イヤホン・ヘッドホン専門店のe☆イヤホンは、中国の新進オーディオメーカー「KINERA」(キネラ)とコラボしたハイブリッド型イヤホン「Bd005E」を、4月28日よりe☆イヤホン各店およびウェブサイトで発売しました。価格は3890円。
「Bd005E」は、KINERAが自社開発したBAドライバー搭載した「Bd005」をベースに、日本市場向けにシェル構造などを変更して高音質化を図ったモデル。末尾の「E」は、e☆イヤホンとのコラボモデルであることを示しています。
特徴は、3000円台という低価格ながら、BAドライバー×1基と9mm径のダイナミックドライバー×1基を搭載したハイブリッド型であること。また、ケーブルの着脱が可能なMMCXコネクタを採用し、リケーブルによる音質変化も楽しめる仕様になっています。
また、耳にかけるように装着するイヤモニ型デザインを採用しており、ワイヤー入りのケーブルで安定した装着感を実現。スマホなどで再生/一時停止などの操作ができる1ボタンリモコンも備えています。
再生周波数帯域は20Hz~20kHzでハイレゾ対応モデルではありませんが、国内のオーディオメーカーであれば、1万円以上は間違いないスペックです。はたして肝心の音質や装着感はどうなのでしょうか。
スマホ派にオススメの低音重視サウンド
今回、ゲットナビ編集部では発売されたばかりの現物を入手しましたので、さっそくその音を聴いてみました。試聴に使ったのはAstell & Kernのハイレゾプレーヤー「AK70」。比較として、パイオニアのハイレゾ対応イヤホン「SE-CH9T-K」(実売価格1万円前後)も用意し、聴き比べています。
まず最初に聴いたのは、1981年にリリースされた松田聖子の3rdアルバム「Silhouette 〜シルエット〜」のハイレゾ版(96kHz/24bit)に収録されている「チェリーブラッサム」。新緑のこの季節にぴったりなアップテンポの曲です。
はじめにBd005Eで聴いてみると、第一印象は「低音がかなり強め」。聴き比べたSE-CH9T-Kをはじめ、最近のイヤホンはハイレゾ対応のせいか高音重視でスッキリしたサウンドのものが多い印象ですが、Bd005Eは低音重視のバランスになっています。低音はボワッとした感じで引き締まってはいませんが、量感のある押し出しの強いサウンドです。
また、BAドライバーも搭載したハイブリッド型ということもあり、低音重視のイヤホンにありがちな「低音の迫力に中高域の音が埋もれてしまう」ということはありません。ボーカルやバックの演奏もしっかり聴こえます。SE-CH9T-Kに比べると音場は狭く、ハイレゾ音源ならではの音の広がりや伸びはあまり感じることができませんが、倍以上の価格差を考えると健闘しているのではないでしょうか。
低音成分の少ない80年代の曲でこれだけ低音が出るということは、最近の音圧の強い曲だとどうなるのか……と思い、続いてモーニング娘。’17の最新曲「ジェラシー ジェラシー」(96kHz/24bit)を聴いてみることに。同曲はファンクの要素も取り入れたアッパーな打ち込みサウンドですが、Bd005Eでは低音が強すぎて全体のバランスがやや崩れてしまったように聴こえました。低音がドカドカ鳴るなかでもボーカルはしっかり聴こえるので、まるでモーニング娘。’17のみなさんが、爆音バイクに取り囲まれながら歌っているかのようなイメージに……音圧強めの楽曲を聴くときは、EQで低音を調整したほうがいいでしょう。
最後に、同じ曲(「チェリーブラッサム」と「ジェラシー ジェラシー」)をAAC 256kbpsに変換し手持ちのiPhoneで聴いてみたところ、SE-CH9T-Kだとスッキリし過ぎて少し物足りない印象でしたが、Bd005Eはちょうどいい感じに低音が効いてどちらの曲もバランスよく聴けました。音楽専用プレーヤーに比べて出力の弱いスマホでは、押し出しの強いBd005Eのほうがうまくハマるようです。
音質以外に特筆すべきは、装着感と遮音性です。このBd005Eは、いわゆる“シュア掛け”ができ、耳にぴったり収まるサイズ感なので遮音性がとても高いです。電車や地下鉄など、周囲の音がうるさい環境で音楽をよく聴く人にオススメ。耳掛け部のワイヤーは固めで装着にはやや手間取りましたが、いったんハマるとしっかり固定してくれ、耳からズレたり外れたりしません。
スマホと組み合わせて通勤・通学で音楽を聴く、という使い方にピッタリな、コストパフォーマンスの高いイヤホンといえるでしょう。
Bd005Eは、e☆イヤホン全店で試聴が可能なほか、5月7日(日)に大阪・ハービスホールで開催される「ポタフェス大阪・梅田」でも試聴・購入が可能ということですので、気になった方はぜひチェックしてみて下さい。