番組の生中継に映り込むと言い出す。成瀬は西武ライオンズのユニホームを着て、西武に毎日通うが……。「ありがとう西武大津店」ほか、全6編収録。

 

↑ウェブマンガ誌「コミックバンチKai」、「くらげバンチ」(共に新潮社)にて、5月よりコミカライズ版の連載もスタートした

 

ココがヒットの理由

「『笑える青春小説』と口コミで広まっていたところに、本屋大賞受賞が乗っかって大ブレイクしました。天才の変人で思うままに突き進む少女・成瀬の生き方は、空気を読みすぎる現代社会に風穴を開けてくれます」(卯月)