2025年10月14日、マイクロソフトはWindows 10向けの無料ソフトウェア更新プログラムやセキュリティ修正プログラムの提供を終了します。その後は多くのWindows 10 PCがサイバー攻撃に対して無防備になる可能性が高いと、米Ars Technicaが警告しています。
有料の拡張セキュリティ更新(ESU)プログラムを購入すれば、さらに3年間のアップデートを受けられます。まだマイクロソフトはその料金を発表していませんが、「サポート終了の 2025 年 10 月の日付に近い」タイミングで公表する予定と述べています。
Windows 7やWindows 8のサポートも2023年1月に打ち切られており、いまだに稼働しているものの、世界が終わったわけではありません。ただし、Windows 10のサポート終了については、過去のWindowsと異なる点が三つあります。
一つ目は、Windowsの世代交代からセキュリティ更新プログラムが停止されるまでの期間が史上最も短いこと。Windows 8の場合、2015年後半にWindows 10が登場した後でもサポートは2023年1月まで続きました。Windows 7は2012年後半に交替した後も2020年1月まで継続。どちらも猶予が7年以上あり、Windows 10の4年強と比べると差が歴然としています(2021年6月にWindows 11が発表)。
二つ目は、Windows 10を使っているユーザーが非常に多いこと。2024年9月のデータによると、全世界のアクティブなWindowsシステムのほぼ3分の2を占めています。
これに対し、Windows 8は2022年1月時点で全Windows PCのわずか3%、Windows 7は2019年1月時点で35%でした。
三つ目に、多くのWindows 10 PCはシステム要件を満たしていないため、少なくとも公式にはWindows 11にアップデートできません。Windows 11の普及が遅れている背景には、2018年以前に発売されたPCでは、回避策なしではWindows 11が動かないという事実があります。
もちろん、セキュリティ更新が打ち切られた後も、Windows 10 PCを使い続けることはできます。しかし、ハッカーの攻撃に対しては丸裸に近くなり、個人の用途であれば自己責任で済むものの、顧客のデータを預かる業務用マシンであれば、多大なリスクを背負うでしょう。
あと1年のうちに、危険を覚悟で古いWindows 10 PCを無防備に使い続けるか、Windows 10のままでESUプログラムにお金を払うか、それともWindows 11 PCに買い換えるかの選択を迫られることになりそうです。
Source: Microsoft
via: Ars Technica