米国ラスベガスで2017年1月5日~8日(現地時間)にかけて開催された世界最大の家電見本市「CES 2017」。その会場で見つけた海外オーディオブランドの新製品をまとめてお届けします。
ゼンハイザーからは人気イヤホンのワイヤレスモデルが登場
日本でも人気のヘッドホン・イヤホンブランドからも注目の新製品が発売されそうです。ゼンハイザーからは人気のイヤホン「Momentum In-Ear」をベースにしたネックバンドタイプのイヤホン「Momentum In-Ear Wireless」が登場。北米では1月末に199.95ドルで販売を予定しているそうです。
クリアな中高域、線のしっかりとした力強い低域を再現できるスタイリッシュでハイコスパなイヤホンとして「Momentum In-Ear」は幅広い音楽ファンに人気のイヤホンです。本製品は、「その特徴をワイヤレスになってもそのまま再現したかった。そして実現した」とゼンハイザーの開発者が力を込めてアピールするワイヤレスイヤホンです。オーディオコーデックはaptXとAACの両方をサポート。ネックバンドにシープスキンレザーを使って、柔らかな装着感を実現するなど、Momentumシリーズの名に恥じないラグジュアリーだけど、コストパフォーマンスも非常に高い人気モデルになりそうです。
AKGのハイブリッドイヤホン「N30」
AKGの注目株はハイレゾイヤホン「N30」です。日本でも先行して発売された「N40」の弟分で、同じダイナミックとBA(バランスド・アーマチュア)のハイブリッドドライバーを搭載しています。リケーブルにももちろん対応。ユーザーがサウンドのカスタマイズを自由に、手軽に楽しめるように用意されたアコースティックフィルターの数を絞り込むなどして、N40の販売価格を100ドル抑えた299ドルで発売を予定しています。これは筆者も非常に物欲をそそられた新製品です。
同じAKGからはダイナミック型ドライバーを2基搭載したハイレゾイヤホン「N25」や、N20をベースにプレーヤー側の端子をLightningコネクターにして、48kHz/24bitのDACも内蔵した「N20LT」などの注目機が登場しています。
ちなみにLightning端子仕様のイヤホンはゼンハイザーもMomentum In-Earをベースにした新製品を用意しているようです。iPhone 7の発売後、ワイヤレスオーディオに比べていまいち盛り上がりに欠けるように感じられていたLightningイヤホンも、今年からいよいよ本格始動するのではないでしょうか。
ベイヤーダイナミック初のイヤホンも
ドイツのベイヤーダイナミックからは、同社が誇る独自技術の「テスラテクノロジー」を採用した、ベイヤーダイナミックとしては初めてのイヤホン「Xelento remote」が1月に北米で発売されます。価格は999ドル。テスラテクノロジーを搭載したイヤホンといえば、Astell&Kernの「AK T8iE」も有名ですが、ベースの技術を開発したブランドはベイヤーダイナミックです。同社で技術開発に関わったスタッフは「原音を自然に、かつ忠実に再現できるようにチューニングしたところがXelento remoteならではの魅力」と語っています。実機を試聴してみても、各帯域のバランスがよく存在感もしっかりとした音を出すイヤホンです。日本での発売もそう遠くないものと期待したいところです。
クリプシュ「HERITAGE」シリーズがデビュー
米クリプシュからは、木の魅力にこだわった高級ヘッドホン「HERITAGE」シリーズがデビューします。ラインナップは大きく3つの種類に分かれ、最上位の「HP-3」は999ドルの半密閉型ハイエンドヘッドホンです。52mm口径の大型ドライバーは音質に優れた特性を備えたバイオセルロース振動板を採用。HP-2、HP-1と順にラインナップを展開して2017年内にはすべての機種が揃う計画を発表しました。なおシリーズの中ではエントリーに当たる「HP-1」には、ワイヤレス+ノイズキャンセリングヘッドホンのバリエーションも加わるようです。
あのMojoを拡張する「Poly」がついにお目見え
英CHORD Electronicsのポタアン「Mojo」の機能を拡張するモジュール「Poly」もCESで発表されました。Mojoが発表されたころから開発がウワサされていた製品で、SDカードスロットやWi-Fiを備え、microUSBでMojoにつなげばポータブルオーディオプレーヤのような使い方ができるようになります。英国では2017年前半に、499.99ポンドで発売を予定しています。
このほか、12月に秋葉原で開催されたポタフェスで展示されたAstell&Kernの「AK380SS」は、北米で1月末に4999ドルで発売されることが明らかになりました。
今回のCES 2017では、今年のオーディオ業界のゆくえを示す最先端の製品が多数登場していました。いずれも日本での発売は未定ですが、国内での正式発表にも期待がかかります。