パナソニックは、新しいスタイルの一体型オーディオシステム「SC-UA7」を発表。リビングぐらいの広い部屋でも、テレビやスマホの音を手軽にグレードアップできる製品を目指したという本機の実力を、パナソニック汐留ミュージアムでひと足先に体験してきました。
前方3面に配置したスピーカーがワイドに音を広げる
今回パナソニックが発表したSC-UA7は、縦置き1本バータイプのサウンドシステム。通常のステレオスピーカーの場合は左右2本のスピーカーを必要としますが、SC-UA7は本体に高域から低域まで幅広くカバーする合計10個のスピーカーユニットを搭載しています。さらに、実用最大出力が総合1100Wというパワフルなデジタルアンプを内蔵。前方3面に配置したスピーカーをパワフルに駆動して、180度のアングルへワイドに音を広げます。
開発・設計に携わったPanasonic AVC Networks Singapore社の池浦寛生氏は、音づくりのポイントについて「単体で立体的な広がりのあるサウンドが楽しめるだけでなく、本体を可能な限りコンパクトにしながら、力強くスムーズな低音を余裕を持って鳴らせるようにチューニングしました」と語ります。
その鍵を握っているのが、重低音を受け持つスーパーウーファーを背中合わせに配置する独自技術。本体下側のエンクロージャーに2基のユニットを背中合わせに配置することで、エンクロージャー内部の不要な共振を抑え、透明感と量感を併せ持つサウンドに仕上げています。下側のエンクロージャーにはさらに、4つの「Airquake Bass」と呼ぶ独自のポートを設けて前方方向へ無駄なく空気圧を送り出します。実際、ボリュームを上げて音楽を再生しながらスピーカーの前面に手をかざすと、空気に押し戻されるような圧が感じられました。
さまざまな音楽ソースやシーンに対応
再生入力できる音楽ソースもバラエティに富んでいます。Bluetoothでスマホとペアリングすれば、スマホに保存されているMP3/AAC形式の音楽ファイルや、Spotify、Google Playミュージックなどの音楽配信サービスの楽曲をワイヤレスでストリーミング再生ができます。本体に内蔵する4GBのメモリー、またはUSB端子に接続した記憶媒体の中にあるMP3/AAC形式の音楽ファイルの再生にも対応します。テレビなどホームシアター機器には光デジタルケーブルで接続できるので、リッチなサウンドを加えたいならSC-UA7との組み合わせが有効です。このほかにもワイドFMチューナーが内蔵されています。
本体は物理リモコンのほか、天面のタッチセンサーコントローラーによる操作に対応しています。プリセットされているイコライザーは7種類。ミュージックにBGM、シネマのほか、夜も音楽を楽しみたい場合に重宝する「ナイト」などから選べます。低音の量感も「D.BASS」機能により7段階から調節ができ、イコライザーと掛け合わせて設定することも可能。専用のスマホアプリ「Max Juke app」を用意すれば、聴きたい楽曲の簡易なキューリストも作れます。
リビングでの「据え置き」需要が高まっている
SC-UA7の商品企画を担当したパナソニック株式会社 アプライアンス社の秋本正仁氏は、「最近は据え置きタイプのオーディオ機器を積極的に購入する40~50代のユーザーから、専用のオーディオルームだけでなくリビングでも気軽にBGMとして音楽を楽しみたいという声が高まってきています」と語ります。本機はそうした「よりシンプルにいい音を楽しめるオーディオ」に注目するユーザーをターゲットに、あえてシンプルな機能に絞り込んだところが特徴です。
リビングで違和感のないよう、本体カラーは落ち着いた、インテリアにも良く馴染むグロッシーブラック。上下のエンクロージャーの間には、消灯も含めて明るさを段階的に調節できる青色のLEDサインを内蔵しています。秋本氏は「まずはブラックからスタートして、ほかのカラーバリエーションは反響をみながら検討します」と説明します。
ちなみに、今回のSC-UA7の記者発表イベントは、リビング空間での使用を意識した製品ということもあってか、パナソニック汐留ミュージアムで10月1日まで開催中の企画展「AMBIENT 深澤直人がデザインする生活の周囲展」の展示スペースの一角を特別に使って行われました。これは、展示室を住空間に見立てながら、深澤氏がプロダクトデザインを手がけた家電や家具、ビジネスギアなどが一望できるというもの。同ミュージアムでは20世紀フランスを代表する画家・ジョルジュ・ルオーの常設展示も行われているので、興味がある方はぜひ足を運んでみてください!