ニトリの冷蔵庫が柔軟すぎ?1℃刻みで調節できる「変温室」の絶大メリットを家電のプロがレポート

ink_pen 2025/7/11
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ニトリの冷蔵庫が柔軟すぎ?1℃刻みで調節できる「変温室」の絶大メリットを家電のプロがレポート
近藤 克己
こんどうかつみ
近藤 克己

1966年生まれ、福島県出身。大学では考古学を専攻。主に生活家電を中心に執筆活動する家電&デジタルライター。レビューや検証記事では、オジさん目線を大切にしている。得意分野は家電流通・家電量販店。趣味は、ゴルフ、ギター、山登り、アニメ、漫画、歴史、猫。

提供:株式会社ニトリ

家電って、自分の使い方に合わせてカスタマイズできないものが多いですよね? 冷蔵庫も、使い方が固定されており、買ったときのままの設定で使っている人が多いはず。ところが、2025年の6月、ニトリが臨機応変に使い方を変えられる「まんなか切替冷蔵庫」を発売したとのこと。いったい何が切り替え可能で、どのように便利になるのか? 急遽、ニトリのモニタールームに行き、ウワサの冷蔵庫を徹底的にチェックしてきました!

↑ニトリの変温室搭載「まんなか切替冷蔵庫」の実力をチェック!

ニトリはユーザーのニーズに応えた大型オリジナル家電を続々と開発

ニトリの家電というと、トースターや電気ケトルといった、シンプルで小型の低価格製品をイメージする人も多いのではないでしょうか。しかし最近では、大型家電を相次いで開発し、好調な売れ行きを見せています。

その好調の理由は、ユーザー目線。例えば、室内機・室外機の両方を凍らせて汚れを洗い流す氷解洗浄機能を搭載したエアコンや、一人暮らし向けの10万円を切るドラム式洗濯乾燥機、1万円以下でイオンをたっぷり放出する軽量なドライヤーなど、うれしい機能を搭載した家電で、立て続けにヒットを飛ばしています。ただ安いだけじゃなく、ユーザーの“これがあったらいいな”に応えたオリジナルモデルが多いのです。

↑9万9900円(税込)という10万円を切る価格で話題となった「10kgドラム式洗濯乾燥機」 (ND100KL1 ホワイト)。

「変温室」の温度を自由に変えられるのは貴重!

6月中旬から全国のニトリ店舗およびニトリネットで販売を開始した「まんなか切替冷蔵庫」は、2~3人暮らしをターゲットにしたモデル。一見するとシンプルな3ドアの中型冷蔵庫に見えます。総容量(全定格内容積)は271Lで、各室の容積は上から、冷蔵室135L、変温室36L、冷凍室100Lとなっています。

↑今回チェックした、ニトリの「まんなか切替冷蔵庫」。
↑冷蔵室は片側右開きで容量135L。最下段には野菜等を入れられる引き出し式のバスケットを備える。
↑真ん中には、この冷蔵庫の最大の特徴となる容量36Lの「変温室」がある。
↑冷凍室は3段の引き出し式。引き出し3つで合計100Lの容量となる。

……ん、「変温室」って何? と疑問に思った方、確かに、冷蔵庫では聞きなれない言葉ですよね。実は、この「変温室」こそが「まんなか切替冷蔵庫」の最大の特徴なのです。

真ん中の「変温室」はその名の通り、庫内の温度を自由に切り替えられ、冷蔵室にも冷凍室にもできるという機能を持っています。冷蔵室のチルドルームの温度が変えられるモデル、冷蔵庫すべてを冷蔵/冷凍で切り替えられるモデルは他にもありますが、この価格帯で1室のみの温度を1℃単位で自由に変えられるモデルは極めて貴重なのです。

食材を長持ちさせ調理もしやすい「微凍結」「弱冷凍」が使える!

「変温室」は、約5℃から-約18℃まで、1℃刻みで細かく設定できるようになっています。これにより、野菜を保存するならば約5℃、一般的な冷蔵ならば2℃~5℃、乳製品を保存するなら0℃~3℃のチルドにするという具合に、食材によって温度帯を変えることが可能。たとえば、週末に作り置きのおかずを大量に作ったときは冷蔵にする、クリスマスにホールケーキを作ったときはチルドにするなど、時節や食品の量に応じて使い方を変えることができるのです。

↑約-18℃の冷凍から約5℃の冷蔵まで自由に温度設定できる。

そして、約-3℃~0℃に設定すれば食品は「微凍結」状態になります。ギリギリ凍らない温度帯で保存することにより、牛のもも肉ならば約10日間と、肉や魚介類などの生鮮食品をより長く保存できるようになります(※1)。さらに、約-5℃~約-3℃の「弱冷凍」ならば、ひき肉などが凍ったまま包丁でサクッと切れてそのまま調理に使えるようになります。解凍の手間がなくなって時短できるだけではなく、使いたいときに使いたいぶんだけ使えるので、食品ロスを防ぐこともできるのです。

※1:食品の種類や投入時の鮮度状態により異なります。あくまで目安としてご参考ください。表記の保管期間を保証するものではなく、賞味・消費期限を延長するものではありません。周囲温度約25℃で温度設定を温度レベル-3にて検証した結果となります。【試験依頼先】(一財)日本食品分析センター

↑弱冷凍で保存すれば肉を凍ったまま切って(※2)そのまま調理することができる。いちいち解凍する手間がないので時短になるし、解凍後に切った残りを再冷凍することで肉が傷む心配もない。

※2:食品の種類・入れ方・大きさなどにより凍りすぎる場合があります。すぐに切れない場合は、常温で少し解凍してから切り分けてください。自社調べ(周囲温度約25℃で検証した結果となります)

もちろん、食材がカッチカチに凍る冷凍庫にも変更できます。その場合、買い物カゴ約1.2個分の冷凍スペースが増えることになるわけで、もともとの冷凍室と合わせて136Lとなり、買い物カゴ約4.5個分の冷凍スペースが確保可能になります。巨大スーパーに行ってアイスクリームや冷凍食品を大量に買ってきたときや、ふるさと納税の返礼品で冷凍食品が届いたときも安心ですね。

なお、「どの食材がどの温度帯に適しているのかわからない」と不安に思う人もいるはず。安心してください。冷蔵室のドアの内側にわかりやすく書いてあるので、気軽にチェックできますよ。

↑冷蔵室の扉の内側に、食材ごとに適した温度設定が分かりやすく表記されている。ちなみに、変温室を5℃から-18℃に下げるまでは1時間程度かかるほか、-18℃から5℃まで上げるのには2時間半程度かかる点に注意しよう。

手軽に温度調節できるドア外側の操作パネルが便利!

そのほか、これは使いやすい! と思ったのが、操作パネルが冷蔵室のドア前面にあること。高価なモデルでも操作パネルが冷蔵室内に設置していることが多く、温度を変更するときは扉を開けっ放しにするので、庫内温度の上昇や電気代も気になります。その点、このモデルならドアを閉めたまま温度設定ができるので、そんな心配もナシ。

↑温度設定パネルは冷蔵室の扉前面にあり操作しやすい。
↑パネルでは冷蔵室、変温室、冷凍室それぞれ温度設定ができる。設定温度は約-18℃から約5℃まで。急冷モード/急凍モード/普通モードの3つのモードも搭載。

さらに、ドアの外側に操作パネルがあることで、電気代の節約にもつながります。冷蔵庫の設定温度は、夏は低めに、冬は高めにするのが基本ですが、操作パネルが庫内にあるとつい忘れがちになります。しかし、扉の外にパネルがあれば、冷蔵庫の前に立つたびに目に入るので、秋になって気温が下がってきたな……と感じたら、その都度、設定温度を上げていく、ということができるのです。ちなみに、一般家庭で最も電気を使っているのが冷蔵庫。電気代の20%ほどを占めているので、こまめな温度調節ができれば、光熱費の節約につながります。

移動できる冷蔵室の棚と冷凍室の絶妙な高さがいい!

ほかにも使い勝手のよい点があります。まずは、冷蔵室の棚が移動できること。冷蔵室の下段には高さが違う棚受けレールが2つ付いていて、これがあるのとないのでは大違い。調味料やビール缶など、背の高い食材をタテに入れて庫内を効率よく使いたいとき、高さが変えられるのは便利です。

↑冷蔵室の棚の高さを調節すれば、鍋をそのまま入れることもできる。

もうひとつが、冷凍庫が3段の引き出しになっていること。冷凍食品は長方形のパックがほとんどなので、平積みして保存しておくより、タテにして詰め込んだほうがより多く収納でき、探しやすくなります。引き出し1段の深さが、ちょうど冷凍食品のパックを立てた場合と同じ高さに設定されていて、お弁当用などにたくさん冷凍食品を保存する人には、使いやすい仕様になっています。

↑冷凍食品を立ててきっちり収納できる。探しやすいし取り出しやすい。
↑たまごケースと製氷皿も付属する。

部屋のイメージに応じてホワイトとブラックの2色から選べる

なお、デザインは全体的にシンプルで落ち着いたイメージ。ドアの上部はヘアライン加工されており、さりげなく高級感を取り入れています。カラバリはホワイトだけではなく、ヘアライン加工が引き立つブラックも用意。ナチュラル系のキッチンならホワイトを選び、モノトーンでシックにまとめたい場合はブラックを選ぶなど、好みのイメージに応じて選ぶことができます。

↑扉上部にヘアライン加工を施している。扉を開けた時にちょっとした上質感が味わえる。
↑カラバリはブラック(左)とホワイト(右)の2色を用意する。

続々登場するニトリオリジナル家電から目が離せない

ニトリは便利な生活雑貨を多数そろえており、店内を巡っていると「これは便利!」「こういうのが欲しかったんだよ」というものに出会えます。冷蔵庫グッズに関しても、ビール缶が手前に自動で転がるトレイやチューブ調味料ホルダー、マヨネーズ・ケチャップを逆さに立てて収納できるスタンドなど、目からウロコな商品がいっぱい。

↑ニトリ店内で販売されている「丈夫で割れにくい冷蔵庫トレー 350mL缶用(Nブラン)」。こうした小物を使えば、さらに使い勝手がよくなる。

これまではこうした小物雑貨を中心にチェックしており、家電コーナーはあまり気に留めてきませんでしたが、ここにきてリーズナブルかつ使い勝手の良いオリジナル商品が続々と登場。エアコン、ドラム式洗濯乾燥機、ドライヤー、冷蔵庫、さらには2品同時温めできるオーブンレンジ、65V型の壁掛け大画面テレビ、折り畳めるコードレス扇風機など、注目の商品が目白押しです。

そして、今回紹介した「まんなか切替冷蔵庫」。一般的に、この価格帯の冷蔵庫は単に冷やすだけのシンプルモデルが多いのですが、使い勝手のよい「変温室」を備えた点は、まさに「お、ねだん以上。」。週末に食材をまとめ買い&作り置きする人や、便利な微凍結・弱冷凍を使いたい人、イベントや季節行事が多い人、業務スーパーやふるさと納税を活用している人など、食材を柔軟に管理したい家庭にとって強い味方になるでしょう。みなさんもぜひ、これからのニトリの家電コーナーに注目してみてください!

ニトリ
まんなか切替冷蔵庫
6万9900円(税込/※)

※一部離島では別途手数料がかかります

SPEC●定格内容積:271L(冷蔵室135L、冷凍室:100L、変温室36L)●年間消費電力量:変温室「冷凍」時345kWh/年、変温室「冷蔵」時339kWh/年●定格電圧:AC100V 50Hz/60Hz●サイズ/質量(約):本体のみ幅56.2×奥行59.5×高さ177.8cm/52kg

撮影/鈴木謙介