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2017/5/19 21:00

【最新CDラジカセ聴き比べ】SDカードにUSBに。デジタル録音機能が超便利! 東芝「TY-CDX9」

アナログレコードの再評価に続いて巻き起こっているカセットテープのブーム再燃。そして昨年あたりからはラジオのFM補完放送(ワイドFM)対応なども後押しをする形となり、いま再び“ラジカセ”に注目が集まっています。特に、CD+ラジオ+カセットデッキ一体型の懐かしの“CDラジカセ”が、2017年の現代に大手メーカーからぞくぞく発売されているという事実! みなさんはご存じでしたか?

 

そんな最新CDラジカセでいったい何が起きているのか。パナソニック「RX-D47」を使い倒した前回に続き、今回は東芝の最新モデルをレビューします。ラインナップ充実の東芝ラジオの中でも、製品数の多い「CDラジオ」ではなくカセットテープレコーダー付きの「CDラジカセ」をチェック。最上位モデルは「TY-CDX9」という製品になります。

 

CD・ラジオ・カセットテープの音をMP3化して保存

東芝のCDラジカセでは「TY-CDX9」のほかに「TY-CDK9」という低価格版も発売中。両者の違いはカラーリング(「CDX9」はサテンゴールドのみ、「CDK9」はシルバー、ホワイトの2色)のほか、「デジタル録音機能の有無」となっています。

↑「TY-CDX9」本体前面
↑「TY-CDX9」本体前面

 

今回試す「TY-CDX9」の目玉はまさにそのデジタル録音機能。これはCD・ラジオ・カセットテープなどの音をMP3形式でSDカードやUSBメモリに保存できるというもの。カセットテープのデジタル化はもちろん、ラジオの最新番組を効率よく保存するのにも使えるし、これは昔ながらのラジカセとはひと味違う使い勝手を発揮してくれそう!

↑「TY-CDX9」本体上部
↑「TY-CDX9」本体上部

 

↑本体上部収納式のリモコンが付属
↑本体上部収納式のリモコンが付属

 

↑本体前面下部にSDカードスロットとUSB端子を搭載。SDカード(SDHC対応)、USBメモリともに最大32GBまで認識できる
↑本体前面下部にSDカードスロットとUSB端子を搭載。SDカード(SDHC対応)、USBメモリともに最大32GBまで認識できる

 

CDからの録音も倍速で黙々とMP3データ化!

「TY-CDX9」を試すならぜひ徹底的にデジタル録音をやってみたい、ということで、まずは小手調べとして音楽CDの録音から実践。

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↑CDは本体上部にセット。フタは上からプッシュして開く昔ながらのラジカセらしいタイプ

 

本製品でのデジタル録音は、基本的に音源をリアルタイムに再生しながら録音する(録音には音源と同じ時間がかかる)仕組み。ただし音楽CDについては「倍速録音」という機能があり、SDカードやUSBメモリにMP3形式ですばやく録音することができます。

↑それぞれ保存先に応じた録音ボタンと、音楽CD用の倍速録音ボタンが用意されている
↑それぞれ保存先に応じた録音ボタンと、音楽CD用の倍速録音ボタンが用意されている

 

倍速録音を選ぶと本体からは音が出ず、タイムカウンターだけが動いて静かに録音の進捗を示します。

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録音したデータ(MP3形式、ビットレートは192kbpsで固定)は、本製品でそのままSDカードやUSBメモリから再生することが可能。CDの曲名などは取得できませんが、トラックの切れ目ごとにファイルが分割されていました。これ、CDを普段PCで取り込んでいる人にとっては特段便利ではありませんが、そうでない人にとっては結構重宝するかも……。

 

ラジオの録音も大容量メモリで長時間でも余裕

続いてラジオのデジタル録音を試してみます。冒頭で述べたように、本製品では「ワイドFM」に対応。FMの周波数(90.1MHz~)でAM放送を受信できるようになったこの仕組みにより、ラジオ聴取の快適性は格段にアップしました。従来はノイズが入りやすかったAMの番組も、ワイドFMの周波数ならよりクリアな音質で楽しめます。

↑背部にはFMラジオ用の伸縮式ホイップアンテナを装備
↑背部にはFMラジオ用の伸縮式ホイップアンテナを装備

 

ちなみにラジオの周波数は5つまでプリセットに登録することができ、そのプリセットは本体ボタン、リモコンのボタンから一発で呼び出せます。この選局機能と音量の調節だけでも、リモコンがある恩恵は大きいですね。

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そしてAM・FMともに、放送の受信中に録音ボタンを押すだけのシンプルな録音機能。タイマー予約機能がないのが残念ですが、録音時間が数十分までに限られるカセットテープに比べデジタル録音はかなり強力です。データもMP3形式なので利便性が高く、音源はSDカードやUSBメモリからそのままラジカセ本体を使って再生することももちろん可能。

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なお、録音したデータをPCで確認してみると、こんな感じのMP3ファイルになっていました(ビットレートはいずれも192kbps)。約3時間の番組でファイルサイズは250MB程度だったので、大容量のSDカード・USBメモリを用意しておけば余裕たっぷりですね。

 

カセットテープ録音MP3化して保存する!

続いてカセットテープです。本製品ではカセットテープに新規に録音することももちろんできますが、昔のカセットテープをデジタル化してSDカードやUSBメモリに保存できるのが大きな特長。筆者も、自宅の押し入れに眠っていた懐かしテープ(90年代J-POPのヒットチャート寄せ集め的な……)をそのままデジタル録音してみることにしました。

↑カセットテープは、本体前面のフタをプッシュ・オープンしてセットする
↑カセットテープは、本体前面のフタをプッシュ・オープンしてセットする

 

USBメモリやSDカードを使ってデジタル録音を試してみたところ、トラックが曲単位で自動区切りされないのがやや不便。曲ごとに区切りが欲しい場合は、そのつど録音を止める必要があります(無音部分を検出して自動区切りが入ってくれたらよかった……)。とはいえ、PC不要でカセットテープを気軽にデジタル化できるのはやっぱりありがたい。

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ちなみに本製品には「テープセレクト」のスイッチが設けられており、カセットテープのポジション切り替えが可能。これを「ハイ」に入れると、いわゆるハイポジ、メタルテープの再生に音質を最適化することができます。

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↑「テープセレクト」のスイッチ

 

↑検証用に発掘したハイポジのテープ。スイッチの切り替えで、確かに音質がちょっとだけ変わって聞こえました
↑検証用に発掘したハイポジのテープ。スイッチの切り替えで、音質がちょっとだけ変化しました

 

とにかくデジタル録音機能が便利

ラジカセ本体の音質は全体的にこもり気味の印象でしたが、付属のリモコンで「音質」というボタンを押すと高音・低音を強調した音に変わり聴きやすくなります(音質の変更機能はこの一種類のみ)。操作性は、機能が豊富なぶん本体のボタンが非常に多くなったのが良し悪しといったところ。機械が苦手な方には少しとっつきづらいかもしれません。それをフォローする意味でも、簡易的な操作ができるリモコン付属はありがたいポイントです。また、バックライトが常時点灯する大型液晶で、表示関係はとても見やすくなっています。

 

最大の魅力であるデジタル録音機能は、CD・ラジオ・カセットテープだけではなくLINE(外部入力)で使うことも可能(接続には別売のケーブルを使用)。これならスマホやテレビから出した音を録音するなど、いろいろ遊べそう。単なるCDラジカセとしてだけではなく、“音源なんでもMP3化装置”として使い倒すのが正解の1台といえそうです。

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【SPEC】
・ワイドFM:対応
・録音機能:CD/ラジオ/外部入力→カセットテープ、SDカード、USBメモリ
・入出力端子:ヘッドホン端子、マイク端子、外部入力端子
・MP3再生:対応
・乾電池駆動:単2形×6
・サイズ:W316×H130×D215mm
・重量:約2.2kg
・本体カラー:サテンゴールド
・リモコン:付属